●天皇杯サッカー選手権県代表決定戦
~山学大PEGASUSは韮崎アストロスと対戦~
~接戦を制し3年連続の天皇杯山梨県代表に~
「天皇杯第104回全日本サッカー選手権山梨県代表決定戦」が5月5日、JITリサイクルインクスタジアムで行われた。山梨学院大学PEGASUS(ペガサス)は社会人サッカークラブ韮崎アストロスと対戦した。試合が動いたのは前半20分、左サイドから自陣ペナルティエリア内に侵入した相手選手へのファールでペナルティキックを与え、先制点を奪われる。直後に山学大は波状攻撃を仕掛け、前半23分に得たコーナーキックでMF横田矩克(3年)がニアへ上げたボールにFW播上颯大(4年)が頭で合わせ同点に追いつく。前半をこのまま1対1のスコアで折り返すと、後半2本目のCKを後半8分に得ると、今度はMF横田がファーサイドへ上げたボールをFW増澤直哉(4年)がヘディングでゴールを決め逆転する。流れに乗った山学大は、後半16分に相手ゴール前でボールを奪ったFW播上がこの日2点目のゴールを落ち着いて決め点差を広げる。その後も攻め続けた山学大はいくつかの決定機を逃すと、後半34分にゴール前から相手のミドルシュートを決められ点差を1に縮められると、相手のFKやCKを与えピンチの場面が増えるもGK磯部圭佑(4年)のセーブやDF清水璃音(3年)のクリア等、山学大の粘り強い守備により相手の同点弾を許さず3対2で試合終了。3年連続の天皇杯山梨県代表を勝ち取った山学大PEGASUSは、5月25日にレモンガススタジアム平塚で神奈川県代表と天皇杯第1回戦を戦う。
「天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会」は5月25日・26日に1回戦が行われ、決勝は11月23日、国立競技場で行われる。出場チームはJ1-19チーム、J2-20チーム、アマチュアシード2チーム、都道府県代表47チーム、全88チームによって争われ、サッカー日本一のチームを決める。山梨学院大PEGASUSはこれまで2013年、2019年、2020年、2022年、2023年の5度の天皇杯本選出場を果たしており、6度目の山梨県代表を賭けて、これまでに16回の天皇杯出場経験がある韮崎アストロス
とJITリサイクルインクスタジアムで対戦した。
天皇杯第104回全日本サッカー選手権山梨県代表決定戦 ≪山梨学院大学VS韮崎アストロス≫ 2024.5.5 会場:小瀬スポーツ公園JITリサイクルインクスタジアム |
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○山梨学院大学 3 | 前半 1-1 後半 2-1 |
2 韮崎アストロス● |
山学得点者: 斎木大和、南雲俊治、中田開人 |
試合は序盤から、山学大の前に人数を掛けた攻撃と、韮崎アストロスのカウンターサッカーが拮抗し、一進一退の状況が続く。試合が最初に動いたのは前半20分、左サイドから自陣ペナルティエリア内に侵入した相手選手へのファールでペナルティキック(PK)を与え、韮崎アストロスがこのPKを決め前半21分に先制点を奪われる。劣勢に立ち攻撃のギアを上げた山学大は、直後の前半21分にDF西健汰(3年、ヴァンフォーレ甲府U-18)が左深い位置から相手ゴール前へクロスを入れるも誰も合わせられず、その1分後には右からDF清水璃音(3年、山梨県立北杜高)が出したパスにMF MF横田矩克(3年、帝京長岡高)が反応してシュートを打つが相手GKへ弾かれてしまう。このプレーで得た前半23分のコーナーキック(CK)をMF横田が右から相手ゴール前へボールを上げると、FW播上颯大(4年、三浦学苑高)が頭で合わせ、すぐに同点に追いつく。前半をこのまま1対1で折り返すと、後半は開始直後に相手ゴール前でのフリーキック、CKを立て続けに得てMF横田がキックを務めるも相手GKのパンチング等により相手ゴールを割ることができない。後半8分に後半3度目のプレースキックを任されたMF横田は、左から上げたボールにFW増澤直哉(4年、松本第一高)がヘディングでゴールを決め逆転する。これで勢いに乗った山学大は、後半16分に相手ゴール前でボールを奪ったFW播上がこの日2点目のゴールを落ち着いて決め、点差を2に広げる。その後も後半23分にMF横田からのスルーパスで抜け出した途中出場のFW中村史温(4年、国士舘高)が相手ゴールから僅かに逸れるシュートを打ち、後半33分には途中出場のMF若松歩(3年、関東一高)の相手ペナルティエリア前でのポストプレーに反応したFW田中ハーディー啓秀(3年、大成高)がシュートを打つも相手ゴール上へ逸れてしまう。その直後の後半34分には相手が山学大ゴール前で放ったミドルシュートが決まり、点差を1に縮められると、相手のFKやCKを与えピンチの場面が増えるが、GK磯部圭佑(4年、山梨学院高)のセーブやDF清水のクリア等、山学大の粘り強い守備により相手の同点弾を許さず3対2で試合終了。接戦を制し、3年連続、6度目の天皇杯山梨県代表の座を手にした。
試合後、大場健史監督は「試合の入りは良かったが、サッカーは最後まで何があるか分からないので、しっかりリスク管理をしながら戦うことができました。セットプレーは練習していたので、今日はその成果が出たと思います。守備面は狙い通りのことができたが、攻撃面はもう少しテンポがほしかったので、そこはこれから修正していきます」と試合を振り返った。2ゴールを決めた播上颯大選手は「先制点を与えてしまいまずいと思ったが、自分のゴールで同点に追いつき勢いをつけることができて良かったです。セットプレーはトレーニングから力を入れて取り組んでいたのでその成果を出せました。守備については弱い部分があるため、(1回戦に向けて)高めていかなければいけないと思います」と、大場監督と同様にセットプレーでの成果を語った。セットプレーから2アシストの活躍を見せた横田矩克選手は「セットプレーは毎週映像を見ながら練習をして、イメージはできていました。今日も練習通りの得点を(セットプレーから)上げることができました。1点目がニアサイドでの得点で、相手もそちらを警戒したため、2点目はファーサイドで上げることができ、相手を揺さぶることができました」と得点シーンを振り返った。
天皇杯第1回戦は、5月25日にレモンガススタジアム平塚で神奈川県代表と対戦する。神奈川県代表チームは5月12日の天皇杯神奈川県予選決勝で、関東大学リーグ1部の桐蔭横浜大学かJ3リーグのSC相模原で争われる。どちらのチームも山学大の格上チームとの対戦になるが、昨年初めて1回戦を突破した山学大PEGASUSは、今年は更なる高みへ到達するため、まずは天皇杯初戦勝利を目指す。
文(R.K) カメラ(平川大雪) 2024.5.5