山梨学院広報課

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●太郎良ゼミ 大会2回目の「税に関するプレゼン大会」に向け学内選考
~3組のチームが「税で変えよう!日本の将来」テーマにプレゼン~
~国が抱える社会問題の解決に税金の使途を考えた~

山梨学院大学経営学部・太郎良留美ゼミで11月5日、税理士を講師に迎えて連携授業が行われた。この日は、太郎良ゼミの「租税を考える」授業に参加している学生が11月16日、横浜市にぎわい座で開催する「大学交流戦・税に関するプレゼン大会」の学内選考会が行われた。ゼミ生11人3組が大会の「税で変えよう!日本の未来」のテーマに沿ってそれぞれが考えた「紙たばこ喫煙者を0にする」「空き家と税金」「守ろう日本の食文化」テーマを選択。調べ上げた資料を基に作成したデータを本番さながらにスクリーンに映し、各組が概略や税収の確保や使い道など、これまでの授業に携わり学生たちをサポートする東京地方税理士会甲府支部4人の税理士など計6人と太郎良留美教授を前にプレゼンを展開した。審査の結果2組の出場が決定し、出場を逸した「守ろう日本の食文化」のメンバーは2組のサポートに回ることになった。山梨学院大学では、2016年に東京地方税理士会山梨県会と「租税教育の推進と充実」に関する協定を締結しており、以来、相互に連携して租税教育に携わる人材育成を行っている。経営学部・太郎良留美教授のゼミナール「3・4年次配当科目」を受講する学生は、東京地方税理士会甲府支部、甲府税務署の協力を得て学んだ租税の知識の成果を小中学生を対象にした「租税教室」を毎年行っている。学生たちはプレゼン大会に向け、審査員の内容の指摘やプレゼン時のアドバイスを参考に最終修正を行い、当日を待つ。

国が国民に社会の構成員として正しい判断力や健全な納税者意識を育てるという目的のため、2016年、税務署と地域の税理士会と教育機関と連携して租税教育に関する方針が打ち出された。山梨学院大学が連携協定に至るきっかけは甲府税務署からの打診により、その年の5月に東京地方税理士会山梨県会と「租税教育の推進及び充実」に関する協定を締結した。租税教育は、次世代を担う児童・生徒が租税の意義や役割を正しく理解し、健全な納税者意識を養い、その使い道に関心を持ってもらうこととしている。

■2回目の「大学交流戦~税に関するプレゼン大会」に山学から2組が出場ー
2回目となる「大学交流戦~税に関するプレゼン大会」に出場する山梨学院大太郎良留美経営学部教授ゼミは11月5日夕方の授業で16日の大会に向け準備が着々と進められていた。この日は、出場するゼミ生3組による学内選考会が行われた。この交流会は、東京地方税理士会租税教育推進部が日頃の租税研究発表の成果の研究機会と大学間の交流の場として、昨年度から始められ、山梨学院大と神奈川大が参加。今年はこの2校と専修大が加わり、今後の発展に向けて2回目を開催することになった。

大会は、前回の「これからのあるべき日本の税制と30年後の日本について」のテーマから今回は「税で変えよう!日本未来」のテーマになり、ゼミ生11人3組のテーマは自ら取り組みを考え、全組が国が抱える社会問題をテーマとして挙げた。❖チーム名、煙の未来研究所が「紙たばこの喫煙者を0(ゼロ)にする」、❖Renest Labの「空き家と税金」、❖米米CLUBは「守ろう日本の食文化」。2組のチームが参加できる大会の学内選考会は、各組のテーマの内容とプレゼンの印象で出場権を争った。

■発表は、それぞれのチームが挙げたテーマに沿って行われたー
4人一組の3組(1組は3人)が『税で変えよう!日本の未来』のテーマについてそれぞれが現状、問題提起、取り組み、税金の使途、その効果をスライドやグラフなど視覚効果を駆使し、パワーポイントで説明した。それに対してこれまで講師として学生をサポートしている東京地方税理士会甲府支部4人の税理士と甲府税務署広報広聴官2人と、この『税に関するプレゼン大会」の授業を主導してきた太郎良留美教授が学内選考プレゼンを審査した。3組のテーマの着眼点、独創性、税に関する制度化の改善点や税金の理解度・使途などを評価。それぞれの審査委員がプレゼンの感想や改善点を述べた後、3組から2組の出場者を協議した。その結果、「紙たばこ・・・」と「空き家・・・」の2組の出場を決めた。

◆「紙たばこ喫煙者0にする」を扱ったリーダーの経営学部・横田稔希さん(3年)はテーマにするきっかけを「チーム4人の一人が紙たばこ、一人が加熱式、一人が電子たばこを吸い、僕が全く吸わないと4人が違う立場にいることで、違う者同士だからこそ、意見が出やすいとこのテーマを考えた」。資料をつくる苦労は「たばこのデータは本当に正しいのか、たばこが原因の病気が多いというグラフとかも、1週間前のゼミの時に税理士の方から指摘され、いろいろデータがあるので正確なのか信憑性が難しいところが課題だった」。税金のことを学ぼうと思ったことは「授業には税金のことはあまりないんですけど、今年の前期にゼミで太郎良先生から説明を聞いて、知っている、知らないのでは損得があるだろうなということで、しっかり知っていることで自分のためになるだろうと興味を持った」。最後にこのプレゼンに自信はあるかと聞いた。「今日の発表で不安もあったので、さらにブラッシュアップして本番に臨めたら自信も出てくるので、頑張りたい」と話した。

『空き家と税金』グループの経営学部・浅川嵩登さん(3年)に聞いた。テーマを決めたきっかけは「自分が住んでいる実家(甲斐市)の周りに空き家が目立ってきたので、テーマにするのはどうだろうとメンバーに提案して賛同してくれた」。このテーマの難しさは「資料をつくっている段階で空き家問題自体は国の行政がいろいろな対策を講じてはいるんですけど、税金をメインにした参考があまりなかったので税金対策を軸として空き家問題をどう解決するか結びつける部分が一番苦労した」。このテーマを考えてきて税金というものをどのように感じたか。「高校生の時から比べれば、ゼミ生になってニュースとかも見るようになりましたし、一番身近な消費税が増税されるのか、減税されるのかたびたび議論されていますし、授業の中でも経営学、経済学を学ばしていただく中で、もちろん簿記とかでいろいろな種類の税金があることに触れてきた中で、今回3年生になってからこのゼミを取らしていただいてより深く税金を学んでこうやって発表をさせてもらっているんですけど、まだまだ
知識としては、自分に捉えられていないと感じています。これからも勉強していく分野になっていくのかなというのをひしひしと感じています」。出場に当たって自信の程は「結構、自分を中心にプログラムを組ましてもらい、まだまだ改善の余地もありますし、先程先生方にアドバイスをいただいたのであと10日間でそこを詰めていって、出せるところは全部だ出しきりたいという気持ちで、自信を持って発表したい」と意気込みを語った

審査を担当した東京地方税理士会・前田晋吾租税教育推進部部長は学生のプレゼンを聞いて「皆さん素晴らしいなとの印象です。私は最初のテーマ決めの時にお邪魔したんですけど、テーマ決めの時に悩んでいたものが、形になったところがすごく見えて、流れを知っているこその考え深さみたいのところがあり、今までの経緯を踏まえて聞いてみるとすごく苦労してつくり出したところが見えました」。テーマの着眼点については「社会の課題を解決するところからスタートして、解決する手段として税金をという展開をこちらは求めていた部分があり、どんな税金にするとかは二の次と言っては何ですけど、どういう課題を見つけるかを大事にすることをすごく思っていたので、皆さんいいテーマを見つけてくれた」。この大会で学生たちはどのように変わるか。「このように自分たちで考えて、税金で何かをしようという視点で考えることによって、より深く税金を理解できると思っています。制度としての税金ではなくて社会の仕組みとしての税金を自分事として理解できるのではないかな」と話した。

この授業を主導した太郎良留美経営学部教授は「まだ詰めるところはあるんですけど、彼らなりにストーリーとして何が課題なのか、自分たちの身の周りにどういう事があるのか、というところから税で図っていくためにはどのような提言ができるかというストーリーを自分たちなりにつくって発表したということは成長が見られたかなと思っています」。税制の理解度は「税によって増税するとか負担を増やすということで、抑制にもつながって行きますし、税を使うことによって、例えば空き家対策を活性化、解決していくというふうに使われることもあるので、政策の一部として税を考えたところは学生ならはで良かった」。大会に参加することに「いい機会をいただきましたので、いい緊張感を持って、臨んでもらえればいいかなと思いますけど、結果はそこでついてくれば」と学生の成長に目を細めた。

大会は11月16日、横浜市にぎわい座で山梨学院大、神奈川大、専修大の5チームが参加(予定)して行われる。税の難しい課題に学生の斬新なアイデアで熱いプレゼン披露され、税の意味を考える大会の盛り上がりに期待が高まる。

■「租税教育」プロジェクトの1年間の集大成。「租税教室」―
太郎良ゼミの学生たちは大会を終えると、次に山梨学院小学校で12月中・下旬(調整中)に予定される「租税教室」実践に向けて準備が進められる。小学校高学年を対象の授業のため、これまで得た知識を理解しやすいようにシナリオを作成。パネル製作やリハーサルを繰り返しながら本番に向かう。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.11.5