●2024年度「関甲新学生野球春季1部リーグ開幕
~山学大開幕2試合連続コールド勝ち 優勝に向け好発進~
~2戦目作新学院に序盤、苦しむも投打のバランスで粉砕~
2024年度「関甲新学生野球春季1部リーグ戦」が4月6日開幕。山梨学院大は1戦目、同大川田野球場で行われた新潟大戦に10-0、7回コールド勝ちでリーグ戦の幕を開けた。関甲新1部リーグは10校、5月中旬までの日程を、各チームは1試合総当たりの勝率制でリーグ優勝と、その先の全日本大学選手権出場を懸けて熾烈な戦いを繰り広げる。4月7日2戦目、山梨学院は同大野球場に作新学院大を迎えて対戦した。後攻の山梨学院は、リーグ戦初先発の森山晃輔がマウンドに上がった。森山は2回表、作新学院の先頭4番に安打、続く5番には二塁打、四球と続き一死満塁のピンチに立ったが、後続を併殺打に抑えピンチを凌いだ。しかし3回には2連続安打と犠飛で1点先制を許した。一方、山梨学院打線は相手長身の投手に4回まで1安打と抑えられるも、5回一死後、7番山口晃が右越えの本塁打で追いつくと、6回には先頭の1番乙黒颯斗の二塁打を足掛かりに小技を絡め2点を加え3-1と逆転。さらに7回には継投した投手から7番山口が口火を切り、3連打や相手投手の制球の乱れなどに乗じて5点を奪い、なおも二死満塁で8番岩﨑瞭が走者一掃の三塁打で8点を奪い、この時点で11-1。コールド勝ちが成立した。初先発の森山は3回以降、作新打線を無安打に抑えて1点を守り、7回完投勝利を挙げた。チームは開幕2連勝、幸先の良いスタートを切り2014年春季リーグ以来の2回目の優勝を目指す。
山梨学院大が所属する関甲新学生野球1部リーグは2022年度春季リーグ戦からから編成を8大学から10大学に増やし、1試合総当たりの勝率制での順位を決める。1部リーグは上武大、山梨学院大、白鷗大、平成国際大、松本大、作新学院大、新潟医療福祉大、関東学園大、新潟大、常磐大の10校(昨秋リーグ戦順位順)。2部リーグは東、西地区10校で編成、春秋のリーグ戦後に1部リーグの最下位になったチームと2部リーグの1位チームで入替戦を実施する。山梨学院大野球部は2005年、強化育成クラブに指定されて以降、2006年秋季1部リーグで初めての準優勝を果たし、その後、2011年秋季、2012年春・秋季、2013年春季の4季連続を含む5回の準優勝、2014年春季に念願の初優勝を飾った。それ以降、優勝争いに絡めず、昨年秋季リーグでようやく本来のチーム力で最後まで優勝争いをし、6回目の準優勝に輝いた。その結果、11月の「横浜市長杯関東地区選手権大会」に11年ぶりに出場、4強の成績を残した。新しくなったチームで臨む春季リーグは10年ぶりの優勝、2度目の全日本大学野球選手権出場を目指す。
■2戦目を前に須田監督にインタビュー
秋季リーグ準優勝、関東地区大会4強の好成績を牽引した中込陽翔、佐藤裕士、西野知輝の3本の安定した投手陣とプロに行った宮崎一樹をはじめとする旧4年生が抜けた後、新チーム作りをしてきた須田喜照監督は「あくまでも私は、野球はピッチャーだと思っているので、2年生と3年生しかいない今、当然春季リーグは優勝を狙っていますので、経験のない(リーグ戦)の中で、いかに若いピッチャーが自分のピッチングをして経験を積みながら勝たなければならないという難しさは感じています」と次のエースの台頭を期待する。1戦目に好投した北野文也投手(3年)については「先発は初めてなので、相手は関係なくいいピッチングしても打たれても経験だから次に活かしなさいよと話してきましたので、マウンドでいろいろ感じ取ったと思います」と手応えを口にした。打線は「経験者が何人か残っているのでそこを中心に、まだまだ若い伸び盛りの選手がたくさんいるので4年生が抜けた穴はチャンスなのでチームとして上手く勝てるチームとして機能していきたい」と抱負を語った。
その結果、初戦の新潟大戦で先発した北野投手は6回を5安打無失点、7回から1回を継投した川口龍己投手(2年)が3奪三振無失点で締め、打線も本塁打2本を含む10安打で投打が噛み合い10-0、7回コールド勝ち。大事な初戦を突破した。
■毎年掲げる野球部のスローガンの今年は「走姿顕心」―
普段の何気ない練習の走る姿にもその選手の心や資質が現れる。日頃の取り組みから選手のやる気を見出す。
■優勝争いを演じるためには絶対負けられぬ作新学院大と対戦ー
同大川田野球場で行われた2戦目。初夏を思わせる日差しの中、試合は正午に開始した。
後攻の山梨学院は、リーグ戦初先発の森山晃輔(3年)がマウンドに上がった。森山は2回表、作新学院の先頭4番、続く5番にともに初球を狙われ安打と二塁打、一死後には四球で満塁のピンチに立ったが、後続をスリーボールと押し出しのピンチを何とか併殺打で凌いだ。しかし、3回には一死後、安打で出塁した走者を次打者のヒットエンドランで三塁・一塁とされ、続く打者の打ち取ったボールは深い一邪飛が犠飛となり1点を先制された。
一方、山梨学院打線は相手長身の投手に3回まで打者一巡で9人中7人までがフライアウトとなる無安打に抑えられた。その後、転がすバッティングに切り替えた5回一死後、7番山口晃(4年)が右越本塁打で追いつくと、6回には先頭の1番乙黒颯斗(2年)の右越二塁打を足掛かりに2番岸本侑也(2年)のセフティーバント成功など、機動力を発揮して2点を加え3-1と逆転した。さらに7回には継投した投手から再び先頭の7番山口が安打で口火を切り、犠打や代打の三枝佑太朗(4年)の適時打、続く1番乙黒、2番岸本の3連打、さらに相手投手の制球の乱れなどが絡み5点を奪い8-1と差を広げた。なおも二死満塁で8番岩﨑瞭(4年)が走者一掃の三塁打を放ち、山梨学院はこの回一挙8点を奪い11-1。この時点で7回コールド勝ちが成立した。初先発の森山は3回の犠飛での1失点に留め、以降立ち直り作新学院打線を無安打無失点と完璧に抑え、7回完投勝利を挙げた。チームはホームで開幕2連勝を飾り2014年春季リーグ以来、2回目の優勝に幸先良いスタートを切った。次回3節13日(土)はホームに松本大を迎え、第4節(日)は白鷗大野球場で白鷗大と対戦する。
■第2節4月7日(日) ≪山梨学院大VS作新学院大 山梨学院大学川田野球場》
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
作新学院大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 1 |
山梨学院大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 8× | - | - | 11 |
※7回コールド
◆山梨学院大=先発打順・守備位置
1.乙黒颯斗(二 2年) 2.岸本侑也(遊 3年) 3.小貝優光(左 4年) 4.山川永遠(三 4年) 5.山元丈輝(一 3年) 6.青木一真(DH 3年) 7.山口 晃(中 4年) ⑧.岩崎 瞭(捕 4年) 9.役田 翔(右 3年) P.森山晃輔(投 2年) 〇囲みは主将
◆バッテリー=(投手)森山晃輔⇒(捕手)岩崎瞭
〔投手〕森山:投球回数7、打者26、投球数93、被安打4、奪三振6、与四球2・死球1、失点1、自責点1
〔打撃〕安打10 長打(本塁打:山口、三塁打:岩崎、二塁打:乙黒)、三振2、四死球4
〔交代〕役田⇒H三枝佑太朗(4年)⇒R吉田敦哉(3年)、小貝⇒H池田寿優(3年)⇒R栗林凌生(3年)
■試合後のインタビュー
試合後、須田喜照監督は先制点を奪われた場面に「森山と守備で何回かピンチはあったものの、あそこを1点で抑えたのが大きかったですね。あそこで『だ、だ、だ』と行かれたらこういう展開にはなっていませんでしたから。打線は相手のピッチャーも良かったですから序盤ちょっと苦しみましたけど、山口の同点の一発が1点以上の重みを持ち、流れを変えた」と振り返り、これからの戦いを、「いいスタートは切れたので、優勝するには最終戦の上武大まで8連勝で行かないと優勝は見えてこないので、昨日今日と課題が出ているので、それをしっかり確認しながら次の松本大戦に準備を進めたい」と気を引き締めた。同点本塁打でチームを勢いづけた山口晃選手は「2年生の森山が頑張ってくれていたので、早めに楽にしてあげたいなと思っていたので、1本出て同点に追いつき、雰囲気を変えられたので良かったです。打撃の調子はいいですし、2戦目も勝てて雰囲気も上がっているのでこのまま一戦ずつ勝ちを積み上げられたらいいいいなと思います。全勝で神宮(日本大学選手権)に行けたら」と意気込む。リーグ戦初先発で好投した森山晃輔投手は「リーグ戦は初投げということで最初は緊張して自分の持ち味の真っすぐにつなげる変化球が入らなく崩れそうだったんですけど、周りの皆の声に助けられて、どんどん自分のピッチングにつなげられた」と粘りのピッチングを見せた。初先発初勝利に「課題も見つけることができて緊張の中でも自分のピッチングができたので自信になりました」と笑顔で答えた。7回、試合を決めた走者一掃の三塁打を放った岩﨑瞭主将は好投の森山投手を「2年生ということもあって、大分緊張していて、高校の後輩でもあり昨日から緊張をほぐしていたんですが、走者を背負った中でも粘ってくれナイスピッチングでした。リードの面では整備(グラウンド)を終えての6回表の3、4、5番を三者凡退に抑えたのが一番大きかった」。ちなみに1戦目に好投した北野投手も高校の後輩であり、2戦連続の後輩の活躍に安堵の表情を見せた。「来週は松本大、白鷗大の試合が控えていますが、自分たちの野球をすることだけなので皆を鼓舞していきたい」と前を向いた。
■第1節4月6日の結果 ≪山梨学院大VS新潟大 山梨学院大学川田野球場≫
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
新潟大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 0 |
山梨学院大 | 0 | 2 | 0 | 2 | 1 | 5 | × | - | - | 10 |
※7回コールド
◆山梨学院大=先発打順・守備位置は、投手以外は第2戦と同じ
◆バッテリー=(投手)北野文也(3年)⇒川口龍己(2年)→(捕手)岩崎瞭→高岡宗摩(4年)
〔投手〕北野:投球回数6 打者22 投球数85 被安打4 奪三振5 与四死球0 失点0
川口:投球回数1 打者 4 投球数18 被安打1 奪三振3 与四死球0 失点0
〔打撃〕安打10 長打(本塁打:山元、山川、二塁打:山川、山元、青木、乙黒)
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.4.7