●2024年度東日本学生レスリングリーグ戦2日目
~山学 順位決定リーグ2校を撃破、優勝へ近づく~
~最終日、決勝で王者日体大と因縁の三度目の対決~
フリースタイル7階級の大学団体対抗戦「東日本学生レスリングリーグ戦」が6月24日、東京・駒沢屋内球技場で開幕。26日まで3日間の日程で開催され、24日は予選リーグ、2日目25日は順位決定リーグが行われた。順位決定リーグは1部16校が4つのグループに分かれ、そのグループ順位同士が争い順位を決めていく。グループ1位で通過することが優勝を争う必須条件。Bグループの山梨学院は、2年連続惜敗による準優勝で苦杯をなめており、今年こそは6年ぶりの優勝を目指してマットに上った。1日目、予選リーグで青山学院を7-0、育英大に6-1、専修も6-1で下し、3戦全勝で1位~4位を決める順位決定リーグに進んだ。25日は2試合が組まれ、Cグループ1位の中央大、Dグループ1位日大と対戦した。中央大との対戦では、1戦目に86㎏級の増田大将が抜擢されたが、先制を守り切れず敗退。2戦目は主将の74㎏級鈴木大樹が嫌な流れを払拭する動きでTF(テクニカルフォール)勝利。続く50~57㎏級の勝目大翔、65㎏級荻野海志、86~125㎏級のソヴィット・アビレイ、61㎏級小野正之助、70㎏級冨山悠真と勝利を続け、1試合目を突破した。第2試合目のDグループ1位の日大戦は、1戦目、鈴木が切れのある動きで相手を圧倒。先陣を切ると、2戦目、最軽量の勝目は怒涛の速攻でTF勝利。続く70㎏級森田魁人、小野もTF勝利で続き、この時点で山学大の勝利が確定。2試合を勝ち抜いた。26日最終日、無敗のAグループ日体大と3年連続、優勝を懸けた戦いに挑む。
この大会は創設以来、日体大がこれまでに29回(2023年)の優勝を誇り絶対王者として君臨してきた。その中で山梨学院大は、2013年から2018年まで6連覇を含む9度の優勝回数を重ね一時代を築いたが2019年、日体大に王座の座を明け渡してから、2回のコロナによる大会中止を挟み、2022年と2023年の日体大との直接対決で3-4の惜敗を喫し、2年連続で辛酸を味わった。その雪辱を果たすべく2日目の順位決定リーグ2試合に絶対勝利を掴むため選手たちはマットに上った。
■順位決定リーグ第1戦目 中央大と対戦ー
抽選による試合順1番目は86㎏級の最軽量から始まった。山梨学院の先陣を切るのは、増田大将(2年)。増田は先制したものの、その後は相手の速いタックルに苦しみ、2-4で敗退。続く74㎏級主将の鈴木大樹(4年)は、落ち着いてマットの上がった、速いタックルを返され先行を許したが、その後は、鈴木の低いタックルからポイントを重ねTF(テクニカルファール)勝利。すぐさま同点に戻した。3番手50~57㎏級の勝田大翔(2年)は、先に仕掛ける積極的な攻撃で勝利し、続いた。次の荻野海志(3年)は開始早々、力強い技でポイントを奪い主導権を握ると、その後は一進一退を続けたが残り15秒、相手の隙を見逃さず、捉まえるとビッグポイントを加え6-0で勝利。あと1勝で勝利の場面で86~125㎏級ソヴィット・アビレイ(3年)が登場。堂々と期待に応えて勝利し、4勝1敗。勝敗が決定した。続く61㎏級小野正之助(3年)は先の全日本選抜選手権で優勝した貫録を見せ勝利。最後の70㎏級冨山悠真(3年)は苦しみながらも終盤に力を発揮し、6勝1敗で山学大がまずは1勝した。
◆順位決定リーグ1日目《山梨学院大VS中央大 6-1で勝利》
テクニカルフォール1、優勢勝ち5、優勢負け1
86kg | 70kg | 50〜57kg | 65kg | 86〜125kg | 61kg | 70kg | |
山学大 | 増田 | 鈴木 | 勝目 | 荻野 | ソヴィット | 小野 | 冨山 |
● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
中央大 | 浅野 | 林 | 小澤 | 木村 | 浜田 | 大脊戸 | 山路 |
■順位決定リーグ2戦目 日大戦ー
第2試合目のDグループ1位の日大戦は、配列順の1戦目は74㎏級。序盤から鈴木が主導権を握り切れのある動きで相手を11-0TFで圧倒して先陣を切ると、2番手は、50~57㎏級最軽量の勝目が息もつかせぬ怒涛の速攻で僅か開始から50秒でTF勝利。続く70㎏級森田魁人(4年)は前半中盤に相手の足を取りそのまま外に投げ出す大技などで力を見せつけTF勝利。61㎏級小野は相手の動きを瞬時に反応して攻め入る俊敏力で点を重ねた。この時点で山学大は4勝0敗。すべてTFで勝利を確定。続く五十嵐文彌(3年)は明日の重要なポイントゲッターとして大事を取って棄権。続く86~125㎏級の山田康瑛(4年)は今年の世界選手権代表の吉田アラシに善戦するも及ばず敗退。配列順最後の65㎏級内田玲児(1年)は立ち上がりからアグレッシブな動きで相手を翻弄。優位に試合を進めTF勝利。山学大は5勝2敗で日大を下し、1日目の順位決定リーグ2勝。前の試合ですでに2勝した日体大と明日最終日、直接対決で捲土重来を期す。
◆順位決定リーグ1日目2戦目《山梨学院大VS日大 5-2勝利》
テクニカルフォール勝ち5・負け1、不戦負け1
74kg | 50〜57kg | 86kg | 61kg | 86kg | 86〜125kg | 74kg | |
山学大 | 鈴木 | 勝目 | 森田 | 小野 | 五十嵐 | 山田 | 内田 |
○ | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ○ | |
日大 | 新鞍 | 島谷 | 碓井 | 永井 | 今井 | 吉田 | 伊藤 |
■試合後のインタビュー
試合後、小幡邦彦監督は2日間の試合を終えて、「2年続けて日体大に紙一重で負けてしまって、今年は何としても(優勝)取りたいという気持ちが強くて初日、今日といい流れで来ていますけど、日体もうちには絶対に勝つつもりでいるでしょうけど、今日の勢いがあれば明日はやってくれると思うので最後まで気を抜かずに久しぶりの優勝を目指したい」と優勝への並々ならぬ気持ちを語った。鈴木大樹主将は「みんなの協力でいい雰囲気で試合ができています。全員元気がよく、安定して勝てているので明日もこのままやれれば勝てると思いますし、明日が本番だと思うので7対0で圧勝して優勝を決めて監督にも恩返しができたら」と話した。
順位決定1部リーグ1位から4位までのグループ1日目の結果は、山学大、日体大が2勝で並び、中大と日大が2敗の結果となった。山梨学院は明日、日体大と優勝を懸けた直接対決で6連覇を成し遂げた2018年以来、6年ぶりの10度目の優勝を目指し、チーム一丸となり王者奪還に挑む。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.6.25