●2024年度全国高等学校駅伝競走大会、男女とも低調に終わる
~山学駅伝部女子 20位台を目指すも41位と思い霧散~
~1年生中心の若いチームに全国の壁がはだかった~
男子75回・女子36回全国高等学校駅伝競走大会」が12月22日、たけびしスタジアム京都を発着点とする、男子7区間42.195km、女子5区間21.095kmで行われた。都道府県の予選会に優勝した男女47校、この大会から地区代表の11校が加わり58校が出場して冬の都大路を駆け抜けた。山梨学院高駅伝部は、男子が14年連続24回目、女子が16年連続24回目の出場。午前、初めにスタートした女子は前回大会38位を上回る20位台、午後スタートの男子は前回大会21位から10位台を目指したが、ともに女子は41位、男子44位と目標への思いは届かなかった。レースは、女子1区坂元唯花が19位と好走。2区で40位と順位を下げたが3区留学生シャロン・ムワンティが15人抜きの区間6位で走り、25位と順位を押し上げ後続にタスキを預けたが、4区、5区の1年生千葉美波、横倉つぐみが粘り切れず41位でゴール。午後スタートの男子は、1区期待の佐藤新太は、実力者が揃う難関に47位と出遅れ、2区3kmの短距離に留学生フェリックス・ムティア二が18人抜きの区間新で29位と順位を上げるが、後続の3区保々遼斗、4区前多陽、5区西崎大貴、6区南澤道大、7区芦澤由都と若い選手で臨んだチームは流れを掴むことができなかった。総合成績44位と前回大会から大きく順位を落とすという悔しさは残る中、可能性のある選手が揃う男女駅伝部だけに次に懸ける躍進に期待しよう。
■冬の都大路に山梨学院高駅伝部に熱い声援が飛ぶー
12月22日、雨か雪という天気予想とは裏腹に気温は低いものの、日差しがスタジアムに注ぐ中、午前10時20分、まず女子のレースが始まった。応援席には山梨学院高校から生徒会役員、応援団、吹奏楽部、チアリーダー部など多くの応援団がスタジアム席、生徒会やPTA保護者が各コースで熱い声援を送った。
■女子21.0975km <5区間>
◆第1区6km (たけびしスタジアム京都~衣笠校前) 坂元唯花(2年)
今大会の山梨学院駅伝部女子は5区間を1、2年生で臨んだ。6kmと女子では最長区間の1区はスタートから中間地点まで平坦コースを集団走進んだ。その後から始まる上り坂は残り1kmの上り坂が勝負を分け、各校のエース級のランナーが激しい競り合いで2区にタスキを繋ぐ。坂元はスタートから先頭集団走で中間点辺りまで食らいついたがレース後、坂元唯花選手は「目標が自分の中で20番以内と掲げていたので良かったと思うんですけど、上りになってから離れてしまい最後まで残れなかったのは悔しさがあります」と上りに対する課題を挙げた。44位と順位を下げたことに「5人中3人が1年生でシャロン以外は全国大会が初めての舞台でみんな緊張したり思うところがあって、それぞれの持っている力がチームとして発揮できなかったと感じています」と話した。
◆2区第2区4.0975km (衣笠校前~烏丸鞍馬口) 戸澤瑠南(1年)
約4kmのコースは、最初に上りがあり、アップダウンやいくつかのカーブを走り、曲がり方などロードレースの技術が重要視されるコースに戸澤瑠南選手は全国大会での自身の走りに「最初に上りがあり、結構足を使って足がだんだん動かなくなり、たくさんの選手に抜かれてしまって、先輩がいい位置で持ってくれたのにキープできなかったことが悔しいです。最初から抜かれた人に食らいついて行けなかったのを付いて行けたらもっと変わったかなと思います」と19位から40位に順位を落とし、レースの難しさを話した。
◆第3区3km (烏丸鞍馬口~室町小学校前折返し~北大路船岡山) シャロン・ムワンティ
タスキをもらってすぐに折り返し地点。短い距離のスピード区間で最後500mに上り坂が待ち構える。ケニアからの留学生シャロン・ムワンティ選手(2年)は40位でタスキを引き継ぐとがむしゃらに次々と前を捉え、15人抜きで25位まで順位を上げた。「天気は寒くてタイムは少し悪かった。コースは難しかったけど(最後の)上りで頑張った。いいレースだった」しっかりと自身の役割を果たした。
◆第4区3km (北大路船岡山~西大路下立売) 千葉美波(1年)
スタートから一気に上って、その後はなだらかな下り坂が続き、3区と同様に力のあるスピードランナーが集まる区間。25位でタスキを受けた千葉美波選手は「シャロンからもらったタスキを一つでもいいから前に渡すことを目標にしていたんですが、最初の上りで8割ぐらいの力を使い果たしてしまい、下りで勢いに乗れたんですけど最後にいつもの練習でやっている自分のラストスパートの強みが活かせなかった部分だったり、全国の厳しさを感じました」とレースを振り返った。
◆第5区5km (西大路下立売~たけびしスタジアム京都) 横倉つぼみ(1年)
スタートから最初の2kmは下り坂。その後はゴールまで平坦な区間でアンカーとしてチームの存在感を示す重要な区間。横倉つぼみ選手はアンカーとしてほぼ単独走で走った。「タスキを受けてからとにかく前へ前という気持ちでした。途中何人かに抜かれたんですが自分の力の無さというのに気が付いたと同時に全国の壁の高さに思い知らされました」と41位でゴール。
◆山梨学院高校女子成績◆ 1:13:30 41位 | ||||||
区間 | ランナー | 距離 | 区間時間 | 区間 | 合計時間 | 総合順位 |
1区 | 坂元唯花(2年) | 6km | 20:23 | 19位 | 20:23 | 19位 |
2区 | 戸澤瑠奈(1年) | 約4km | 14:50 | 53位 | 35:13 | 40位 |
3区 | シャロン・ ムワンティ(2年) |
3km | 9:28 | 6位 | 44:41 | 25位 |
4区 | 千葉美波(1年) | 3km | 10:24 | 49位 | 55:05 | 34位 |
5区 | 横倉つぼみ(1年) | 5km | 18:25 | 57位 | 1:13:30 | 41位 |
補欠:西村佑菜(3年)、上村真凛(2年)、持田美陽(1年)
小俣宏記駅伝部女子監督は結果について「もう少し期待はしていたんですけど。1区がいい位置で持って来てくれたですけど、若いチームですので若さが出てしまったと思いますし、各区間でちょっとずつ(普段)よりタイムを落としてしまった」。3区シャロンの追い上げに「タスキを受けた順位が悪く、追って追って最後の上りでもう一歩行けなかった」とシャロンの頑張りにも、流れを戻せなかったことにチームの底上げを感じていた。
女子の結果は、優勝:長野東高(長野)、2位:仙台育英高(宮城)、3位:大阪薫英女学院高4位:立命館宇治高(京都)、5位:神村学園高(鹿児島)、6位:東大阪大敬愛高、7位:筑紫女学園(福岡)、8位:銀河学院高(広島)。ここまでが入賞となった。
文(K.F)カメラ(平川大雪・今村佳正・小池裕太・斉田和也)
2024.12.22