●第14回 山梨県ケーキショー2024
~ジュニア最高賞は山学短大服部さん~
~山学短大から計10名が各賞を受賞~
山梨県洋菓子協会が会員の技術向上を目的に2010年から開催しているケーキの祭典、第14回「山梨県ケーキショー2024」が6月22~23日の2日間、ラザウォーク甲斐双葉店で開催された。当日の会場には協会に加盟する県内洋菓子店のパティシエの作品に加え、22歳以下のジュニア部門に山学短大食物栄養科パティシエコース(2年)19名の創作ケーキが出品され、技を競った。2日目の23日には表彰式が行われ、ジュニア部門の最高賞・甲斐市長賞に服部凛さんが輝いた。ジュニア部門2位の山梨県洋菓子協会会長賞には塩島みささん、3位の技術指導員長賞に林琉夏さんと続き、他にジュニア賞やメーカー賞、ラザウォーク賞に7名が受賞し、山学短大から計10名が表彰された。また、一般部門でも山学短大卒業生の小山田美優さん、今村真菜さんがそれぞれ1位の山梨県知事賞、2位の日本洋菓子協会連合会会長賞を受賞した。会場で行われた授賞式では山梨県洋菓子協会の野田清彦会長らから各受賞者一人ひとりに賞状が授与され、受賞者は壇上で笑顔を見せた。会場に並べられた作品は、家族連れなど多くの買い物客の目を楽しませ、ロールケーキ作り体験やパティシエによる飴細工等のデモンストレーションにも多くの一般客が集まり、両日とも盛況のうちに終了した。
洋菓子は時代とともに食するだけではなく見て楽しむ芸術作品として扱われるようになり、デザインや技術の向上は目覚ましいものがある。形や技術を競う洋菓子コンテストとして約40年の伝統を誇る国内最大規模の「ジャパンケーキショー」を基に、山梨県洋菓子協会が会員の技術向上を目的に2010年から「山梨県ケーキショー」をケーキの祭典として山梨独自の作品コンテストを実施。毎年、パティシエや専門学校、山梨学院短大生など山梨県内の洋菓子界を担う人材による力作が出品され、洋菓子業界を牽引してきた。出品部門は3部門。第1部デコレーション、第2部工芸菓子、第3部が22歳以下のジュニア部門に分かれ、ジュニア部門では仕上げをバタークリーム仕上げ、マジパン仕上げ、アメ細工と決められている。「山梨県ケーキショー」は毎年土・日の週末に行われ今年も6月22・23日の2日間、ラザウォーク甲斐双葉店で開催された。山梨学院短大は発足当初から参加し、2019年のコロナ禍による中止を挟んで今回が14年連続となる。今年も山梨学院短大食物栄養科パティシエコース2年生は「製菓基礎実習(1年次)・製菓専門実習」で学んできた技術で、約1ヶ月をかけて製作、マジパン仕上げのケーキ19作品を出品した。※(マジパン=アーモンドと砂糖を練ったものでケーキなどのデコレーションに使われる)。
会場には受賞者以外の作品も展示され、どれもオリジナリティ豊かで可愛らしさが溢れ、多くの買い物客が足を止めて、楽しみながら作品を鑑賞した。
授賞式は、23日午後5時30分より行われ、初めに山梨県洋菓子協会・野田清彦会長が挨拶。「学生の皆さんは、毎年少しずつ進化されていてこちらも期待してワクワクしております。しかしこの進化は、あなたたちの年齢を考えたら、もっともっとステップアップできるのではないかと思います。その方法は、私が思いつくのは世界に通用する人たちと会う等、学校の応援も必要だと思います。社会でも活躍でき、大会でも活躍できる学生さんを育てていきましょう」と述べた。続いて一般部門、ジュニア部門の受賞者に賞状を一人ひとりに授与した。審査結果は、山梨学院短大食物栄養科パティシエコースからは、1位の山梨県洋菓子協会ジュニア部門最高賞の甲斐市長賞に服部凛さん、2位・山梨県洋菓子協会会長賞に塩島みささん、3位・技術指導委員長に林琉夏さんが受賞し、ジュニア部門金賞を漆戸優希さん、銀賞・小沢夏菜さん、銅賞に柿嶌麻祐子さんが受賞した他、メーカー賞には明治賞・深澤杏也采さん、森永乳業賞・後藤美結さん、タカナシ販売賞・里吉杏梨さん、ラザウォーク賞・白倉春菜さんの7名が選ばれ計10名が受賞した。授賞式後は全員で記念写真に納まった。また、一般部門では本学卒業生の小山田美優さん(2022年卒・清月)が1位・山梨県知事賞と2位・日本洋菓子連合会会長賞の今村真菜さん(2021年卒・清月)の2名が受賞。山学短大生の洋菓子技術の高さを証明した。
授賞式後、甲斐市長賞(ジュニア部門第1位)を受賞した服部凛さんは受賞について、「細かいところまで頑張ったので、最高賞に選ばれたのはすごく嬉しいです。(作品については)りんごの木が一番大きくあるのですが、それを作るのがすごく難しく、時間ギリギリまで掛かって大変でした。将来は県内でパティシエになりたいです」と語った。山梨県洋菓子協会会長賞(同2位)を受賞した塩島みささんは「(2位受賞は)驚きましたし嬉しいです。作品には猫が3体いますが、着物のデザインや色味を何回も作り直し、全体的に統一感があるように頑張りました。卒業後は県内のレストランでパティシエもやりたいですし、接客もしてみたいです」と語った。一般部門最高賞の山梨県知事賞を受賞した山学短大出身の小山田美優さんは「(受賞については)仕事で忙しかったのですが、頑張ったので純粋に嬉しいです。学生の時もコンテストに参加していて、その時に指摘された(マジパンの)細かさや色使いに気を付けながら作品を作りました。今後はジャパン(ケーキショー)で入賞できるように、今やっていないことをできるようにしたいです」更なる目標を語った。
(※各作品はアルバムに掲載)
主催者の山梨県洋菓子協会・野田清彦会長に山学短大生の今年度の作品について聞くと、「2年間学んだだけでこのレベルまで作れるというのは、先輩(の作品)を継承していると思います。山学短大に過去の受賞者の作品が飾ってあって、それを見ているから、これ以上やらないと受賞できないというのが刷り込まれていると思います。なので、毎年レベルアップしていると考えます」とレベルの高さに言及した。
2日間開催された「山梨県ケーキショー」の作品展示会場ではコンテスト以外にもさまざまなイベントが用意された。保育・幼稚園児や小学生が描いた“食べてみたい夢のお菓子の絵”の展示や、小学生以下を対象としたロールケーキづくり体験教室に加え、今年度からはパティシエによる飴細工、マジパンのデモンストレーションを新たに行った。体験教室には両日とも多くの参加希望者が集まり、山梨県洋菓子協会スタッフや山学短大パティシエコースの学生が児童たちへケーキ作りの楽しさを教えた。
文(R.K) カメラ(小池裕太) 2024.6.23