●関東大学女子バスケット1・2部入替戦で山学が1部昇格
~山学女子“常勝常笑”軍団 立教に後半圧倒勝利~
~インサイドの強さと藤澤の3P中心にチーム一丸~
2024年「第74回関東大学女子バスケットボール1・2部入替戦」が11月2日、日本女子体育大学体育館で行われた。山梨学院大は前回大会で8位と4年間維持した1部を入替戦で2部Aの立教大に敗れ2部Aに降格となった。今回2部Aリーグ戦を戦い全勝で優勝し、1部返り咲きを目指して再び1部12位の立教と相交えることになった。試合は、山学がセンター#14留学生アデバンジョ・ブレッシングが先制するとゲームが動いた。その後も#14ブレッシングにボールを集め得点。立教も#1が八面六臂の活躍で対抗。両者一歩も譲らず拮抗した展開で22-22の同点で第2Qに入った。ここでも立教#1の巧みなカットインシュートや3本の3P(シュート)が小気味よく決まり、39-48で前半を終了。ハーフタイム後の第3Q、立ち上がりに#55日野華希、#5藤澤夢叶の連続3Pで差を縮めると、その後も山学は攻守にリズムが良くなったチームの中で#5藤澤のレイアップシュートや3本の3Pが光り、さらに#14ブレッシングのインサイドプレーで加点。69-61と逆転した。第4Q、ここでも体を張ったパスワークで#14ブレッシングのポストプレーを演出。連続13得点を挙げ一気に突き放した。それでも立教も果敢な攻撃を仕掛け、山学ディフェンスの乱れを見逃さず5本の3Pなどで追撃するも、第3Qからの山学大の流れを崩せずに96-84で山学大勝利。立教に昨年のリベンジを果たし、1年で1部に返り咲いた。
山梨学院大バスケットボール部女子“常勝常笑”軍団は2019年、1部リーグ5度目の挑戦で創部12年目にして悲願の1部昇格を果たした。2022年、昇格3年目に4位と躍進、リーグ戦では下位に低迷。入替戦で本日対戦した立教大敗れ4年間維持してきた1部から2部Aブロックへ降格した。そして迎えた関東リーグ戦。初戦を共栄大に快勝すると、その後は快進撃を続け14勝0敗。文句なしの優勝で1部・2部入替権を獲得。1年での返り咲きに選手は闘志を燃やした。
■ “常勝常笑”軍団、昨年の悔しさをバネに1年での返り咲きを目指した―
試合は第1Q、山学がセンター#14留学生アデバンジョ・ブレッシング(1年)が先制するとゲームが動いた。#14ブレッシングと#4藤澤夢叶(3年)が得点を構成すると、立教のゲームメーカーの#1が鋭いドライブシュート3本で立教の得点を一人で上げ対抗した。その後も山学は#14ブレッシングにボールをインサイドプレーのポストプレーで得点を重ねた。立教も速い動きと強い当たりで一進一退で進み22-22の同点で第1Qを終了。
第2Qに入った。立教は立ち上がり#6のレーアップ、#3がジャンプシュートでリードすると山学もすかさず、#14ブレッシングのポストプレー、#15久井咲良(1年)のジャンプシュートで追いつく。その後、立教の#1の躍動に#3が加わり、徐々に得点を重ね、終了間際に立教#1がこのセット3本の3Pを決めると、山学主将の#55日野華希(4年)も負けじと3Pをねじ込んだが39-48で差を広げられ前半を終了した。
■後半、山学が主導権を握り、怒涛の攻撃で立教を粉砕したー
ハーフタイム後の第3Q、立ち上がりに#55日野華希、#5藤澤夢叶の連続3Pで差を縮めると、その後、山学は攻守にリズムが良くなったチームの中で#5藤澤のレイアップシュートや3本の3Pが光り、さらに#14ブレッシングのスティール(相手のールカット)やリバウンドからのプレーで味方の攻撃にリズムを作り、さらに#5藤澤のレイアップシュートや遠目からの正確な3Pが決まり同点。さらに#14ブレッシングのポストプレー、#5藤澤の2連続3Pで69-61と逆転した。第4Q、流れに乗る山学は、攻守のバランスが俄然良くなり、立教を追い詰める。ここでも体を張ったパスワークで#14ブレッシング留学生#22アチャラ・オゲチクランシー(3年)と同じセンター同士の連係プレーの見せ場も作り、連続13得点を奪い、食らいつく立教に引導を渡すかのように一気に突き放した。それでも立教も粘り強く果敢な攻撃を仕掛け、中盤、山学ディフェンスの乱れを見逃さず3本の3Pを放ち追撃、さらに終盤に2本の2Pを奪い、1部リーグの勝負を諦めない矜持を見せたが、第3Qからの山学大の流れを止められず96-84で山学大勝利。昨年の入替戦で立教に敗れたリベンジを果たし、1年で1部に返り咲いた。試合後、選手たちは感極まり応援した控え選手や共に戦ったチームメイトと涙を流しながら勝利を喜びあった。
■山梨学院のスターティング5(ファイブ)は、#5G・藤澤夢叶③、#13G・樋渡梨桜①、#14C・アデバンジョ・ブレッシング①、#15F・久井咲良④、#55F・日野華希主将④の5人。
その他、#17北条瑚奈①、#22C・アチャラ・オゲチクランシー③、#70F・皆川もえ③らが途中交代出場した。
◆1・2部入替戦《山梨学院大学VS立教大学》11/2 15:00~ 東京都・日本女子体育大学体育館 |
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〇 山梨学院大学 96 | 1Q 22-22 2Q 17-26 3Q 30-13 4Q 27-23 |
84 立教大学 ● |
■試合後インタビュー
林五十美監督は「1年で1部復帰を果たしました。ありがとうございました。自分たちは本当に準備してきたので、それをやり切ろうと思ったんですけど、相手の1番の3Pがあまりにもたくさん入ったので、そこは自分たちも警戒していたのに、阻止できなかったことは反省点がありますが後半、しっかり修正できたのは良かったと思います」。相手の攻撃やディフェンスも強かった印象があるが「それは想定の範囲でしたけど、2部とは戦い方も違いますし、1部でリーグ戦を通し10数試合を戦ってきて力もついているのでそういうところは絶対来ると思っていたので準備はしていました。本当にリーグ戦もですけど、目指しているのは入替戦だったので当然の結果だと思います」。次のインカレには「去年はベスト8で終わりましたが、学生たちは優勝と言っているので楽な試合はないですけど、このまま一戦一戦しっかり戦って行けば、本当に力があるので彼女たちが目標としている優勝に近づけるように一生懸命頑張ります」と意気込みを話した。
日野華希主将は「本当に今年はいろいろあったんですけど、ここまで4年間頑張って良かったと思います。すごくうれしいです」。前半は拮抗した試合で相手の当たり強かったが「そうですね。ディフェンスも凄かったですし、相手も3Pをたくさん打って来て、それが決まっていたので危なかったかなという感じはします。後半は全員が強気をもって攻めるということを意識したから、みんなのシュートも入り出し、ディフェンスもその分プレッシャーを掛けられたかなというふうに思います」と話した。
司令塔を担う藤澤夢叶選手は1部返り咲きについて、「安心しました。良かったです。とにかく自分たちに悪い流れが来ても最後まで自分たちのバスケットをしようということを言っていたので、最初ファールトラブルが起きてしまったのですが、その分、自分が点を取ろうと思って、後半頑張ったので良かったです。リーグ戦を全勝で勝って、自信持って臨んだか。「そうですね自信を付けてきたので、本当に一人一人がやるべきことを徹底してやっていたので良かったと思います」。次はインカレですが「チームとしてベスト4以上を目指しているのでとにかく山学らしい、明るく楽しいバスケで頑張りたい」と笑顔で話した。
5月の関東トーナメント3位、秋季リーグで2部Aブロックを14勝0敗の実力をみせた今年のチーム。圧倒的な強さを持った留学生のインサイド。それにプラスしてしっかりしたディフェンスから3Pに自信を持ったチームの顔の藤澤夢叶を中心に、走れる選手が多数いるチームとしての強みが、これまでもトーナメントで好成績を残す“常勝常笑”軍団。12月開催されるインカレの戦いに目が離せない
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.11.2