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●2024天皇杯全日本レスリング選手権4日間の戦い
~世界選手権出場に向け全国から精鋭が集結~
~山学大から優勝1人、準優勝2人、3位5人が入賞~

12月19日に開幕した2024年度「天皇杯全日本レスリング選手権大会」が12月22日、4日間の熱戦が閉幕した。男女合わせて30階級が行われ、来年(6月予定)の明治杯全日本選抜選手権とともに2025年世界選手権(9月・クロアチア)の代表選考を兼ねた大会に社会人から高校生まで出場資格を満たした選手が各階級で日本一を争い、しのぎを削った。山梨学院大からは28人(社会人含む)、男子24人、女子4人がエントリーした。19日1日目は、男子FS61㎏級に成長著しい須田宝(2年)が初優勝を飾り、FS65㎏級では優勝候補の荻野海志(3年)がOBの榊流斗を準決勝で辛勝。決勝で敗れるも、2位と健闘。FS70㎏級ではOB青柳善の輔が貫録の優勝。冨山悠真(3年)が3位入賞。同級の森田魁人(4年)は優勝候補一の青柳に準決勝で敗れ、3位決定戦でも実力を発揮できずに5位となり、FS65㎏級内田怜児(1年)も5位と入った。女子65㎏級の寺本鈴(4年)は学生最後の年に悲願の優勝を目指したが今大会も決勝進出はならず3位に終わった。1日目の山梨学院関係では優勝2人(OB1人)、準優勝1人、3位3人(OB1人)の6人が表彰台に上った。2日目は女子55㎏級で丸 未永海が3位、3日目は男子FS74㎏級鈴木大樹、OB木下貴輪が3位に入った。FS86㎏級五十嵐文彌も3位入賞した。最終日FS57㎏級には全日本学生選手権優勝の勝目大将翔が準優勝。優勝は逃すも安定した戦いぶりが評価される。なお、大会の男子最優秀選手賞の天皇杯はOB青柳善の輔に授与された。

■1日目出場選手の結果ー
❖2023年度のFS61㎏級世界王者の小野正之助(3年)を怪我のために欠いた天皇杯。
輝きを見せたのが同級の須田 宝(2年)。1回戦、アジア選手権優勝の社会人選手に僅差で折り返した第2Q。残り30秒、ビッグポイントで勝利を確実にし、さらに終了間際にフォール勝ちを収め幸先の良いスタート。準々決勝、準決勝と順調に勝ち上がり、決勝戦では全日本大学選手権、全日本学生選手権二冠の須田は学生選手権3位の専修大選手を相手に7-2で勝利。初の天皇杯王者に輝いた。❖FS65㎏荻野海志(3年)は準決勝で同門のOB榊流斗と対戦。互いに手の内を知り尽くした対戦は、荻野が素早い攻撃でアクティビティポイント(消極的攻撃)などでリードすると、後半は攻撃を仕掛ける榊が優勢となり、荻野が巧みに追撃をかわし2-1の辛勝で決勝へ進出した。決勝戦では日体大出身で昨年の天皇杯優勝者と対戦。動きの良い荻野は果敢な攻撃にも相手は長じた技術でかわすと、逆襲を仕掛け再三荻野を窮地に追い込まれるも、何とか凌ぎ接戦のまま0-2で惜敗。試合後、悔しさを露わにし、しばらくタオルに顔をうずめた。❖11月の全日本大学選手FS74㎏級優勝の森田魁人(4年)は学生最後の大舞台に本来のFS70㎏級で臨んだ。2回戦、準々決勝を勝ち進んだ森田は準決勝で同門の先輩、OB青柳善の輔と対戦。青柳は世界選手権2年連続、3位2位と世界トップクラスの逸材。森田は前半、得意のタックルを仕掛けるも、修練した技術の前にアクティビティポイントを奪われ0-2とされると、後半にも3ポイントを失い、0-5で敗退。優勝の夢は絶たれた。その後の3位決定戦は精彩なく敗れ5位となった。
❖女子65㎏級寺本鈴(4年)は昨年の天皇杯3位から学生最後の大会でリベンジを果たそうと強い気持ちを持って臨んだ。初戦を難なく突破すると、準決勝では、昨年の全日本選手権3位、同年U23世界選手権出場などの実績を持つ寺本に対して同郷の三重県出身で今年の全日本学生選手権2位の選手との対決に臨んだ。互いに気迫あふれる試合が進んで互いにアクティビティポイントで1-1.その後、寺本が相手を外に出し1点、さらにサークル際での攻防で寺本が相手を押し倒し2ポイントを加算して3-1で勝利かと思われたが相手がチャレンジを要求、その際寺本の足がステップアウト(外へ出た)と判定されチャレンジ成功2-2の同点になったが、相手のラストポイントで寺本が敗れ、無念の決勝進出を逃した。3位決定戦では相手を寄せ付けずにVSUで3位となった。

■1日目の全選手の戦績ー
◆FS61㎏級=須田 宝(2年) 〇1回戦6-1(Fフォール勝ち)、〇2回戦4-1、〇準決勝5-3、〇決勝戦7-2  優勝。
❖小野正之助(3年)は怪我調整中のため棄権
◆65㎏級=荻野海志(3年) 〇2回戦・不戦勝、〇準決勝6-0、●決勝0-2 準優勝。
❖内田(1年)=〇2回戦4-0、●3回戦0-4、敗者復活戦=〇11-0(VSUテクニカルスペリオリティ)、●3位決定戦0-10(VSU) 5位。
❖須田快晴(4年)=〇1回戦2-1、●2回戦0-11(VSU)。
❖OB榊 流斗=〇2回戦4-0、〇3回戦3-0、●準決勝1-2荻野海志、〇3位決定戦7-0 3位。
◆FS70㎏級=森田魁人(4年) 〇2回戦3-2、〇3回戦8-0、●準決勝0-5、●3位決定戦0-11(VSU) 5位。
❖冨山悠真(3年)=〇2回戦14-4(VSU)、●3回戦2-4、敗者復活戦〇6-2、
〇3位決定戦9-6 3位。
❖荻野大〇(1年)=2回戦3-14(VSU)。
❖OB青柳善之助=〇11-0(VSU)、〇3回戦11-2、〇準決勝5-0森田魁人、
〇決勝戦10-0 優勝。
◆GR82㎏級=谷崎工之助(2年) ●1回戦0-9(VSU)。
◆女子65㎏級=寺本 鈴(4年)〇2回戦準々決勝4-0、●準決勝2-2ラストポイントにより、〇3位決定戦11-0(VSU) 3位。 

■入賞した選手、監督の試合後のインタビュー
小幡邦彦監督は「今日はFSの3階級は優勝を狙っていたので、100%ではないですけど全体で70%の出来でしっかりと力を出してくれた選手もいますし、もう少し頑張ってほしい選手もいたので正直満足はしていませんが、今持っている力は出せたんじゃないかと思います」。あと3日ありますが「今回のFSは下(57㎏)から86まで優勝を目標にやっているので7階級のうち今日は、1つは取りこぼしてしまったんですけど、あと4つあるのでこのうちいくつ取れるか、チャンスがある限り優勝を目指して頑張らせたい」と抱負を語った。
現役で初優勝を果たした須田 宝選手は決勝戦を「しっかり自分のレスリングができた」と胸を張った。良かった点は「受け身にならずに自分のスタイルでポイントが取れた点です」。鍵になった準決勝で11月の全日本大学選手権決勝で当たった選手について「3回目ですけど結構、研究された中での勝ちでしたので良かった」と決勝戦ではさらにギアを上げた。
このところの躍進ぶりついては「同じ階級の小野選手が世界で優勝して、負けられない絶対倒さなければいけない目標の選手なので、今回は出てないからこんなところで負けられないとない」と自分を奮い立たせた優勝と話した。最終目標を聞くと。「オリンピックで優勝すること」と頼もしい言葉が返ってきた。
悔しい涙の準優勝となった荻野海志選手は敗戦の気持ちを「自分の弱さを認めるしかない」と、一言吐露した。今大会を通じて、「明治杯(全日本選抜選手権2位)に負けてからもそうなんですけど、昨年のこの大会でも全く攻められずに負けてしまって、今年は自分の攻めの形をつくるという目標で1年間、いろんな試合を重ね、試合での練習は試合でしかできないと経験を積もうとやってきて、自分の中ではUアンダーとか、内閣(全日本大学選手権)で少しは殻を破れたと思っていたんですけど、最後の最後、この試合(決勝)で攻めを完成させようと臨んだんですけど、殻を破れずに終わってしまい正直、自分自身に落胆しています」と肩を落とした。どう立て直しを、「次は負けたくないのでもう上級生とか関係なしに自分のレスリングを追求して、勝つ選手になります」と今度こそ殻を破るつもりだ。
準決勝で同階級の優勝選手に惜敗し、3位決定戦で勝利した冨山悠真(3年)選手はこの成績に「まずは初めて(表彰台)に上れたのでうれしいです。くじ運的には決勝に行かなければいけないトーナメントだったで、非常に悔しい思いで心が折れてしまったんですが、敗者復活に回ることができてまた立て直すことができて良かった」。今日の4試合を振り返ると「練習でやっていることがプレッシャーだとかで全然できてなくて、タックルも単発になって、課題のスタミナの問題もあるのでしっかり練習をし直さなくては」と反省した。
女子65㎏寺本鈴選手は、学生最後の天皇杯での3位の成績については「準決勝で後輩には勝てると思っていたんですけど3決に回って、せめてメダルを持ち帰ろうとテクニカルで勝てて、いい内容でした」と笑顔で悔しさを押し込めた。決勝に届かなかった点については「小幡監督や高橋コーチから“寺本は攻めれば強い”といつも言ってくださるんですけ、その中でも自分は攻められなかったんで、最初に何ポイントを先制していれば勝てたのでそこが足りなかった」と今度は涙を押し留めた。一人だけの時もあった女子部に有望な選手も入部し、女子部員を先導した4年間を「苦しい時が多かったですけどとても充実した4年間でした」と振り返り、感謝を口にした。

※2日目から4日目最終日は、試合結果のみ掲載。
■大会2日目は男女各3階級、計9階級が行われ、山梨学院勢はFS男子125㎏級に山田康瑛(4年)1人と女子55㎏級に丸 未永海(2年)の2人が出場。
❖FS125㎏級=山田康瑛は〇1回戦9-0、●2回戦は準優勝した選手に2-12(VSU)、●3位決定戦1-2となり、5位。
❖女子55㎏級=丸 未永海=〇1回戦10-0(VSU)、●2回戦0-11(VSU)、〇3位決定戦6-4、3位。

■大会3日目、FS3階級、GR3階級、女子3階級
◆山梨学院はFS74㎏級に鈴木大樹(4年)、安藤慎吾(1年)、86㎏級に五十嵐文彌(3年)、増田大将(2年)、GR130㎏級に山田康瑛、中沢遥貴(1年)、女子50㎏級に小幡未羽(2年)が出場。女子76級茂呂綾乃(2年)、FS74㎏級のOBの佐藤匡紀も棄権した。
❖FS74㎏級=鈴木大樹 〇1回戦〈不戦勝〉OB佐藤匡紀、〇2回戦17-6(VSU)、●準決勝1-8、3位決定戦8-3(フォール)、3位。
❖同級・安藤慎吾 ●1回戦6-12。
◆FS86㎏級=五十嵐文彌 ●1回戦3-6高橋夢大、〇3位決定戦10-0増田大将(VSU、3位。
❖同級・増田大将 〇1回戦11-4(フォール)、●準決勝3-8高橋、●3位決定戦0-10(VSU)、5位。
◆FS79㎏=OB木下貴輪 〇1回戦12-0(VSU)、〇2回戦4-1、●準決勝2-4、〇3位決定戦8-5、3位。
◆GR130㎏級=山田康瑛 〇1回戦9-0(VSU)、●2回戦9-0(VSU)、●準決勝1-10(VSU)、●3位決定戦1-5、5位。
❖同級・中沢遥貴 ●1回戦1-9(VSU)。
◆女子50㎏級=小幡未羽 ●1回戦0-5。

■大会4日目最終日、FS1階級、GR1階級、女子2階級
❖この日はFS57㎏級=勝目大翔だけが出場した。 〇2回戦10-0(VSU)、〇準々決勝10-0(VSU)、〇準決勝4-3、●決勝0-4、準優勝。
この大会4日間を通じて山学関係は優勝者2人(OB1人)。準優勝者2人、3位7人(女子2人、OB2人)、計11人(現役8人)が表彰台に立った。

なお、大会4日目最終日、男子最優秀賞選手賞にFS70㎏級優勝の青柳善の輔(山梨学院大OB)に天皇杯が授与された。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.12.23