山梨学院広報課

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●インカレ全日本学生レスリング最終日 フリーの山学躍進 
~優勝4、準優勝3、3位4人、11人が表彰台に~
~若い選手が台頭、次のロス五輪向けてさらに強化~

明日のレスリング界を背負う若い力が全国から結集、大学レスリングで各階級の頂点を目指す2024年度「全日本学生レスリング選手権大会」(インカレ)が8月23日、東京都・駒沢オリンピック公園屋内球技場で開幕。26日に最終日を迎えた男子フリースタイルの2日目が行われた。その結果、山梨学院から57㎏級勝目大翔(2年)、61㎏級須田 宝(2年)、70㎏級森田魁人(4年)は同門の冨山悠真(3年)を破り、86㎏級五十嵐文彌(3年)の4人が初優勝を飾った。準優勝には終了間際に得点を奪われ惜敗した65㎏級荻野海志(3年)、70㎏級冨山悠真、125㎏級山田康瑛(4年)はグレコに続き2種目の準優勝を果たした。3位には65㎏級内田怜児(1年)、74㎏級鈴木大樹(4年)、86㎏級増田大将(2年)、125㎏級ソヴィット・アビレイ(3年)の4人が入った。他に65㎏級平井友真(2年)、74㎏級安藤慎悟(1年)が5位に入賞。31人(1人棄権)がエントリーした中で、5位入賞までに13人が名を揃えた。昨年同様にベスト4に11人が残り、その内、優勝者4人(前回2人)、準優勝者3人(前回2人)と決勝進出者が上回り、年ごとにレベルアップしている大学レスリング界においてさらに“フリースタイルの山梨学院”の名を強固なものとした大会が終了した。

8月25日大会後半3日目、男子フリースタイルが行われ、出場選手が多い一部階級が2回戦、3回戦まで、残りの階級はベスト8までが実施された。26日大会4日目最終日、会場の駒沢公園屋内球技場には関わらず一般客のほか保護者が多く来場、選手に大きな声援を送った。山梨学院は10階級中9階級に計31人(1人は棄権)がエントリーした。

57㎏級・勝目大翔選手ー
57㎏級最軽量の勝目大翔(2年)は前回大会1年時で3位と健闘。先の東日本でも優勝に貢献し勢いに乗る。フリースタイル1日目の2回戦、3回戦と危なげなく2戦ともテクニカルスペオリティ(旧テクニカルフォール)で初日を通過すると2日目、決勝戦まで勝ち上がった。決勝では宿敵日体大選手と対戦。勝目は前半開始早々、素早い動きで6P(ポイント)を奪うと、1分を切ったところで巧みな動きで相手を翻弄、4Pを加え10―0で初勝利を飾った。試合後、勝目大翔選手は優勝について「大学に入って初めてなので素直にうれしい」と笑顔を見せた。大会を振り返って「今日の1試合目はアップ不足で動きは悪かったですけど準決、決勝は動きも良くなりあのパフォーマンスができました」と胸を張った。

61㎏級・須田 宝選手ー
この階級の優勝候補で前回大会優勝者の山梨学院小野正之助(3年)が棄権の不在の中、伏兵須田 宝(2年)が躍動した。2、3、4回戦と無失点で準々決勝に進んだ須田の準々決勝は、前半を同点で折り返すと、互いにスピードある動きの攻防の中、終盤に須田が2Pを加え逃げ切った。準決勝は後半、須田が大技を見せるなど相手を寄せ付けずに10-0で勝利。
決勝に進出。決勝でも持ち前のスピードを活かした攻撃で相手を圧倒。ここも13-2とテクニカルスペオリティで快勝。この階級の牙城を守った。初優勝の須田 宝選手は「先輩の小野選手が棄権したので絶対優勝しないといけないと自分の中でしっかり目標を決めたので優勝できたことは本当にうれしい」。これまでの試合を「課題も少しあったですけど、自分のスピードを活かした得意なスタイルでできたので良かった」と評価した。

70㎏級・森田魁人選手ー
前回大会65㎏級で3位となった森田魁人(4年)は最上級生になり副主将を任されチームを主将の鈴木大樹(4年)とともにまとめてきた。70㎏級に階級を上げて筋力をつける練習に取り組み試合に臨んだ。フリー2日目の3戦目、今年の全日本選抜選手権2位の小川統己(東洋大)と対戦。実力者同士の緊迫した戦いは前半、森田がアクティビティ(消極的指導)で1Pを奪われ、後半に相手のアクティビティで1-1の同点。残り僅かな時間に互いに勝利を目指す攻防が繰り広げられたが森田がラストポイントを守り抜き辛勝した。森田は準決勝でもリードしていた後半残り1分を切ったところで同点に追いつかれたものの、残り15秒で点を加え勝利。決勝では昨年3位の同門の冨山悠真(3年)と対戦。前半0-1でリードされるも、後半に逆転。先輩の意地を見せ初優勝を飾った。森田魁人選手は「東日本リーグ戦が終わって、そこで力不足を感じたので、より一層ウエイトトレーニングに励んで、それが実ったということがうれしい気持ちです」。拮抗した試合が多かったが。「結構ディフェンスには自信があるので落ち着いて戦うことを意識して、それが思い通りにできたので良かった」と歴戦の後が残る顔で笑顔を見せた。

86㎏級・五十嵐文彌選手ー
前回大会、格上の選手に敗退し、2位に甘んじた雪辱を力に変えた。2回戦から出場した五十嵐は準決勝まで圧倒的な強さで決勝に進んだ。迎えた決勝戦でもその強さは抜きん出ていた。開始1分、反り投げで4Pを奪うと次々に得点を重ね前半に11-0で勝負を付けた。五十嵐はこの大会4試合を戦い、すべてテクニカルスペオリティでの勝利で1Pも与えず完全試合で優勝。強さが際立った。五十嵐文彌選手は「優勝を目的にしてきました。年下の選手が実力を付けてきているので怖かったですが自分が年上の方ですので優勝は素直にうれしいです」と淡々と話した。試合を振り返って、「自分は技がないのでがむしゃらにプレッシャーを掛けて体力勝負で勝とうと思っていました。この大会では持ち味が出せたと思います」と優勝にも謙虚な態度で答えた。

■山梨学院の選手層の厚さを見せつけた選手たちー
65㎏級の荻野海志(3年)は準々決勝まで1Pも落とさず、準決勝に進んだ。準決勝では同門の内田怜児(1年)と対戦。前半、内田がリードして迎えた後半、荻野が試合巧者ぶりを見せ7-4で逆転勝利。内田は準決勝敗退で3位となった。決勝戦では試合終了間際まで拮抗した見応えある展開に会場も大いに沸いたが5-6で敗れ荻野は準優勝となった。他にこの階級で平井友真(2年)が5位に入賞した。125㎏級の準決勝ではグレコローマンで決勝を戦った山田康瑛(4年)とソヴィット・アビレイ(3年)が再び対戦し山田が雪辱を果たし決勝に進んだ。敗れたアビレイは3位となった。山田は決勝戦で優勝候補の育英大留学生に敗れたが、グレコとフリーで準優勝とインカレ最後の年で好成績を残した。また、74㎏級の優勝候補の一角と見られていた鈴木大樹は(4年)は準決勝を2-3で惜敗、3位と涙を飲んだ。同級の安藤慎悟(1年)は準々決勝で鈴木に勝利した選手に敗れて5位となった。86㎏級増田大将(2年)は準決勝で逆転を許し2-3で敗退3位となった。以上、31人中(1人棄権)13人が入賞を果たした。

■小幡監督 男子フリースタイルを総括ー
パリ五輪にコーチとして帯同した小幡邦彦監督は、男子フリースタイルから合流した。「最低4階級、最高6階級を取りたいと思っていたのですが、4階級は取れたので全体の底上げも含めて底力は見せてくれたかなと思います。出た選手も今回の優勝に満足するのではなく、4年生以下はまた連覇が懸かってきますし、1年生、2年生の若い選手が伸びてきたというのが今回の手応えで、みんな十分伸びしろがありますし、次のロス五輪に絡めるように強化していきたい」と次を見据えた。また、「4年生は森田が優勝してくれて、階級を上げて、組み合わせが悪い中でも接戦で全部倒して上がってくれチャンピオンになってくれたので本当に価値ある優勝ですし、副主将としてみんなを引っ張ってくれたのでそういう選手が勝ってくれたのは正直うれしいです」と称えた。

山梨学院次の目標は、秋に開催される個人の成績ポイントによる大学対抗戦「内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会」に照準を合わせる。6月の東日本学生リーグ戦に日体大から6年ぶりの王者奪還を果たし、今回のインカレの個人成績の勢いをかって5連覇中の日体大に挑む。前回大会僅か2点差で敗れた雪辱を今年こそ果たす。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.8.26