山梨学院広報課

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●2024年度東日本学生レスリングリーグ戦最終日
~山学6年ぶり10度目の優勝、宿敵日体大を破る~
~全員がMVP。全員で勝ち取った優勝~

6月26日、大学対抗団体戦「東日本学生レスリングリーグ戦」順位決定リーグ最終戦が東京・駒沢屋内球技場で行われ、山梨学院は一昨年、昨年と連続惜敗し涙を飲んだ日体大と3年連続の決勝で激突。全員が気持ちの乗った戦いぶりで5-2の圧勝、矜持を見せた。試合は、配列順で86㎏級五十嵐文彌が会場の母校の応援団の大声援を受けてマットに上がった。前半、互いに牽制し合い五十嵐が1-0で折り返すと、後半、五十嵐が徐々にプレスを掛け、相手を追い詰めた中盤に得点を奪い4-0で幸先の良いスタートで先陣を切った。2番手57㎏級勝目大翔は序盤から全日本選手権覇者を相手に小気味の良い動きでリードを奪うと、後半激しい攻防の中、得点の奪い合いに勝目が上回り2勝目を挙げた。3番手の74㎏級鈴木大樹は全日本選抜選手権優勝者に敗れるも、4番手、70㎏級森田魁人が試合終盤、一気にビッグポイントを奪い3勝目を挙げ、優勝を引き寄せた。続く、65㎏級荻野海志は昨年の全日本選手権王者と互角の戦いを演じ2-1の僅差で勝利。この時点で山学大が4勝1敗となり、6年ぶりの優勝を決めた。その後は125㎏級ソヴィット・アビレイが順当勝ち。配列最終者の61㎏級小野正之助は棄権を申告し不戦負けになったが山学大は実力者揃いの日体大相手に最高のパフォーマンスを見せて完勝。日体大の3連覇を阻み、10度目の優勝を飾った。試合後、選手は応援団とともに喜びを分かち合った。

山梨学院大は6連覇を達成した2018年を最後に2019年は、日体大、拓殖大、山学大の三つ巴の戦いに敗れて3位(日体大が優勝)、2020年、2021年のコロナ禍による中止を挟み、2022年、2023年を2年連続日体大に3-4の僅差で敗れ準優勝となり5年間、優勝から遠ざかった。そして迎えた今大会にBグループの山学大は1日目の予選リーグで青山学院大、育英大、専修大を撃破しBグループ1位で2日目の順位決定リーグ1位から4位に臨んだ。ここでもCグループ1位中央大に6勝1敗、Dグループ1位の日大には5勝2敗で完勝。3日目最終日に2勝を挙げAグループ1位、3連覇30回目を狙う絶対王者日体大と優勝を懸けて激突した。

■絶対王者日体大にから王者の奪還に挑むー
試合は、抽選で配列された1番目の階級、86㎏級五十嵐文彌(3年)が優勝への流れを背負って登場した試合は、配列順で86㎏級五十嵐文彌が会場の母校の応援団の大声援を受けてマットに上がった。前半、互いに牽制し合い五十嵐がアクティビティで1-0で折り返すと、後半、五十嵐が徐々にプレスを掛け、相手に入る隙を与えず中盤に得点を奪い4-0で勝利。五十嵐は応援席に向かって雄叫びを上げ、後続に力を与えた。2番手57㎏級勝目大翔(2年)は立ち上がりから果敢に全日本選手権覇者を相手に飛び込み小気味の良い動きでリードを奪うと、後半も得点を重ねリード。終盤には格上の相手との激しい攻防の混戦の中、勝目が上回り7-3と2勝目を挙げた。試合後、高橋侑希コーチが「勝目が勝った時点でうちが勝つ」と勝目がキーマンだったと話した。3番手の74㎏級鈴木大樹(4年)は善戦も及ばず全日本選抜選手権優勝者に敗れるも、4番手、70㎏級森田魁人(4年)がアクティビティで1-0で前半を折り返すと、後半に相手が1-1に追い付いた試合終盤、相手が来ると踏んだ森田が、相手の動きを見切り一気にビッグポイントを奪い3勝目を挙げ、優勝まであと1勝に引き寄せた。続く、65㎏級荻野海志(3年)は今大会を完璧ではない状態で臨んだが、昨年の全日本選手権王者と互角の戦いを演じ、最後は追い詰められるも、何とか2-1の僅差を守り切り勝利。山学大が4勝を挙げ、6年ぶりの優勝を決めた。続いた125㎏級ソヴィット・アビレイ(3年)は主導権を握るも相手選手の粘りをあり前半は2-1。後半はソヴィットの力の入った力技を見せつけると相手の必死の対応もそこまで。残り時間わずか、相手の上半身を抱え込み後ろに投げ倒し5点のビッグポイントを加え、11-2で圧勝した。配列最終者には先に開催された全日本選抜選手権に61㎏級に優勝して世界選手権代表の座を勝ち取った小野正之助(2年)が登録されたが負傷棄権で不戦負けになった。山学大は実力者揃いの日体大相手に五分と予想したスコアを5勝2敗と上回り、選手たちが最高のパフォーマンスを見せて完勝した。山学大は2年連続の辛酸から日体大の3連覇を阻み10度目の優勝を勝ち取った。選手は応援団とともに喜びを分かち合った。

◆順位決定リーグ最終戦《山梨学院大VS日本体育大 5勝2敗で勝利》
優勢勝ち5・テクニカルフォール負け1、不戦負け1

  86㎏ 57㎏ 74㎏ 70㎏ 65㎏ 125㎏ 61㎏
日体大 小柴 弓矢 高橋 細川 田南部 甫木 西内 
  ●棄権
山学大 五十嵐 勝目 鈴木 森田 荻野 ソヴィット 小野

■6年ぶりに山学大に優勝旗ー
全試合終了後、閉会式が行われ表彰式では山学大に優勝旗、表彰状、ブロンズ像が授与され、個人では鈴木大樹主将が最優秀選手賞、小幡邦彦監督が最優秀監督賞を獲得した。また、1部優勝校に贈られる東京都知事杯が表彰状と優勝カップが贈られた。閉会式後には2階指定応援席で大声援を送り続けてきた部員もコートに降り、全員で記念写真に納まった。試合後小幡邦彦監督が選手たちの手で宙を舞った。

■試合後インタビュー
小幡邦彦監督は「コロナ明けから2年間、あと一本というところで負けて、その悔しい思いをした選手たちも残っている今回の結果なので、日体よりうちの方が気持ちの部分で勝ったと思います。スコアは5-2でしたがどう転んでもおかしくない内容で全階級気の抜けない状況でした。本当に出てくれた選手が強かったです」と選手を称え、「選手たちは苦しみながらも頑張る姿を見てきたので、全員にMVPを上げたいくらいです」と最後は声を詰まらせた。国内外大会で活躍、3年前にコーチに就任した高橋侑希さんは優勝について「選手の時もうれしかったんですけど、指導者になって、どうやったら選手たちのパフォーマンスを引き出せるかやっているんですけど、それが結果として現れないとこちらも不安ですし、でもあのように頑張ってくれたおかげで僕たち指導者のモチベーションも上がりますし、強い日体に圧勝できたのは、チーム力もありますけど、会場からの選手たちへの応援もパワーになって試合に表れたので選手たちはもちろんサポートしてくれた学生にも感謝の気持ちがいっぱいです」と興奮気味に話した。1番手として大事な初戦に勝利した五十嵐文彌選手は「めっちゃくちゃうれしい最高です」と開口一番。先頭でマットに上がった気持ちを「やばかったです。緊張すごくて負けそうだったですけど、今までやってきた練習を思い出して“大丈夫”と自分に言い聞かせながら頑張りました」とその重圧は図り切れなかった。今回のチームの状態は「すごく良かったです。監督やキャプテンが引っ張ってくれて、自分は3年生ですが練習にも気合が入っていましたが4年生全員が引っ張ってくれていい雰囲気でした。これからもチームに貢献できれば」と話した。チームをまとめてきた鈴木大樹主将は惜敗してきた日体大戦に雪辱を果たしたことに、「優勝を目指していたのですごくうれしいです。本番に出た選手だけでなく、応援してくれた選手たちとチーム一丸となって協力した結果です」。続けて「自分はラストの年なので絶対に優勝するぞとの気持ちで、最後に優勝した時には自分はいなかったので、このチームで勝てるかは正直分からなかったですけど、今まで以上に盛り上がっていいチームでした。(この試合)自分は負けてしまったですけど、後輩や同期に優勝させてもらいました」と目を潤ませた。副主将としてチームを盛り上げ、勝利を呼び込んだ森田魁人選手は「昨年、幹部交代して鈴木キャプテン主体のチームになった時に絶対今年のリーグ戦を取りたいと思っていたことが実現できたことは“うれしい”の言葉しか出てきません。4年生でこのリーグ戦は最後なのでこの大事な一戦に勝てたということは自分のこれからの成長にもつながったと思う」とさらに飛躍を誓った。61㎏級から70㎏級に上げたことに「今まではレスリング主体の練習だったんですが9㎏も体重を上げているので自分の練習を見直して、この試合に勝つということが目標だったので心が折れるほどのウエートトレーニングにも、この日に向けてやってきたことが力になりました」と話した。試合終盤でビッグポイントを決めたことに「後半1-1に追いついた時に、相手が攻めてくるのが分かっていたので、狙っていました」と思い通りの試合運びに笑顔を見せた。続いて試合を決定する勝利を挙げた65㎏級荻野海志選手は「今はほっとしています。明治杯(全日本選抜)の前は自信があったですけど、それに負けて自信を無くして自分を見失ってしまい悩んでいたところを、高田先生に指導を受けながら階段を上るような感じで調子を取り戻すことができ勝つことができました。本当にほっとしています」と苦しんで掴んだ勝利に涙した。試合後、悲願の優勝を成し遂げた監督、選手が思いを語った。

■順位決定リーグ結果
1位~4位順位決定リーグ戦は、1位・山梨学院大3勝(勝ち点56)、日本体育大2勝1敗(勝ち点54)、2位・山梨学院大2勝1敗(勝ち点54)、3位・中央大1勝2敗(勝ち点31)、4位・日本大3敗(勝ち点31)となった。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.6.26