●関東大学女子サッカーリーグ1部開幕戦
~前年優勝の山学大は国士館大と対戦~
~最後まで果敢に攻めるもドロー決着~
第38回関東大学女子サッカーリーグが4月13日に開幕し、前年1部リーグ優勝の山梨学院大サッカー部女子は、4月14日に山梨学院和戸サッカー場で前年2部リーグ王者の国士舘大と対戦した。試合序盤は相手の素早いプレスに苦しめられ、中盤でボールを奪われ、サイドから国士館大に何度もクロスを供給されるも、DFの中津留彩奈(4年)、宮本仁奈(4年)、大髙心(3年)の懸命なブロックやクリアにより、自陣ゴールを死守する。山学大は自陣から相手DF陣の裏のスペースを狙ったロングボールをFW坂井瑠南(4年)が追いかけるも、得点チャンスには繋がらない。前半はシュート1本で折り返し、後半はFW木許和心(4年)やMF山田歩美(2年)が両サイドを駆け上がり、FW伊藤琴音(2年)、齊藤桃花(4年)にボールを繋ぎ再三の決定機を演出するも最後まで得点は上げられず、リーグ初戦はスコアレスドロー決着となった。”リーグ優勝の王座を守る立場”と“1部へ昇格して上位を目指す立場”の構図が垣間見えた苦しい初戦となったが、新たなメンバーでスタートを切ったチームは悲観することなく、次節でのシーズン初勝利を狙う。
山梨学院大サッカー部女子は、創部10年目の2023年に第37回関東大学女子サッカーリーグ1部で初優勝を果たし、更には第32回全日本大学女子サッカー選手権でも初優勝を遂げ、名実ともに大学女子サッカーの頂点に立った。2024年の第38回関東大学女子サッカーリーグも1部リーグを戦う山学大は、1部リーグ所属の12チーム内でホーム&アウエーの総当たり戦を行い、初のリーグ2連覇を狙う。リーグ初戦の相手は、昨年の2部リーグを僅か2敗で優勝し、今年から1部所属となった国士館大をホームの山梨学院和戸サッカー場に迎えることとなった。
第38回関東大学女子サッカーリーグ1部 前期第1節 ≪山梨学院大学VS国士館大学≫ 2024.4.14 会場:山梨学院和戸サッカー場 |
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山梨学院大学 0 | 前半 0-0 後半 0-0 |
0 国士館大学 |
試合序盤は山学大のボールホルダーに国士館大が前線から素早くプレスを仕掛け、中盤でボールを奪われる場面や、山学大が蹴り出したボールを回収されてしまう場面が続く。国士館大は奪ったボールをサイドへ展開し、山学大陣地の深くまで侵入してゴール前にボールを配球するも、DF中津留彩奈(4年 大商学園高)、宮本仁奈(4年 藤枝順心高)、大髙心(3年 マイナビ仙台レディースユース)の懸命なヘディングでのクリアやタックルによるボール奪取により、国士館大の決定機は作らせない。山学大は、国士館大のハイプレスにより空いた相手ゴール前エリアへ自陣からロングボールを上げ、FW坂井瑠南(4年 アルビレックス新潟レディースU-18)がボールを追うが相手DFに阻まれ、山学大のゴールチャンスには繋がらない。前半は3分にFW齊藤桃花(4年 藤枝順心高)が放ったシュート1本に留まり、相手の猛攻に苦しめられた45分間となった。後半は、山学大DF陣やボランチのMF齊藤と香椎彩香(3年 東海大学付属福岡高)がサイドにボールを散らし、右サイドをFW木許和心(4年 藤枝順心高)、左サイドをMF山田歩美(2年 藤枝順心高)がドリブルで駆け上がることで、徐々に山学大が主導権を握る展開となる。後半7分にはDF宮本からのロングフィードをゴール前で受けたFW伊藤琴音(2年 常葉大学附属橘高)がフリーでシュートするも、ボールはクロスバーの上を通過する。後半16分には山学大の後ろからのパスを繋いで、MF山田がゴール前に出したラストパスへFW伊藤が反応するもオフサイド判定となる。後半41分には国士館大のゴール横からFW木許のクロスにFW伊藤が合わせるもボールを捉えることはできず、直後にFW伊藤がドリブルで運びゴール前から撃ったシュートも相手GKにキャッチされる。後半は最後まで山学大が攻勢を仕掛け、昨年リーグ得点王のFW伊藤を中心にゴールを狙い続けるも、得点を奪うことはできず、リーグ初戦は0対0のスコアレスドロー決着となった。
試合後、村上裕子監督は「(前日にも公式戦を戦い)疲労感が残る中、リーグ優勝して追われる立場となったため必ず難しい試合が想定されるだろうと選手に話をしてきた中、諦めずに攻めたがチャンスを掴むことはできませんでした。ゴールキーパーを含めディフェンス陣はしっかり守ってくれ、無失点だったことは評価したいです。よりエネルギーを持って、ボールを前に進めるため今シーズンからシステムを変え、前年インカレ優勝メンバーのポジションを変えたこともあり、フィットはまだしていないので、これからトレーニングを重ね、より相手に脅威と思われるサッカーをしたいです」と語り、今回の結果を悲観することなく今後を展望した。中津留彩奈主将は「初戦ということもあり、勝利して波に乗りたかったが、前半もマイボールを相手ゴールまで運ぶことができず、後半もチャンスは増えたが決めきることができず、相手の堅い守備に勝つことができず終わってしまったという気持ちです。国士館大は1部に上がってきて、(山学大に)何としても勝ちたいという強い気持ちがあったと思うので、メンタル的にも難しい試合になったと思います。今年の4年生は盛り上げるタイプが多いので、厳しい試合になっても4年生が引っ張っていきたいです」と悔しさを滲ませつつ今後の決意を述べた。
次戦、リーグ戦前期第2節は4月20日に国際武道大と国際武道大サッカー場で行われる。昨年リーグを優勝して初の『追われる立場』となった山学大サッカー部女子は、リーグ初戦の引分けを今年の連覇に向けた糧とし、次節でのシーズン初勝利を目指す。
文(R.K)、カメラ(平川大雪)2024.4.14