●関東大学バレーボール男子1・2部入替戦
~1部立教との対戦。山学紙一重の差で1部昇格逃す~
~スパイカー石塚を中心に躍動するもミスの多さが課題に~
2024年度「関東大学バレーボール男子春秋季1・2部リーグ入替戦」が11月2日、駒澤大学玉川キャンパスで行われ、山梨学院は2部2位から2018年強化指定以来、初めての入替戦の権利を得て、1部リーグ戦12位の法政大学と対戦した。山学は、昨秋リーグ3位と強豪ひしめく1部参入まであと一歩のところまで躍進、秋季リーグを2位で入替戦に臨んだ。第1セット。立ち上がりスパイカー#16石塚蓮のスパイク攻撃で幕を開けた。そのまま山学が4得点を先取。#27ゲームキャプテンの山内智貴などの躍動で優位に立ちセットを奪取。第2セット、序盤山学のサーブミスや法政のブロックにあい、差を広げられずに一進一退の状態でデュースとなったが法政がセットを奪った。第3セット。相手が1部の強さを見せた。序盤、法政の鋭いスパイクでディフェンスを崩され、タイムアウトを取り修正。それから#26平井将大、#16石塚の攻撃で同点に追いつくと、互いにラリーの好プレーが続き会場を沸かせ、25-22で2セットを奪った。緊迫感漂う中、迎えた第4セット。序盤から拮抗状態が続き、#16エースの石塚が奮闘するも、サーブミスが響き僅差でセットを逃し2勝2敗。最終第5セット、先行する法政に気迫で追いつくと、その後も互いに譲らず14-14のデュース。最後は法政のブロック、サービスエースで死闘に終止符が打たれた。山学悲願の1部昇格はならず。来春のリーグ戦でリベンジを果たす。
■山学大バレーボール部男子、ここまでの足跡―
山梨学院大バレーボール部は2016年の「スポーツ科学部」開設と同時に男女が部を創部。女子は17番目の強化育成クラブとしてスタート、男子は遅れて2018年に強化育成クラブに指定され、今年7年目を迎えた。強化指定された年の春季リーグに4部から3部に昇格。翌年の2019年春季リーグ戦3部優勝。2部入替戦に臨むも敗れ、秋季リーグ戦には2位で入替戦に再挑戦、山梨大学を破り2部昇格を果たした。その後、2部に残留。2部リーグは現在12チーム、1回総当たりで各チーム1試合を戦い、上位2位が1部昇格を懸けて争う。2023年度秋季リーグ戦を亜細亜大と同率で並ぶも、セットカウントで後塵を拝し3位となり1部入替戦を逃した。あと一歩のところまで大きな躍進を遂げ、今年の春季リーグ戦では4位。そして今季秋季リーグでは初の2位(1位は東京学芸大)となり入替戦権を得た。
■関東大学バレーボール男子1・2部入替戦 立教と緊迫の接戦を演じるー
駒澤大玉川キャンパスで行われた1部12位の法政大と2部2位の山梨学院大の1・2部入替戦は午前11時に開始された。第1セット、法政のサーブでゲームは始まった。立ち上がり強力スパイカー#16石塚蓮(3年)の2本のスパイクと#27ゲームキャプテン山内智貴(3年)のダイレクトスパイク攻撃などで4点先取。さらに相手のミスや#27山内、#16石塚、#26平井将大(3年)のスパイク攻撃やブロックで優位に立ち、第1セットを
25-17で奪取。山学は法政と比して全体的に身長が低く、コンビバレーで相手のオープンバレーに対抗した。第2セット序盤、山学のサーブミスや法政の高いブロックに悩ませられながらも#16石塚や#27山内、#26平井の主軸がセッター#37平松陸哉(2年)の正確なトスや#15リベロ石崎響(3年)が守備の要として相手の鋭いサーブ、スパイクをしっかり守りながらしっかり得点。一進一退の状態でデュースまでもつれたが、法政が25-27で競り勝ちセットを奪った。
■後半、いずれのセットも拮抗戦が繰り広げられ、勝敗が見通せずー
第3セット。法政が身長の高さと体格に勝る1部の強さを見せた。序盤、何とか僅差で法政を追うが、鋭いスパイクでディフェンスを崩され、さらにサーブミスで点差を広げられ、すかさずタイムアウトを取り修正。ここから#26平井将大、#16石塚の攻撃や石塚と#
11ブロッカー森山翔馬(4年)のブロックなどで同点に追いつくと、互いに攻守で好プレーが見られ、緊迫したラリーが続き会場を沸かせた。その中でも#26平井を中心に僅差だが徐々に点差を広げ25-22で2セットを奪った。あと1セット勝利で迎えた第4セット。序盤から一進一退が続き、#16エースの石塚など攻撃主軸の奮闘やリベロの#15池崎らが難しいボールをひたすら追う守備の見せ場を作るも、攻撃陣のサーブミスが響き僅差の
23-25でセットを落とし2勝2敗となった。15点先取で勝利が決まる最終第5セット、先行する法政に#16石塚の鋭いスパイク、#11森山のクイックで追うも、5-8でコートチェンジ。気を入れ直した#26平井が魂がこもった左クロススパイクでチームに活を入れた。それに応えた#15石塚が気迫のスパイクでブロックを破り9-8と逆転。会場内が固唾を飲む試合はその後も互いに譲らず14-14のデュース。最後は法政のブロック、サービスエースで死闘に終止符が打たれた。1部残留を懸けた法政に紙一重の惜敗に山学悲願の1部昇格は来春のリーグ戦に持ち越された。
◆1・2部入替戦 11/2 《山梨学院大VS法政大》 会場:駒澤大学玉川キャンパス | ||
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● 山梨学院大学 2 | 第1セット 25-17 第2セット 25-27 第3セット 25-22 第4セット 23-25 第5セット 14-16 |
3 法政大学 〇 |
■山梨学院大スターティングメンバー
#15リベロ・池崎 響③、#16オポジット・石塚 蓮③、#26アウトサイドヒッター・平井将大③、〇#27アウトサイドヒッター・山内智貴③、#37セッター・平松陸哉②
※〇印ゲームキャプテン
≪他に登録メンバー≫ #①リベロ・山瀬慎也④、#2アウトサイドヒッター・高原快成④、#11ミドルブロッカー・森山翔馬④、#19アウトサイドヒッター・堤箸颯也③、#23アウトサイドヒッター・鈴木右京③、#28セッター・猶明 燃③、#29ミドルブロッカー・米澤琉治(3年)#30リベロ・若菜功全③、#40ミドルブロッカー・石井健晴①が途中交代出場した。※数字の〇印は主将
試合終了後、加戸隆司監督は最初に今まで機能していたピンチサーバーが全く機能しなかったことが敗因の一つと話し、全体的な話として「向こうはずっと負け続けているチームで我々は勝ってきているので、ただ1部の方は厳しい試合をし続けているから最初取らないと厳しいかなという思いはあったんですけど、それが上手くいったというのはチームとしては良かったです。ただそこで慣れてこられた時に自分たちが出すべきではないミスをして相手に楽にさせたことが2セット目の大きな敗因につながった」。敗因の一つとしてサービスミスが多かったことに。「相手はいいスパイカーがいっぱいいるので、そこで勝負をしなくて守りに入ることは言わないですし、狙うところはしっかり狙っていけと言っただけで、代えたリリーフサーバーがあれほどミスしたことがあまりなかったので、流れをもう1本引き寄せたいとか、このまま走りたい時に止まることが多かったのがちょっと厳しかったのかな」と敗因を分析した。今後どのような戦いを「3年生がほとんどレギュラーで4年生はひとりしかいないので、ここの2週の経験は非常に大きかった。。自分たちがこの悔しさがあると思うので、チームとして石塚が中心に周りがしっかり守って攻撃をして行くことは変わらないんですけど、来年は新戦力も入ってくるので、少しはスケールアップした形で展開ができればいいなと思います。やっていることは去年と変わらない感じです」と一段上を目指す。
強烈なスパイクでチームを鼓舞し続けた石塚蓮選手は「自分たちのバレーは出来ていたと思いますけど、最後の1点を取り切るとか、それがまだ、1部に届かない大きな壁となって負けてしまったと思っているので、これから春に向けてトレーニングに練習を積み重ねて、来年こそはリベンジして1部昇格を目標にしていきたい」。自分の出来については「自分としては良かった方だと思いますけど、大事な場面で、ミスしたりブロックされてしまったりとところがあったのでそこをなくせればいい展開が作れた」と試合を振り返った。
攻撃を左右するセッター平松陸哉選手は「入替戦に向けて秋から準備してきたので負けてしまったのは悔しいですけど、次の春に向けて準備していきたい」。敗因は「サーブミスがチーム全体に多かったのと落としてはいけないチームのルールでまだ、詰め切れていない部分があるんでそこですかね」。そのルールとは「フェイントボールを落とさない。ワンタッチボールを冷静に取るというルールで、そういうのが多かった」と課題を挙げた。
ゲームキャプテンの山内智貴選手は「2セットを先に取って行ける行けると言ったんですけど、だけど今は1部は強かったと率直に思っています」。この拮抗試合でやりたかったことは何か。「向こうは結構つないで、つないで1本で決め切って来るんですが、こっちも当然それをやるんですけど、最後勝てないのは、あともうちょっとと思うんですけど」と力の差を肌で感じた。法政は2セット目から息を吹き返してきたが「さすが1部という感じですね」。今後どのような目標をもっていくか。「今日、これだけの試合ができて、本当にすぐそこまで見えたので入替戦ではなくて今後、ずっと1部でやって行きたい」と上を目指す。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.11.2