山梨学院広報課

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●全日本学生柔道優勝大会 男子2日目
~試練の2年間から脱却するも3回戦で涙飲む~
~実力は拮抗。ワンチャンスをものにする力を付ける~

6月23日、2024年度「男子73回、女子33回全日本学生柔道優勝大会」2日目が東京・日本武道館で行われた。この日は男子の3回戦から決勝まで33試合の熱い戦いが繰り広げられた。山梨学院男子は1日目の1回戦福岡大に3勝1敗、2回戦龍谷大に4勝0敗と快勝。2年連続1回戦敗退の雪辱を果たし、2日目の3回戦に駒を進め実力校ひしめく東京地区で上位に位置する明治大と対戦。明大は昨年の1回戦で敗れた因縁の相手。ここを撃破すれば4強が見えてくると選手の意気は上がっていた。先鋒には安定した試合運びが期待される武田幹太が起用されたが、相手の攻勢に技ありを奪われ敗退。次鋒の佐野仁哉、続く五将ルター・エンフボルドも技ありで敗れ、中堅の坂口稜は指導3で反則負けを喫し、ここまで4敗。勝利はなくなった。それでも三将の伊津見章は嫌な流れを変えようと果敢に技を仕掛けるも逆襲で技ありを受け敗退。続く副将山田伊織は1、2回戦にキレのいい技で勝利に貢献した調子の良さをこの試合でも発揮、起死回生の逆転で1本勝ち。大将の武平和義も技ありで勝利と思われた矢先、一瞬の隙に足技で不覚の逆転負け。山学は明大に完敗した。この試合を通して明大の勝負に懸ける執念に山学の意気込みも1歩及ばなかった。

男子はこれまで、1日目の女子の試合後に1回戦のみが行われていたが、今年は女子と同時進行で2回戦までを1日目に組まれた。男子は全国9地区から計62校が選抜され日本一を争う。配列は先鋒から大将まで7つの配列で選手の選出は自由と決められている。山梨学院男子はこれまで最高3位を2回、優秀校(ベスト8)に7回選出されているが男女とも一部の上位校を除いて、実力が拮抗しており、山学は一昨年、昨年度と2年連続で屈辱の1回戦敗退。何としても雪辱を果たすべく大会に臨んだ。山梨学院の初戦は、これまで上位入賞はないが16回の優秀校に入り安定した戦いぶりの実力校・福岡大と対戦した。

■大会1日目 男子1回戦 九州の雄・福岡大と力をぶつけ合うー
◆男子1回戦 6/22 山梨学院大VS福岡大 3勝1敗3分

  先鋒 次鋒 五将 中堅 三将 副将 大将
山梨学院大 伊津見章 佐野仁哉 山田伊織 松本 凌 武平和義 ルター 武田幹太
  引き分け 引き分け
技あり

一本負け

一本勝ち

一本勝ち
引き分け

まずは大事な初戦。上位入賞はないものの、優秀校(ベスト8)に16回の実績を残す九州地区1位の福岡大と対戦。山学の先鋒は伊津見章(4年)。積極的に攻撃を見るも決め手なく引き分け、2番手の次鋒・佐野仁哉(4年)も引き分けで続いた。勝負が動いたのは五将・山田伊織(2年)が技ありで山学が先行すると、福岡も続く中堅で松本凌(4年)が指導3の反則負けで振り出しに戻るが、続く三将・主将の武平和義(4年)が中盤、内股をきれいに決めリードした。副将のモンゴル出身のルター・エンフボルド(3年)は2mの長身の長い足を活かした大外刈りで勝利。大将の武田幹太(3年)は引き分け3勝1敗で1回戦を突破した。

■男子2回戦 6/22 山梨学院大VS龍谷大 4勝0敗3分

  先鋒 次鋒 五将 中堅 三将 副将 大将
山梨学院大 伊津見章 松本 凌 北原颯大 山田伊織 武平和義 佐野仁哉 武田幹太
  引き分け
技あり

合せ一本

一本勝ち
引き分け 引き分け
一本勝ち

2回戦は関西地区2位の龍谷大と対戦。先鋒の伊津見は序盤から終始優位を保っていたが相手の粘りに引き分けると、続く次鋒・松本凌(4年)は序盤に内股で技ありを奪うとその後、一回り大きい相手と一進一退のまま逃げ切った。続く五将・北原颯大(3年)は前後半で技ありを奪い、合わせ1本で2勝目。中堅・山田が開始早々に1本勝ちを収め3連勝。続く三将・武平の引き分けで勝負を決めた。最後は大将の120㎏の武田が相手の60㎏の軽量選手に手こずりながらも攻め続け残り1分、足払いが見事に決まり4勝0敗で2回戦を制して2日目へ弾みをつけた。

■1日目の試合終了後にー
試合後、西田秦悟監督は1回戦、2回戦を「相手に初戦で負けているという過去があるので、気が抜けないなという気持ちでとにかく集中することを心掛けていたので選手たちはよくやってくれたと思っています」と安堵の表情。明日の明大戦には、「去年もやられていて勝つために1年間やってきたので、全部出し切るつもりで必ず倒して見せます。4年生のキャプテンの武平がとても調子が良くみんなをまとめてくれているので、4年生中心に頑張ってくれると思っています」と意気込んだ。武平和義主将は「(チームは)本来はベスト8位の力はあるとみんなが理解しているんですけど、でも組み合わせとか、選手の不調などで2年連続1回戦負けを喫してしまったので、そこは何とか変えないといけないという思いだけでやってきました」と2年間の試練は重かった。次の明大戦に向けて、「普通では勝てる相手ではないと思っていますけど、部員みんなが自分のためではなくて、みんなのために協力してやったら、絶対に負けないと思っていますし、今年の山梨学院は外から見ても東京の強豪校と張るぐらいの力を持っているので十分戦えると思っています。目標は明治に勝って、専修に勝ってベスト4以上」と躍進を誓った。

■6/23男子2日目 3回戦から決勝までー
◆3回戦  山梨学院大VS明治大 1勝6敗

  先鋒 次鋒 五将 中堅 三将 副将 大将
山梨学院大 武田幹太 佐野仁哉 ルター 坂口 稜 伊津見章 山田伊織 武平和義
 
技あり

技あり

技あり

一本負け

技あり

一本勝ち

一本負け

3回戦の対戦相手の明治大は、この大会の創設時から3連続優勝を初め、歴代2位の16回の優勝を誇り、現在も東京地区の激戦区で常に上位に君臨する伝統校。山学は2年連続1回戦敗退を喫したが、昨年の1回戦で敗れてから“打倒明治”と目標とする因縁の相手。試合は、会場の日本武道館の大太鼓が鳴り響いた午前9時、3回戦が開始された。明大からの勝利には先制点が欲しい山学は、先鋒に安定した試合運びが期待される武田を起用。やや劣勢で迎えた終盤、技ありを奪われ敗退。次鋒の佐野仁哉(4年)は力と力がぶつかり合う熱戦に善戦するも、最後は技ありで敗れた。続く五将ルター・エンフボルドも対戦相手の身長差30cmの相手の下からの攻撃に戸惑い背負い投げを食らった。中堅の坂口稜(2年)は指導3で反則負けを喫し、ここまで4敗。山学の勝利はなくなった。それでも三将の伊津見は嫌な流れを変えようと果敢に技を仕掛けるも逆襲で技ありを受け敗退。続く副将山田は1、2回戦にキレのいい技で勝利に貢献した調子の良さをこの試合でも発揮、先に相手に技ありを奪われるも、中盤に起死回生の背負い投げ1本で勝ち。キャプテンとしてチームを引っ張ってきた大将の武平和義は、一瞬の隙を見切られ足技で不覚を取り1本負け。山学は明大に完敗した。この試合を通して明大の勝負に懸ける執念に山学の意気込みも1歩及ばなかった。

■明治大を戦い終えてー
西田秦悟監督は会場の外に選手を集めて、「完敗。悔しいけど。こんなにぼこぼこにされたら。でもあれだけ一生懸命やってきて、勝てなかったんだから。ここまでやれたんだから仕方がない」と選手と自分に言い聞かせた。続けて「4年生はチームの引っ張り方から向かって行く姿を見せてくれて、後輩たちに託して頑張ってくれた。4年生はお疲れさん。ありがとう」と4年生を労った。そして後輩たちに向けて、「これからお前たちはこの悔しさを引きずるしかないぞ」と奮起を促した。西田孝宏総監督は「点差は大きく開いてしまったけど、試合内容は遜色ないんだけど、ワンポイントの差で負けている。そのワンチャンスを活かすかどうかその差をどうするか。逆にそれを出来るようにしないと」と課題を挙げた。武平和義主将は「福岡、龍谷に勝って彼らの分まで勝ちたいと思ったけど、同級生含め後輩もめちゃめちゃ頑張ってくれた。今回の負けは数字を見たらぼこぼこかも知れないが、内容から見たら東京の強豪と戦えるチームと思っているし、これを機に来年絶対チャンスがあるから頑張ってほしい」とこの大会での躍進を後輩に託した。

■男子の結果は、優勝の東海大(東京)は女子とW優勝、準優勝:天理大(関西)、3位:中央大(東京)、明治大(東京)、ベスト8の優秀校は國學院大(東京)、早稲田大(東京)、東洋大(東京)、筑波大(関東)が入賞した。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.6.23