●第53回関東高校ホッケー大会2日目 準決勝・決勝
~準決勝で利根商業高を3対0で破り5年ぶりの決勝へ~
~決勝でも飯能高に完封勝利し、6年ぶり6度目の優勝~
高校ホッケー関東一を決める「第53回関東高等学校ホッケー大会」男子の準決勝・決勝が6月2日、甲府市・山梨学院ホッケースタジアムで行われた。1日目の初戦を法政第二高(神奈川)に勝利した山梨学院高(山学)は準決勝で利根商業高(群馬)と対戦。ゲームは序盤から山学が主導権を握り、第1Q(クォーター)の12分にキャプテン梶原大嗣の左サイドから持ち込んだシュートで先制。第2Qでは14分に3回目のPCを梶原が決め追加点を上げ、相手の攻撃を許すことなく第4QでもPCで中嶌海斗が落ち着いて決め、勝利を決定づけた。利根商業校のシュートを4Qの僅か1本のみに抑え、3対0でスコア・内容ともに圧勝し5年ぶりの決勝へ駒を進めた。決勝は飯能高(埼玉)と対戦。第1Q序盤で飯能高に山学ゴール付近でシュートを打たれるもGK清水眞啓がセーブし、両校一進一退の攻防が続くと、15分にPCから梶原がシュートを決め均衡を破る。勢いに乗った山学は第2Q、第3Qも攻め続け、第4Qの7分にドリブルで相手ゴール目の前まで持ち込んだ上田悠人が貴重な追加点を決め、更に11分には相手サークル内後方からの梶原のシュートが決まり準決勝に続き3対0で勝利。6年ぶり6度目の優勝を手にした山学は、7月27日から始まるインターハイでも全国上位を目指す。
■6月2日大会準決勝 群馬県代表・利根商業高と対戦
準決勝を戦う利根商業高は群馬県代表として、直近では3年連続でインターハイの出場権を獲得している本大会常連校。昨年の大会では1回戦で山学と対戦し、山学が11対0の大差で勝利しているため、利根商業校にとっては昨年のリベンジとなる。
2024年度第53回関東高等学校ホッケー大会 全国高等学校総合体育大会 関東地区予選会 準決勝 会場:山梨学院ホッケースタジアム |
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○山梨学院高校 3 | 1Q 1-0 2Q 1-0 3Q 0-0 4Q 1-0 |
0 利根商業高校● |
山学得点者: 梶原大嗣2、中嶌海斗 |
試合は序盤から山学が主導権を握る。第1Q(クォーター)の3分に最初のPCを得ると、3度目のPC直後の12分にキャプテン梶原大嗣の左サイドから持ち込んだシュートで先制する。第2Qでも3回目のPCとなる14分に梶原が決め追加点を上げ、第3Qでも相手の攻撃を許すことなく、第4Qでも2回目のPCで中嶌海斗が落ち着いて決め、勝利を決定づけた。利根商業校のシュートを第4Qの僅か1本のみに抑えるワンサイドゲームとなった準決勝は、3対0でスコア・内容ともに圧勝し、5年ぶりの決勝へ駒を進めた。
※PC(ペナルティーコーナー)=ホッケー特有のセットプレー。守備側の選手が自陣サークル内で反則した場合など攻撃側に与えられる。攻撃側は自由に人数を割けるのに対して守備側はGKを含めて5人で守らねばならず、攻撃側にとって大きなチャンスとなるプレー。
■6月2日大会決勝 埼玉県代表・飯能高と優勝決定戦
山学が6年ぶり6度目の優勝を賭けて戦う相手は、準決勝で優勝候補の今市高に2対1の逆転勝利を果たした埼玉代表の飯能高校に決まった。準決勝での逆転勝利に加え、この試合直前に女子決勝で飯能高が優勝を決めたため、山学は高いモチベーション状態の飯能高と優勝を争うことになった。
2024年度第53回関東高等学校ホッケー大会 全国高等学校総合体育大会 関東地区予選会 決勝 会場:山梨学院ホッケースタジアム |
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○山梨学院高校 3 | 1Q 1-0 2Q 0-0 3Q 0-0 4Q 2-0 |
0 飯能高校● |
山学得点者: 梶原大嗣2、上田悠人 |
第1Q開始から、飯能高がスクープ(ロングパス)を多用し山学ゴールへ迫る。2分に飯能高が山学ゴール付近でシュートを打たれるもGK清水眞啓がセーブし、ゴールを割らせない。その後も両校一進一退の攻防が続くと、15分に山学のこの試合最初のPCから梶原がシュートを決め均衡を破る。勢いに乗った山学は第2Q、第3Qも攻め続け、果敢に追加点を狙う。第4Qの7分に、ドリブルで相手ゴール目の前まで持ち込んだ上田悠人が、相手GKとの駆け引きに勝ち貴重な追加点を決める。更に11分には相手サークル内後方からの梶原のシュートが決まり、相手の攻撃を最後まで許さず、準決勝に続き3対0で勝利。6年ぶり6度目の関東高校大会優勝を果たした山学の選手、スタッフらは歓喜に包まれた。
■コーチ、選手コメント
4月よりコーチに就任し、ホッケー部を指導してきた山学大ホッケー部出身・元日本代表選手の高野雄介コーチは「まずは関東1位を目指してきたので、選手達にはおめでとうと言葉をかけ、試合に出られない部員の応援や保護者の支えがあっての優勝であることも選手へ伝えました。準決勝はスコア的にはとても良かったですが、内容としてはもっと点が入るべきでしたし、相手にペースを合わせるクォーターがあった点では課題が残る試合でした。監督からの喝もあり、決勝の試合では相手の対策で準備した戦術が嵌り、内容がスコアにも表れ上出来でした。ただ、今のレベルではインターハイのベスト4以上は狙えないと思うので、更にトレーニングを重ね、全国でも勝てるチーム作りを進めていきたいです」と選手を労うと共にインターハイに向けた更なるチーム強化を誓った。準決勝、決勝で計4ゴールの活躍を見せた梶原大嗣主将は「前日の初戦では自分が点をとれず、今日は自分が点をとってチームを勝たせようと思っていたので、しっかり点を決めることができてとても嬉しかったですし、後ろからチームをコントロールして勝利へ導けたことも良かったと思います。自分が伝えたことをまっすぐに聞いてくれて、試合で結果を残してくれたチームメイトには感謝しかないです」と得点への思い、チームメイトへの思いを語った。決勝戦で優勝を決定づける2得点目を決めた上田悠人選手は「試合を通して決定的なシーンは何度もありましたが決めきれず、追加点が欲しかった場面で、一度ボールをとられましたがもう一度切り返し奪ってしっかりゴールへ流し込めて良かったです。決勝で得点を決める自信はありました」と得点シーンを振り返った。この日一度も山学のゴールを割らせなかったGKの清水眞啓選手は「後ろからチームの皆を支えるコーチングができて良かったです。(前日の)法政二高戦で先制点を許してしまったので、そこでの反省を生かし、決勝戦で相手の決定機を決めさせなかったことに繋がりました」と語った。
関東大会を制した山学高ホッケー部は、7月27日から長崎で始まる令和6年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)へ16大会連続で出場する。約2カ月間の間で、更にチーム力を強化し、全国上位進出を目指す。
文(R.K) カメラ(小池裕太) 2024.6.2