●第43回全日本大学ホッケー王座決定戦閉幕
~女子3位決定戦、天理大に1-0で勝利し死守~
~男女3年ぶりの決勝進出は逃し、男子は2回戦敗退~
6月30日、「第43回全日本大学ホッケー王座決定戦」最終日に男女決勝戦、3位決定戦が岐阜県・川崎重工ホッケースタジアムで行われた。山梨学院大女子は昨日の準決勝で立命館大に敗れ、決勝進出を逃したが3位決定戦で天理大と対戦し1-0で勝利した。昨年は4位に甘んじたが3位を死守した。近年は、上位4チームの力が拮抗しており、昨日の準決勝でも東海学院大と天理大戦は延長のSO戦の末、東海学院が勝利、立命館と山学大の一戦も接戦の末、立命が勝利。紙一重の差で勝敗が分かれた。午前9時半、雨中の中、山学と天理との試合が始まった。中盤、山学の#12今井涼音が右サイドをドリブルで駆け上がり中央へのパスに#15早助咲那が反応。早助はきれいなリバースシュートを決め先制。その後、天理も攻撃の手を強めPCを獲得、山学#16GK河村彩の美技で得点を阻止した。第2Q序盤、山学は#20澤口莉奈、#9松波芽衣、#15早助のコンビネーションプレーで得点にはならずも見せ場を作り、山学がやや優位に前半1-0で終了。第3Q、立ち上がりから天理が攻勢を掛け山学サークルへ迫るがデフェンス陣がかわし失点を防いだ。互いに攻守を変え一進一退が続き、山学が1点を守り迎えた最終第4Q。終盤残り1分、天理の猛攻を凌いで終了と思われた残り10秒、山学が痛恨のPCを与え、天理がゴールに押し込み同点と思われたが審判協議で無効となり辛くも勝利を手にし、3位で大会を終えた。
■山学大女子、3年ぶりの決勝進出に懸けるー
山梨学院大女子は、天理大、立命館大、東海学院大、山梨学院大の実力伯仲の4強の中、2016年に6回目の優勝を果たした以降、2021年に5年ぶり(2020年コロナ禍で中止)に決勝に進んだが準優勝。2022年は3位、2023年は4位と準決勝で敗れ、紙一重の差で決勝進出を逸している。今大会ではまずは決勝進出を目指し大会に臨んだ。
■4強による熾烈な戦いに明暗ー
今年の大会も4強の戦いとなり、昨日行われた準決勝では、第2シード天理大(関西第2代表)と第3シード東海学院大(東海第1代表)との一戦は、2-2の同点から延長SO戦となり6-5の接戦で東海学院が勝利、続く第1シード立命館大(関西第1代表)と第4シード山梨学院大(関東第1代表)との対戦は終始互角の戦いに立命館が1-2で勝利し、熾烈な戦いに決勝進出と3位決定戦との明暗を分けた。
※SO戦=サッカーのPK戦にあたるPS(ペナルティーストローク)戦が行われ、各チーム5人のシューターとGK(ゴールキーパー)の1対1によって争われる。
■女子準決勝 第1シード立命館大戦。互角の戦いにあと一歩勝利に及ばすー
第4シードの山梨学院大女子(関東第1代表)は6月28日大会2日目に福井工業大(北信越代表)と対戦。終始主導権を握り各クオーター(Q)まんべんなく得点し5-0で快勝。大会3日目、鬼門の準決勝で昨年同様に第1シードの立命館大(関西第1代表)と対戦した。第1Q、山学大がやや優位に試合を進めるも、残り30秒に立命がこの試合初のPC(ペナルティコーナー)を決め先制した。第2Q、一進一退で試合は進むが、山学大は突破力のある#20FW澤口莉奈(3年)を軸に何度もサークルに侵入するも、得点には至らず0-1のまま第3Qへ。追いつきたい山学大は序盤のPS(ペナルティストローク)で得点の絶対的好機に#25FB齋藤はなみ(2年)が相手GKの足元に鋭いシュートを放つが好セーブに阻まれ同点機を逸した。続けて今度は、立命がPSを得ると確実に決め0-2と差を広げた。劣勢に立たされた山学大はそれでも終盤、左サイドでパスを受けた#15FW早助咲那(2年)が自らドリブルでサークルに持ち込みシュートを決め1-2と詰め寄った。第4Q、序盤から攻守が拮抗する中、山学大は中盤にPCを獲得。しかし、この好機も得点に至らず、その後の攻撃も立命の堅守に決め手を欠き1点が遠いまま無情のフォーンが鳴り響き、山学は1-2で敗れた。3年連続決勝進出を逃し、最終日の3位決定戦に回った。互角の戦いながら得点好機のPC、PSの決定力の差が勝敗を分けた。
※PC(ペナルティーコーナー)=ホッケー特有のセットプレー。守備側の選手が自陣サークル内で反則した場合など攻撃側に与えられる。攻撃側は自由に人数を割けるのに対して守備側はGKを含めて5人で守らねばならず、攻撃側にとって大きなチャンスとなるプレー。
※PS(ペナルティストローク)=サッカーと同様、GKとシューターが1対1で対峙してゴールを争う。
2024年度 第43回全日本大学ホッケー王座決定戦 女子準決勝戦 《山梨学院大VS立命館大》6/29 岐阜県各務原市・川崎重工ホッケースタジアム |
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● 山梨学院大 1 | 1Q 0-1 2Q 0-0 3Q 1-1 4Q 0-0 |
2 立命館大 ○ |
山梨学院得点=#15FW早助咲那 |
■女子3位決定戦、昨年優勝の天理大と対戦ー
3年連続3位決定戦に回った山学大と天理との一戦は雨の中、午前9時半、試合が始まった。中盤、山学は#12FW今井涼音(3年)が右サイドをドリブルで駆け上がり中央へのパスに#15FW早助咲那(2年)が反応。早助はリバースシュートを決め先制。その後、天理はグリーンカードで1人抜けた山学に対し、攻撃の手を強めPCを獲得するが山学#16GK河村彩(3年)が好セーブを見せ凌いだ。第2Q序盤、山学は#9MF松波芽衣(4年)の単独でのドリブルによるサークル侵入や#20FW澤口莉奈(3年)、#9松波、#15早助のコンビネーションプレーからの#15早助のヒットシュートなど得点にはならなかったものの、優位に展開したが、互いに得点できずに前半を1-0で終了。第3Q、立ち上がりから天理が攻勢を掛けて山学サークルへ迫るがディフェンス陣がかわし失点を防いだ。山学が1点を守り迎えた最終第4Q。序盤からがっちり四つに組んだ激しい攻防が続いた終盤。残り1分を切り、山学陣営での天理の猛攻を凌いで終了と思われた残り10秒、山学が与えたPCを天理がゴールし同点と思われたが、シュートの前にボールが身体に触れたとのファーラル(審判協議)の結果、無効となり辛くも勝利を手にし、3位を確定させた。
女子3位決定戦《山梨学院大VS天理大》 6/30 岐阜県各務原市・川崎重工ホッケースタジアム |
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〇 山梨学院大 1 | 1Q 1-0 2Q 0-0 3Q 0-0 4Q 0-0 |
0 天理大 ● |
山梨学院得点=#15FW早助咲那 |
試合終了後、シアン・ジョン女子監督。3位という結果に「昨年のインカレに続いての3位でちょっと複雑ですけど、昨日はいいゲームをしながら互角な戦いに惜しくも競り負けて、今日は先制してよく相手を零点に抑えて勝ったことに対しては良かったです。自分たちの良いホッケーを見せる場面も多かったですけど、指導者としてはフラストレーションがたまる部分もあり、“まだ発展途上だなあって”。インカレまでまだ伸びしろがあるチームだと思っています」と大会を振り返った。主将の沼田風香選手(4年)は「もっと自分たちでゲームコントロールして速いスピードでゲーム展開をしたかったんですけど、相手のパスホッケーに飲まれてしまった部分があったんですけど、そこで我慢して粘り強くディフェンスができたのが良かった」と振り返った。大会結果に「とりあえず今日勝てたことは、第一に自分たちが日本リーグや国体などの勝利につなげる自信にはなったかなと思うんですけど、自分たちはやっぱりナンバーワンというのを目指していたんですが、これから課題点がたくさん出たので改善していきたい」と反省した。秋のインカレに向けて、「上を目指しているのでオンオフをしっかりして休むところは休んで練習の質をしっかり上げてやっていきます」と前を向いた。
■山学大男子結果ー
山梨学院大男子(関東第2代表)は、6月27日に開幕した初日1回戦を福井工業大(北信越代表)と対戦。昨年の大会では1回戦で敗れ、雪辱を果たすべく試合に臨んだ。試合は前半を3-0で折り返し、第4Qに1点を返されたが3-1で勝利、初戦を突破した。2日目、第3シード3明治大(関東第1位代表)と対戦は、今年の関東リーグ戦決勝で1-2で敗れたライバルとの一戦。この日の岐阜は大雨に見舞われ、2度も試合時間を変更し、予定時間の3時間遅れの午後4時に試合を開始した。関東リーグ同士の意地がぶつかり合う譲れない試合展開に第2Q終盤、明治がPCのこぼれ球を押し込み先制。第3Q終盤に山学大がPCを獲得。これを決め同点に追いついた。第4Q、互いにサークルまで攻め込み一進一退が続くも、得点のないまま1-1で延長SO戦に持ち込まれた。ここでも1巡目は2-2のサドンデスとなり、2巡目に1人目で明治が決着をつけ、山学は2-3で悔しい2回戦敗戦を喫し、3年ぶりの準決勝進出はならなかった。
■大会結果ー
男女とも立命館が優勝を飾った。上位結果は、女子優勝:立命館大、準優勝:東海学院大、3位:山梨学院大、4位:天理大となった。男子は優勝:立命館大、準優勝:天理大、3位明治大、4位:朝日大となった。
文(K.F) カメラ・インタビュー(平川大雪) 2024.6.30