●第100回関東大学バスケ男子1部リーグ開幕 山学2連敗
~山学2連敗スタート。躍進を続けるチームに気の緩みか~
~古田監督、上級生に厳しく奮起を促す~
記念すべき「第100回関東大学バスケットボール男子1部リーグ戦」が8月24日開幕。昨年1部昇格し、14チーム中9位と健闘を見せ1部残留。今年5月に行われた関東大学トーナメントでも強豪校相手に4位と存在感を見せた山梨学院大バスケットボール部男子が1部2年目を迎えた。大会1日目に先の春の関東大学トーナメントで勝利した東海大と対戦したが大差で初戦を落とし25日大会2日目、栃木県小山市・白鷗大大行寺キャンパスで拓殖大と対戦した。2戦目、昨年の1部リーグ戦に2勝している拓大戦で巻き返しを図ろうと臨んだ一戦。前半開始早々、拓大のスピードある動きに圧倒された。主軸のセンターが欠ける中、山梨学院はリバウンドの獲得率、強化したディフェンスの甘さから相手に3P(ポイントシュート)、インサイドへのドライブシュートを簡単に許すなど山梨学院らしからぬプレーが重なり13-48と前半に大きく失点。攻撃でも相手のディフェンスに阻まれ司令塔#90PG・野溝利一(4年)の得意の3Pが鳴りを潜めるなどチーム全体でシュートの精度が著しく悪く、得点が開く展開となった。後半第3Q、スターティングメンバーを外し1、2年生を積極的に投入。苦しんだリバウンドからの攻撃も機能し始めると、#7PG・渡邉直洋(2年)、#18PG・児玉雅空(1年)、#31SF・佐々木健登(1年)が相手インサイドに果敢なドライブシュートを決め、攻撃にリズムを作るとディフェンスも良くなりチームが活気づいた。互いに激しい攻防を繰り広げる中、山梨学院は得点を重ね第3Qは13-11、第4Qは14-11と接戦ながらも優位に立ったが、前半の得点差が響き40-70と2戦続けて大敗を喫した。古田悟監督は前半戦を見て、「自分たちが(トーナメント)ベスト4になって予想はしていたんですが勘違いしてファイトしなくなり、そこで奮起してくれる4年生が居ないことが残念」と4年生の自覚を促した。
■弱小チームから一気に躍進 山梨学院大バスケットボール部男子、ー
山梨学院大バスケットボール部男子は1978年に創部。2014年に強化育成グラブに指定されてから本格的に活動を始動した。そして2019年、古田悟監督を招聘してから2022年、ついに強豪ひしめく関東大学リーグ1部に昇格を果たし、2023年度シーズンに1部のコートに立った。そして、その年に1部リーグ残留を果たし、初のインカレにも出場ベスト8と存在感を示した。さらに2024年春、強豪ひしめく関東学生トーナメントで堂々のベスト4の快挙を果たした。
■全国強豪校が居並ぶ関東大学男子バスケットボールリーグ戦1部ー
男子は1部から5部で編成され、今季1部は12チームで2回戦総当たりのリーグ戦を行い、試合は合計22試合で争われる。大会は1巡目を8月24日~9月29日まで。2巡目は10月5日から11月3日までの日程で行われる。山梨学院(前回9位/14チーム中)は大会1日目を東海大(前回5位)と対決。東海には今年5月の関東トーナメント(山学4位)で勝利しているがリーグ戦初戦敗退。25日第2節2日目を白鷗大大行寺キャンパスで拓殖大(前回12位)と対戦した。
■《関東大学バスケットボールリーグ戦1部リーグ》 山梨学院大結果
◆男子1部リーグ開幕2戦目《山梨学院大学VS拓殖大学》8/25 11:00~ 栃木県小山市・白鷗大大行寺キャンパス体育館 |
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● 山梨学院大 40 | 1Q 10-29 2Q 3ー19 3Q 13-11 4Q 14-11 |
70 拓殖大 〇 |
■山梨学院大《スターティング5(ファイブ)》#5PG・中村千楓②、#9PF・齋藤晴②、#62PF・茂木健太朗③、#70C・カマレムレマ・フランシス③、◎#90PG・野溝利一④の5人。 ◎印/主将、〇学年
《交代》=#0PG・藤崎郁海③、#3SG・馬場輝②、#7PG・渡邉直洋②、#13C浅水鳳眞④、#18PG・児玉雅空①、#28PF・佐竹莞多④、#31SF・佐々木健登①、#53PG・森崎晃心③、#60PF・佐竹和希④、#92PF・末永渚冴①が途中、随時交代した。
2連敗を喫した古田悟監督は試合終了後、「(前半)うちがやらなきゃならないディフェンスの強度を拓大がやってうちがやらなかった。リバウンドを含めてボールに対する執着心も全くないのでここまでの2試合。今日後半は、僕があえて仕向けたところがあって、それは今より未来を見据えた戦い方に変えただけです。今いるメンバーは、ここでできないならシーズンは長いので、だったら入替戦、将来的にインカレも含めて考えると、ここで解体するしかないのでする予定です。それは自分たちがベスト4(トーナメント)になって、予想はしていたんですが勘違いしてファイトしなくなり、そこで奮起してくれる4年生が居ないことが残念ですし、4年生が引っ張っていくチームだったのでそれがないのであれば今より未来を、将来的なことを重視しなければ」と静かな語り口の中に、不甲斐ない試合への怒りを込めて4年生への自覚を厳しく促した。
チームをまとめる野溝利一主将は試合後のミーティングでの古田監督の厳しい言葉に、「自分を含めて、チームとしてのアイデンティティだったりカルチャーの部分がなくなってしまったことが一番の問題だと思うので、そこはキャプテンの自分が率先して体現しなければいけないし、自分を含めた上級生の責任だと思います」と監督の言葉を重く受け止めた。2試合連敗については、「チームスタイルとしても向こうのバスケットに合わせて自分たちのテンポも上げなくてはならない部分もありますし、それも含めて自分たちらしいバスケットができなかった」と振り返った。これからどのように立て直していくのか。「この2試合で自分たちの現時点での立ち位置が分かったですし、それをやらなければ勝てない事だったり、次もゲームがあるのでそこを修正していかなければ」と気を引き締めた。
短い期間で順調に駆け上がったチームだっただけに、大差での2連敗はチームにとって大きなショックになっただろう。これを契機に試練を乗り越えてきた頃に立ち返り、さらに上を目指すチャンスと捉えたい。“目が覚めたか山梨学院。本当の底力に期待する”次戦は8月28日(水)、同会場で実力校日本大と対戦する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.8.25