●第76回山梨県高校総合体育大会が閉幕
~山学男子2年連続総合優勝、女子は惜しくも2位~
~新緑の季節に高校生アスリートが躍動~
5月10日、高校生アスリートが学校対抗得点獲得に力と技を競い、熱戦を繰り広げた高校スポーツの祭典「第76回山梨県高校総合体育大会」が3日間の戦いを終え閉幕した。山梨学院高校は、2年連続男女W優勝の快挙に挑み、今大会でも躍動し得点を重ねた。しかし、男子は2年連続4回目の優勝を果たすも、女子は日本航空高と優勝を競ったが同点となり、優勝種目の僅か1差で惜しくも優勝を逃した。今年も学校対抗得点に大きく貢献したのは陸上、バドミントン、テニス、ソフトボール、水泳で、特に陸上競技では男子の活躍が目覚ましく、この競技での総合優勝にも輝いた。他にもバドミントンの4連覇、ラグビーの連続優勝が光り、2年連続の総合優勝に貢献した。また、すでに終了している硬式野球優勝が大きくプラスした。女子は、2位と優勝は逃したものの、陸上競技中長距離の得点が目を引き、テニスの強さは他を寄せ付けず、団体、ダブルス、個人シングルスも上位を独占した。また、新体操でも個人、団体ともに優勝、バドミントンでは初優勝を目指したがライバル校にあと一歩で涙を飲むも、健闘を見せた。今大会は、弓道や卓球、新しく強化運動部に指定された男子バスケットボールなどが大躍進を見せ、今後の山学高アスリートたちのさらなる進化を予感させた。全競技終了後、閉会式が行われ男子山梨学院、女子日本航空に優勝旗が授与された。新緑がまぶしい季節の中、高校生が吹き込んだ風がさらりと流れていった。
◆5月9日、大会2日目(陸上競技は3日目)―
❖5月9日午前9時半に開始された陸上競技フィールド競技種目の女子やり投げ決勝で山梨学院三井陽理(2年)が昨年2位の雪辱を果たし優勝を飾り順調な滑り出しをした。他にもトラック種目女子800m決勝は、1500mで3位の戸澤瑠奈(1年)が優勝、3位に持田美陽(1年)が入った。また、女子3000mは坂元唯花(2年)が優勝。3位に健闘した横倉つぼみ(1年)が入った。坂元唯花選手は「最初からスローペースで入って、1位を狙いたかったので、後ろにいた2位の人の様子を窺いながら仕掛けるべきところで仕掛けて順位を狙って行けたらなと思いました。自分の気持ち的にも余裕を持って走れたので良かったと思っています。でも自分のベスト記録よりかは20秒ぐらい離れているので、そこが南関東の課題になるのかなと思っています」と次に照準を合わせた。3位の横倉つぼみ選手は「とりあえず6位までが関東なので狙っていたからいい結果だと思います。集団で行っていたんですけど、まだ余裕があったから、前の集団に付いたんですがラストの1周で離されてしまったので、課題はこのスピードをつけることで、関東はレベルの高い人が多いので、その人と戦える喜びとか噛みしめながら自分の限界まで挑戦していきたい」と意気込みを話した。男子800mではフェリックス・ムティアニ(2年)がスタートから飛び出し、圧倒的な強さで2位に約7秒の差をつけて優勝を飾った。
❖陸上最終日、最後の種目男子4X400mでは、第1走の宮崎太郎(3年)が鋭いスタートをキープ。1位選手とほぼ同時に第2走の有井謙成(3年)にバトンを渡すと、有井は得意の400mのスプリント力を活かしトップで第3走三島秦斗(1年)に正確にリレー。三島はトップを守ると第4走のムティアニ(2年)が追随する甲府城西を寄せ付けずにゴール。山学男子はこの種目で記念すべき初優勝を飾った。第1走の宮崎太郎選手は「去年の県新人から駿台に負けて、チームとして目標がマイルの優勝だったんで、冬の練習を頑張ったことが良かったと思います。三段(跳び)が終わって結構疲労があった中だったんで、まあまあの結果だと思います。これから南関東の決勝に入れるようなチーム作りをしていきたいですね」と話した。2走の有井謙成選手は初優勝について、「いやあもう何といっても最高です。自分が先頭を引っ張る感じだったんですけど、それが上手くいかなくてちょっと大丈夫かなと思ったんですけど、あとの3、4走が頑張ってくれたので良かった」と後輩を称えた。弓道部は、8日に男女団体戦が行われ、女子チームが5位タイとなり対抗得点を初めて獲得、個人戦予選では女子の岩森咲良(3年)が唯一予選を2位で通過、2日目のこの日に決勝戦に臨み、決勝1回目、2回目に1人1回4射を全的中、3人による決勝戦で2位・3位決定戦に回り、2人による1本近的競射し岩森が勝利した。昨年4位だった岩森にとって初めての準優勝に輝いた。弓道部岩森咲良主将は「去年は3位以内に入れなくて悔しい思いをしたので、今年はという気持ちで頑張りました。優勝は逃して悔しい気持ちはありますけど、自分を信じて引けたので良かった」。1本勝負の緊張は「もう2、3位のどちらかが決定していたのでやるべきことをやるしかないなと引きました」と心境を語った。他に女子ソフトボールは2年連続帝京第三との決勝戦に12-0で勝利、25回目の優勝を果たした。また、新体操では、学校対抗団体で中澤妃花、松土こころ、河西真奈のチームが優勝、個人総合でも中澤が1位となった。また、大会1日目、団体形で男女2位となった空手道は、2日目の団体組手でも男女2位となり学校対抗得点に寄与した。水泳は、大森理央(2年)、細野秦聖(3年)、小島温史(2年)、女子の一瀬そら(1年)らが各種目で優勝、男子4X200mフリーリレーでは小島・大森・細野・藤田凌輔(2年)が大会新記録で優勝。テニスでは女子ダブルスが行われ、1位から3位まで山梨学院独占となり、優勝は西村美璃(3年)、三好栞奈(2年)ペア、高木優羽(3年)・吉井來未(2年)ペアが準優勝となった。男子団体は3位、ダブルスでも廣瀬龍馬(3年)・上條優人(2年)ペアが3位に入った。
■5月10日、大会最終日も山学は躍動したー
❖午前9時、甲府商業高体育館で男女バドミントン決勝が行われ、男子チームは甲府工業高と対戦、1・2セット目のダブルス、3セット目のシングルスをセットカウント3-0で勝利。4連覇を達成。初優勝を目指した女子チームは、甲斐清和高を相手にダブルス2戦を落とした後、3セット目のシングルスで盛り返し1勝したが、シングルス2戦目で逆転による惜敗でセットカウント1-3で敗れ、今大会も準優勝で涙を飲んだ。バトミントン男子の松岡倖成主将は「先輩が3連覇して、自分たちもチャレンジャーの気持ちで練習してきて、目標は1ゲームも落とさず優勝することでそれを達成できて良かったです」と安堵の表情を見せた。試合の内容を、「1W(ダブルス)の試合で自分はあまり良いプレーができなくて、チームに流れを持ってこれなかったんですけど、でも2Wの柳と坂本がしっかり流れを作ってくれたので、チームとしては良い雰囲気で優勝できたと思います」と仲間に感謝した。次の試合に向けて「関東優勝の目標を掲げてやってきたのでそれを目標にチーム一丸となって頑張りたいと思います。自分がチームのキャプテンとして引っ張って、目標出来るようにしたい」と意気込んだ。女子の千野柚季主将は「自分たちが1Wとしていい流れを作っていかなきゃいけなかったところを、2-0で負けてしまったところが今日の一番の敗因だと思うので、先輩たちとずっとこの大会で優勝しようとやってきて、自分たちで最後、優勝して男子と一緒にインハイに行きたかったんですけど、それは果たせなかったので、後輩たちがインハイを取れることを応援します」と涙を抑えて話した。ラグビー決勝戦は昨年、この大会で日川高に大勝。これを機に花園初出場を果たし、自信を胸に2年連続の決勝戦に臨んだ。今大会も47-14と勝利。関東大会出場を決めた。また、この日はテニスシングル決勝も行われ優勝は西村、2位三好、3位に佐藤里美(2年)、4位吉井と山梨学院勢が独占。西村と三好は関東大会、インターハイ出場権を獲得した。
■閉会式、総合成績発表・表彰式ー
5月8日から10日の3日間、甲府市・小瀬スポーツ公園をメイン会場に県内各会場で高校生アスリートが繰り広げた熱いスポーツの祭典。「第76回山梨県高校総合体育大会」が閉幕。閉会式が小瀬スポーツ公園体育館で行われた。初めに山梨県高校体育連盟・古田厚司理事長より成績発表があり、男子は山梨学院男子が2年連続優勝、女子は日本航空が優勝、2位に山梨学院と発表され、期待の大きかった山梨学院の2年連続男女W優勝は成らなかった。発表後は、表彰式に移り、山梨県高体連・山田芳樹会長から山梨学院男子に優勝旗が授与され、2位の女子には楯が贈られた。
■今大会の学校対抗総合得点
《男子総合得点》=1位:山梨学院高47点、2位:日本航空高40点、3位:甲府工業高39点、4位:駿台甲府高31.5点、5位:日大明誠高30点、6位:日川高23点となった。山学男子は昨年から得点を2点伸ばした。
《女子総合得点》=1位:日本航空高31.5点、2位:山梨学院高31.5点、3位:甲府商業高17.7点、4位:甲斐清和高17点、5位:韮崎高16.7、6位:巨摩高14点となり山学女子は1位と同点ながら優勝種目が下回り2位となった。
文(K.F) カメラ(平川大雪、藤原稔、K.F) 2024.5.10