●パリ五輪 パブリックビューイング(競泳女子100m平泳ぎ)
~山学大出身の鈴木聡美選手を現役部員らが応援~
~好タイムで予選突破も、決勝進出は叶わず~
パリ五輪の競泳女子100mの予選が7月28日の18時(日本時間)に行われ、山梨学院大卒業生の鈴木聡美選手を応援するパブリックビューイングが山梨学院大キャンパスセンターSeedsシアターで開催された。五輪競技のパブリックビューイング開催は、2016年のリオ五輪以来8年ぶりとなり、山学大の水泳部員やコーチ、その他学生や教職員など約50名が会場に集まった。予選4組目で競技場に入場する鈴木選手の姿に早くも会場から歓声が上がり、レースが始まると会場一体となり鈴木選手へエールを送った。レース前半を3位で折り返し、終盤で1人を抜きレースを2位で終えると、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。予選全体4位で準決勝への進出が決まり、翌29日朝4時10分(日本時間)開始の準決勝のパブリックビューイングにも予選同様に約50名が集まり、山梨から鈴木選手を後押しした。準決勝は予選の1分6秒04から1秒近くタイムを落とし、1分6秒90の全体12位で決勝進出とはならなかったが、会場では拍手で鈴木選手の健闘を称えた。
鈴木聡美選手は2013年に山梨学院大経営情報学部を卒業。山学大在学中の2012年にロンドンオリンピックへ出場し、競泳女子100m平泳ぎと100mメドレーリレーで銅メダル、200m平泳ぎで銀メダルと1大会で3つのメダルを獲得する快挙を達成した。その後、2016年のリオ五輪にも出場するもメダルは獲得できず、2021年の東京五輪は出場できず、苦しい日々が続いたが、挑戦を続けた。2023年7月の世界水泳では100m平泳ぎでは自己ベストを更新し、今年3月の代表選考会でも更に記録更新し、100m、200m平泳ぎで、2度目の五輪代表入りを果たした。
7月28日に行われた競泳女子100m平泳ぎの予選では、4組目のレースに鈴木選手が登場。レースがはじまると、前半からハイテンポで泳ぎ、トップに食らいついた。3位で50mを折り返すと、後半も粘り強さを発揮し最終盤で1人抜き、2位でフィニッシュした。結果は自己ベストに近い1分6秒04で全体4位となり、準決勝進出を決めた。準決勝は翌日29日の日本時間早朝に行われ、鈴木選手は1組目のレースに参加。レース前半を4位で折り返すと、隣のレーンを泳いでいたトップ選手を追いかけるも差が縮まらず、フィニッシュ直前に1人に抜かれ、5位でレースを終えた。タイムは1分6秒90と、予選から1秒近くの差が出てしまい、準決勝の順位は全体12位。決勝進出は叶わなかった。
会場には予選、準決勝とも山学大の水泳部員やコーチ、その他学生や教職員など約50名が会場に集まり、パリで戦う鈴木選手を後押しした。準決勝の全レース終了後、大学水泳部女子主将の伊東亜依海さんは「残念な結果に終わってしまったが、まだ200m平泳ぎもあるので、そちらでも頑張ってほしいです。やってくれると信じています」と鈴木選手へ更なるエールをおくった。競泳史上最年長にして2度目の五輪を戦う鈴木選手の挑戦は、まだ終わらない。
文(R.K)カメラ(平川大雪)2024.07.29