●2024年度春季関東大学バレー女子2部リーグ
~山学、初戦立教に勝利し、昨秋の5位の上を目指す~
~新しいチームは、全員で繋いで粘りと速さで勝負~
山梨学院大バレー部女子は、昨年秋季リーグに創部8年目にして初の2部リーグに参戦、5位という結果を残し残留を決めた。そして迎えた4月13日、2024年度「春季関東大学女子バレーボール2部リーグ」が神奈川大学横浜キャンパスで開幕した。山学は初戦、秋季リーグ戦8位の立教大と対戦した。立教のサーブで始まった第1セット序盤、山学の緩急をつけたスパイクやフェイントでリードするも、立教もエーススパイカーの強いアタックで食い下がった。山学が1回目のタイムアウトから一気に点差を広げると、なおも粘る立教を振り切り25-20で第1セットを奪った。第2セットに入ると山学は、レシーブからリズムを作り多彩な攻撃につなげ25-12。セットカウント2-0と優位に立った。第3セットも立ち上がりから連続4ポイントを奪い、このまま勝利の流れに乗るかと思われたが、立教もここから反撃、粘り強い守備と左右サイドからのスパイクポイントで接戦に持ち込んだ。攻守のバランスが良くなった立教に対し、山学は守備の乱れ、スパイクの精度も欠き、何とか僅かなリードで迎えた終盤、手痛い3連続ミスを犯し、23-25とセットを落とした。2-1で迎えた第4セット、流れが立教に傾き山学が追う拮抗した展開は、終盤まで1ポイントを奪い合う熾烈な戦いが続いた。しかし、24―23山学マッチポイントに立教のスパイクがエンドラインを割り、試合に終止符が打たれた。山学は大事な初戦に大きな勝利を手にした。
2016年4月に「スポーツ科学部」開設と同時に17番目の強化育成クラブとして創部したバレーボール部女子はその年の春季関東大学リーグ戦に9部からスタート、8部に昇格。秋季リーグに7部、翌年2017年に6部、5部、2018年に4部、3部と僅か3年間で3部まで駆け上がった。その後、コロナ禍による1年半のリーグ戦中止や2022年の春季・秋季リーグの入替戦で昇格のチャンスを得たがいずれも逃し足踏み状態が続いた。しかし、2023年春季リーグ戦で2位の好成績を残し、創部8年目にしてようやく悲願の2部昇格を果たした。そして、秋季リーグで2部初参戦に山梨学院は9試合を戦い、6勝3敗で3校が同率で3位に並んだがセット率で3番目となり5位となる好成績を残して、2部での手応えを感じ2024年度の戦いに臨む。2024年度春季2部リーグの編成は明海大、敬愛大、都留文科大、大東文化大、山梨学院大、神奈川大、早稲田大、立教大、国際武道大、江戸川大の10チーム(秋季の順位順)に新たに3部から中央大、平成国際大が加わり5月19日最終日まで12チーム総当たり全11試合を戦う。その後、1部11位と2部2位、1部12位と2部1位、2部11位と3部2位、2部12位と3部1位の入替戦が予定されている。(日程未定)
試合前、飯塚駿コーチは「チームは30人と昨年より人数が増えて、そんなに高さがあるチームではないのでみんなで繋いでディフェンスで頑張って粘るチーム」と昨年までのエーススパイカーが抜けたチームスタイルと話す。シーズン目標を「(昨年)秋が初めての2部リーグ戦でしたが、セット数で同じ山梨の都留文大さんに負けたのが悔しいです。今まで勝ったことがないので今年は勝ちに行きます」と対抗心を燃やした。
■春季リーグ初戦は、一昨年2部入替戦で敗れた立教大と対戦ー
4月13日、2024年度「春季関東大学女子バレーボール2部リーグ」が神奈川大学横浜キャンパス体育館で開幕した。昨年2部リーグ昇格後、初参戦した秋季リーグで山学女子は、5位と初陣ながら健闘し、今季初戦は、秋季リーグ戦で勝利している立教大(8位)と対戦した。立教とは2022年秋リーグで昇格のチャンスに敗れた苦い経験を持つ。試合は、立教のサーブで始まった第1セット。山学のセッター久保田莉己(4年)が上げたトスを左サイドからの#6佐藤すず奈(3年)のスパイクで1点を奪うと、続く2点目もクイック攻撃で#9神村薫子(3年)がフェイントで決めた。序盤はこの二人の得点でリードするが、立教も#7エーススパイカーの力強いアタックで同点に追いつかれると、山学は1回目のタイムアウトでメンバーを落ち着かせた。この直後から相手のミスも絡んだがクイック攻撃、オープン、時間差攻撃やフェイントが決まり点差を広げた。終盤、立教も5連続ポイントを挙げて反撃するも、山学が25-20でこのセットを奪った。第2セットに入っても序盤、山学が#9上村が躍動、さらに昨秋リーグ戦でブロック賞に輝いた#2田島梨花子(4年)が攻撃に加わり、#4リベロ・勝又夏妃(4年)の正確なレシーブをセッター#1久保田が繰り出すCクイック、オープンなど多彩な攻撃で得点を加え、なおも#3平川慶奈(4年)が相手ブロックを強烈なスパイクで破るなど、相手を25-12と第2セットも粉砕した。
■2セット連取も、後半立教の粘りに苦戦ー
2-0と2セット連取で優位になった山学は第3セット。立ち上がりから#13中尾朱矢(2年)のスパイクや#24小林佑己奈(1年)のブロックで連続4ポイントを先取。このまま勢いに乗るかと思われたが、立教は積極的な攻撃でレシーブを崩し甘くなった返球をアタックで得点を積み上げ逆転した。その後は、激しいラリーが続き互いに一歩も譲らない拮抗状態となった。しかし終盤、粘った立教が山学のミスもあり23-23と同点に。最後は立教のスパイクが2本決まり23-25。山学はストレートで決めておきたかった第3セットを落とした。第4セット、流れが立教に傾き序盤、立教の先行で展開した。互いに譲れないセットに選手の一挙手一投足が躍動するラリーの応酬が互いの応援席を沸かせた。しかし、山学は一撃でピンチを打破する大砲が抜けた穴は大きく、立教の攻撃力が上回る勢いに押され一時は10-15の5点差のピンチを迎えた。この場面で#13中尾が変則スパイクで得点すると相手も勝利を意識してか、3連続ミスを犯す幸運も味方し、さらに2点を加えた。連続6ポイントで16-15と逆転した。その後は、疲れが見える両チームは死力を絞り一進一退の攻防を続けたが22-22の同点から山学#6佐藤の起死回生のスパイクで24-23、最後は立教のスパイクがエンドラインを大きく越え、25-23と接戦を制し、セット数3-1で立教を退けた。山学は登録選手14人をすべて出場させ、全員バレーの姿勢を見せた。
2部第1戦目 4/13 《山梨学院大VS立教大》 会場:神奈川大学横浜キャンパス | ||
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〇 山梨学院大学 3 | 第1セット 25-20 第2セット 25-12 第3セット 23ー25 第4セット 25―23 |
1 立教大学 ● |
◆山梨学院スターティングメンバー
#1セッター・久保田莉己(4年)、#2ミドルブロッカー・田島梨花子(4年)、#3ミドルブロッカー・平川慶奈(4年)、#4リベロ・勝又夏妃(4年)、#6アウトサイダーヒッター・佐藤すず奈(3年)、#9オポジット・上村薫子(3年)、#24アウトサイドヒッター・小林佑己奈(1年)。
他に、#5アウトサイダーヒッター・大島瑞穂(3年)、#10セッター・森山未知(3年)、
#13アウトサイダーヒッター・中尾朱矢(2年)、#14ミドルブロッカー・鈴木愛子(2年)、#17ミドルブロッカー・山村颯香(2年)、#18リベロ・中澤美波(2年)、#19リベロ・岡田真弥(2年)が随時交代で出場した。
試合終了後、安田貢監督は「リーグ戦ですのでみんな互角のチームばかりで簡単には勝てないところで、開幕戦で勝てたことは大きいです。どうしてもバレーは高さがアドバンテージになりますから、うちは170cm位か以下の子ばかりですからそういう部分では苦しいですね。うちは大砲がいない分、全員で頑張って戦うしかない」と後半の苦戦を振り返った。今後のリーグ戦目標を「そんなにいきなり上に行けるとは思っていないので、2部にしっかり定着するための足掛かりを作っていき、さらに2部の上位を狙って1部との入替戦に行けるというのは2、3年後かなと思っています。今年は2部に定着する土台を作ることだと思っています」と冷静に言葉を選んだ。セッターとしてゲームをリードした久保田莉己主将は「初戦の焦りはなく1、2セットはすごく良かったですけど、3セット目になって自分たちの共通理解がちょっと足りなくて、1本ミスしたら連続でバタバタしたりしてしまい落としてしまったのは痛かった」と試合の流れを反省。残り試合には「昨年より高さがないので、サーブから攻め、ブロックで制限してしっかりつないで速さで勝負して自分たちの強みを出せるように1試合1試合頑張っていきたい。目標は1位で1部入替戦」と展望した。
次戦2戦目は4月14日、同会場で早稲田大(7位)と対戦する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.4.13