●選抜高校野球2日間順延後、山学高2回戦
~創志学園高と対戦。津島、櫻田の完封継投で勝利~
~応援団の熱い声援に選手溌剌、8強に進出~
天候不良のため23日・24日の2日間連続順延した「第96回選抜高校野球大会」は25日に再開。26日には、天候不安定のまま、午後からの試合開始で2回戦3試合を2試合に変更して実施、山梨学院は2試合目に創志学園高(岡山)と対戦した。応援団は天気が懸念される中でも、バス11台に分乗し、野球部応援団、生徒会、吹奏楽部、チアリーダー部、一般生徒、教職員約400人に保護者会、PTA、一般200人が球場で合流、総勢約600人が三塁側アルプススタンドに勢ぞろい、熱い声援を送った。試合は、後攻の山梨学院は1回戦に好投した津島悠翔が2戦連続で先発。1回表、先頭打者に四球を与えたが後続をきっちり抑え上々の立ち上がり。攻撃は2回裏、二死から6番横山悠が中越え二塁打で好機を作ると、8番岩城敦仁の中前適時打で先制。続く3回には四球と4番梅村団の安打で二死二塁一塁を5番鉢尾泰地の左中間二塁打で二者が生還、3-0とした。さらに継投した創志学園2番手投手から7番二村仁功の適時打で4-0と序盤で試合を優位にした。投げては先発津島がこの日も丁寧な投球で7回途中まで3安打無失点に抑えた。継投した櫻田隆誠は持ち味の制球にやや苦しむも、2回1/3を無失点で切り抜け完封リレーで創志学園を4-0で退けベスト8に進出。次戦、準々決勝は高崎健大高崎高と4強を懸けて対戦する。
■2日間待たされた約600人の応援団、熱い応援で選手を後押しー
大会は、この日まで天候不良で14年ぶりの2日連続順延となり日程の遅れが心配された。この日も朝方までの強い雨で3試合を2試合にして実施した。第1試合を午後1時30分、山梨学院の第2試合は午後4時開始にして行われた。山梨学院高校は1回戦京都外大西高に7-1で突破し、創志学園高(岡山)との2回戦は、24日第2試合に行う予定が26日に順延。しかし、この日も朝から強い雨で、日本高等学校野球連盟は第1試合開始を午後1時30分に変更。第2試合の山梨学院は午後4時開始予定と変更された。応援団は天気が懸念される中でも、バス11台に分乗し、午前7時に学校を出発、甲子園に向かい途中交通渋滞に巻き込まれ予定より大幅に遅れ試合開始30分前に到着した。2回戦には野球部応援団(登録外部員25人、新入部員35人)、応援団、生徒会、吹奏楽部、チアリーダー部、一般生徒、教職員約400人に保護者会、PTA、一般約200人が球場で合流、総勢約600人が三塁側アルプススタンドに勢ぞろいした。
■選手に向けて応援メッセージ
試合開始前、1回戦に続き、スタンドで選手たちへの応援メッセージを聞いた。秋季山梨大会、関東大会で守りの原動力となった❖櫻田隆誠投手の父親で野球部保護者会・櫻田和誠さんは2日間順延の影響を、「(グラウンドにいる)選手たちの表情を見ているとリラックスしているようなので影響はないと思いますし、選手たちも言っているように一戦必勝でいつも通り粘り強く戦ってもらえば」と話し、櫻田投手については、「(インフルエンザから)回復していると聞いていますし、投げるとしたら楽しく伸び伸びと自分の力を発揮してほしい」と甲子園での活躍も期待する。また、❖中原義虎主将の母親で野球部保護者会・中原麻里子さんは「厳しい冬を乗り越えた力を出し切ってほしいと思います。私たちの代は、上級生とはカラーも違いますし、求められるものも違って、最初は優勝旗をみんなで返そうというところから始まって、そこから優勝旗を持って帰るというところまで来ていますのでその気持ちをしっかり維持して戦ってもらいたい」と子どもたちの成長を見守る。❖登録外選手たちとアルプススタンドで応援する山下由起コーチは「初戦の感じだとあんまり緊張もしていなくて、いい形で臨めていると思います。今までやってきたことをしっかり出してもらえればいいので、それで十分です」と選手たちの力を信じる。❖ソフトボール部主将の塩田優和さん(3年)は「(隣のグラウンド)いつも(厳しい)練習を見ていたので、新チームになってプレッシャーもあると思うんですけど、甲子園でやることはめったにないことなので学院らしく楽しんでほしいなと思います。自分たちも身体張って全力で応援します」と力強くエールを送った。❖特進コースの山本敬心さん(2年)は「ホームランを打ってほしいです。2回戦を勝ったらそのまま進んで行くと思うので是非とも勝ってほしいです。応援は全力でやりたい」と全校応援で選手を後押しする。
■中国大会準優勝、左腕エースを擁する創志学園に挑むー
山梨学院の2回戦は、昨秋の中国大会決勝で広陵高に敗れたものの、1-2で接戦を演じ準優勝した創志学園高(岡山)と対戦した。創志学園は選抜に7年ぶり4回目の出場。エース左腕山口瑛太投手(3年)は1回戦の別海高(北海道)から14三振を奪っており、切れ味鋭いスライダーを持ち味としている。その山口投手を山梨学院が堅い守りから失点を最小限に抑え、少ないチャンスで攻略できるか。粘り強いつなぐ野球での接戦をものにするか見どころであった。吉田洸二監督はこの2日間の順延を1回戦6回まで1失点と好投した津島悠翔(2年)の休養回復と、継投で出場した櫻田隆誠(3年)のインフルエンザによる調整の遅れを、「日ごとに回復しているのでこの延期はありがたい」と前向きに捉えていた。
■先発の津島、2戦続けての好投。打線も効率よい試合運びで前半に得点ー
試合は、創志学園高の先攻で始まった。後攻の山梨学院は1回戦に好投した津島悠翔(2年)が2試合連続の先発のマウンドに立った。1回表、先頭打者にストレートの四球を与えたが後続を3人で抑え上々の立ち上がり。4番から始まった2回裏の攻撃。二死から6番横山悠が中越えの二塁打で好機を作ると、続く7番二村仁功(3年)が四球で二塁一塁にすると、2回表、創志攻撃の場面で一塁走者盗塁の際にベースカバーに入った進藤天斗(2年)が負傷退場。交代した8番岩城敦仁(2年)がしっかりと中前に打ち返し、ホーム上でのクロスプレーになるも先制。早くも山梨学院応援団は一体になった。続く3回には2番萬場翔太(2年)の四球と4番梅村団(2年)の中前打で繋いだ二死二塁一塁の得点好機に5番鉢尾泰地(3年)の左中間二塁打で二者が生還、つなぐ野球が功を奏して3-0とした。さらに継投した創志学園2番手投手から7番二村の適時打で4-0と序盤で試合を優位にした。選手ごとに生徒会役員が持つプラカードの指示に従って、吹奏楽部の『突撃のテーマ』『ビッグウエーブ』『救心歌』など勢いのある演奏が球場に鳴り響いた。投げては先発津島がこの日も丁寧な投球で7回一死後、安打を打たれ、1回戦と同じ88球目に櫻田隆誠(3年)に継投。津島は無失点で自分の役割を十二分に果たした。一死一塁で走者を背負った櫻田は次打者に粘られ、さらに盗塁を決められ一死二塁得点圏に進塁を許した。そしてフルカウントから投じた8球目が快音を残し左直になり、大きく塁間を走った二塁走者は帰塁できずにアウトとなりピンチを切り抜けた。櫻田は持ち味の制球にやや苦しんだが2回1/3を無失点。前半の得点を津島、櫻田の完封リレーで守りきり創志学園を4-0で退けた。昨年初めて突破した2回戦を新チームも乗り越え、2年連続のベスト8を決めた。試合後、2回目の校歌が甲子園球場に流れた。
■山梨学院高校VS創志学園高校 大会7日目2回戦第2試合 甲子園球場
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
| 創志学園 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 山梨学院 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 4 |
■山梨学院高先発打順・守備位置
1. 黒澤后琉(③ 中) 2.萬場翔太(② 二) 3.河内佑樹(③ 右) 4,梅村 団(② 一) 5.鉢尾泰地(③ 三) 6.横山 悠(② 捕) 7.二村仁功(③ 左) 8.平野天斗(② 遊) 9.津島悠翔(② 投) ※〇囲みは新学年
[投手]津島⇒櫻田隆誠(③)→[捕手]横山
津島=投球回:6回1/3 打者数23 投球数88、被安打3 奪三振2 四球1 失点0
櫻田=投球回:2回1/3 打者数10 投球数42、被安打3 奪三振0 四球1 失点0
[打撃] 安打9《二塁打:横山、鉢尾、黒澤》 四球4 三振6
[交代]平野⇒岩城敦仁(二) [守備位置変更]萬場翔太(二→遊)
次戦、準々決勝は28日第2試合。昨秋の関東大会準決勝で競り勝った高崎健大高崎高(群馬)とベスト4を懸けて対戦、2連覇を目指す。
文(K.F) カメラ(平川大雪・今村佳正、小池裕太) 2024.3.26