●インカレ女子サッカー 山学準々決勝戦に勝利4強に
~ハードワークもいとわず全力勝利 十文字学園を破る~
~準決勝は昨年優勝を激闘で争った早稲田大~
「第33回全日本大学女子サッカー選手権(インカレ)」準々決勝が12月28日、大阪府ヤンマースタジアム長居で行われた。昨年、悲願だった優勝に輝いた山梨学院大サッカー部女子(関東2)は、26日に行われた2回戦初戦に中京大に快勝。2回戦準々決勝は関東大学リーグで競い合う十文字学園女子大(関東6)と対戦した。前半、立ち上がりから互いに激しい当たりで一進一退の攻防で進んだ中盤の34分、#46・MF木許和心が右CK(コーナーキック)のセンタリングを#15・MF城山にこの浮き球をゴール右に詰めていた#5・DF大高心が押し込み先制した。その後、十文字の左サイドアタックからの攻撃に一瞬、山学ゴールが空いた場面のシュートはサイドネットに外れ命拾い。そのまま山学の1-0で前半を終了。後半開始早々から十文字にボールを保持されたが、ようやく3分後から山学が相手ゴールを脅かさすシュートを重ねたが相手ディフェンス、GKの攻守に得点を遮られた。16分、左CKを得るとキッカー#65・香椎彩香がショートコーナーから#13・熊谷南摘にパス、熊谷が香椎に戻したボールをそのままワンタッチシュートでゴールを決め2点目差。その数分後、十文字の左CKセットプレーからヘディングシュートを決められ1点を返された。その後も関東リーグで戦う両チームは拮抗した展開が続き、山学は1点差を守り切り4強に。準決勝は、年明け1月4日に東京・西が丘サッカー場で早稲田大と対戦する。
■しぶとい相手にも勝ちにこだわり全力集中ー
◆午後2時。ヤンマースタジアム長居はすっきり青空の陽が降り注ぐが風は強く冷たい。試合は、山学のキックオフで始まった。序盤、山学の左サイドアタックからクロスボールをゴール前に上げるが枠を捉えられずに好機を逃す。序盤から激しい攻防が続くと、山学が猛攻を開始。14分、相手のハーフウェイライン付近のフリーキックのセカンドボールからの#46木許和心(4年)のシュート、続いて#32山名映理(1年)のロングシュート、21分、#32山名のドリブルでの右サイドアタックから続く#35嶋田華(4年)のクロスボールを相手GKが凌ぐ。さらに#65香椎彩香(3年)の中央からのシュートもGKの正面を突くが、この時間帯は山学が優位に立った。中盤34分、#46・MF木許がペナルティーエリアに攻め込んでCKを奪うと、右CK(コーナーキック)のキッカー#65香椎のセンタリングを#15・MF城山にこ(1年)の浮き球をゴール右に詰めていた#4・DF大高心(3年)が左足で押し込み先制した。十文字は、山学の強い前線プレスのためのロングパスをカットされるなど、攻撃の主導権を山学が握るがその後、十文字の左サイドからからの攻撃に一瞬、山学ディフェンスの連係が乱れ、ゴールが一瞬空いたが、#60・GK高橋千空(4年)の対応でシュートはサイドネットに外れ命拾いした。その直後の危険な場面も凌ぎ、山学が1-0で前半を終了。
◆後半開始早々から十文字にボールを保持されたが、前半と同様に3分後から山学が相手ゴールに脅かしシュートを重ねたが、相手ディフェンス、GKの攻守に得点を遮られた。山学は今期の十文字との関東リーグ戦での2戦も山学が2勝したが、2戦とも1-0の接戦。簡単に得点できない侮れない相手だ。5分山学。#46木許のドリブルから相手のディフェンスを抜け出して決定的なGKとの1対1の好機にボールは吸い込まれたがオフサイドの判定。相手にダメージを与える得点にはならなかった。その後も山学はゴールチャンスを重ねるが決定力が欠けた。16分、山学は左CKを得ると、キッカー#65・香椎彩香がショートコーナーからペナルティエリア近くの途中出場の#13・熊谷南摘(2年)にパス、熊谷が香椎に戻したボールを香椎自身がワンタッチでゴール前へ。その判断が相手の隙を生み、誰にも触れられずにゴールに吸い込まれ2点目差。しかし、山学と接戦を演じてきた十文字も反撃、山学2点目の数分後、十文字は左CKのセンタリングをゴール前の混戦でヘディングシュートを決め、1点を返えした。その後も関東リーグで戦う両チームは山学の優位の中でも十文字は勝利に対する執念を見せ、一進一退の展開が続いたが、山学が1点を守り切り2-1で勝利。4強に名乗りを挙げた。
■山梨学院大スターティング11=#60・GK高橋千空③、#35・DF嶋田華④、#5・DF大高 心③、#50・DF宮本仁奈④、#15・MF城山にこ①、#65・MF香椎彩香③、#32・MF山名映理①、#16・MF中井佑姫奈②、#14・MF加島希夏②、#46・MF木許和心④、#38・MF齊藤桃花④(GC:ゲームキャプテン)。
◆リザーブメンバー=#33・GK本多陽菜③、#3・DF一瀬葵夢②、#64・DF寺村穂香③、〇#52・DF中津留彩奈④、#24・MF阿部文音④、#9MF山田歩美②、#34・MF島村美風④、#13・FW熊谷南摘②、#20・FW伊藤琴音②。
※#前の〇印は主将。
◆交代=#32⇒#13熊谷、#16⇒#9、#14⇒#3一瀬、#35⇒寺村。
2024年度 第33回全国大学女子サッカー選手権 準々決勝戦 《山梨学院大学VS文字学園女子大学》12/28 ヤンマースタジアム長居 |
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〇 山梨学院大学 2 | 前半1-0 後半1-1 |
1 十文字学園女子大学 ● |
山梨学院大得点者=34分大高心、61分香椎彩香 十文字学園女子大得点者=65分赤間柊玲 |
試合後、村上裕子監督は同じ大学リーグのチームに接戦で勝利した相手に「うちらからしたらすごく怖い相手だと分かっているので、そうはあってもミーティングでもしっかり目の前の試合をしっかり勝ちきるというところで彼女たちはしっかり集中して入ってくれたので良かった」。セットプレーでの2得点については「全国なので点の取り方はどうこうと考えていないので、きれいにやる必要もないし、とにかくどうやって勝つというか、結果が全て」と勝利にこだわる。早稲田戦には「いい準備をして、コンディションはいい選手ばかりなので彼女たちの体調面を見ながらしっかりいけたら」と静かに自信のほどを垣間見せた。
先制点を挙げた大高心選手は「みんなが競ってのこぼれ球だったので、たまたまという感じなんですけど、でもうれしかった」と素直に喜んだ。フィールドシュートはなかったが、「シュート練習はたくさん練習してきましたし、そこまでの作りの部分は大事にインカレまでの期間練習してきたので、学院らしさは出せたかなと思います。次は決め切るだけなのでそこは中断している間にもっと精度を上げていきたい」。プレッシャーは「次に戦う相手が昨年、決勝で戦った相手(早稲田大)なので、それなりに相手も勢いを持ってくると思うので、それに負けないように戦いたい」と余裕を感じさせた。
チームを鼓舞した齊藤桃花選手は同じリーグで戦い、接戦を演じた相手に対して「勢いがいつも以上にあって、セカンド(ボール)の競り合いなんかもとても強くて、押し返されるところもあったですけど、セカンドを意識して先に先制できたのが良かった」とゲームを振り返った。昨年、優勝を争った次の早稲田戦については「関東インカレでも後期、0-0であまりいい試合ができなかったので先に点を取って負けないように頑張りたい」と意気込んだ。
この日、準々決勝4試合が行われ、関東1部リーグに所属する上位4チームが顔を揃えた。東洋大学(関東1/埼玉)、山梨学院大学(関東2/山梨)、早稲田大学(関東3/東京)、日本体育大学(関東4/神奈川)が勝ち上がり、山梨学院大の準決勝戦は、前回大会で優勝を争った早稲田大との対戦となった。試合は東京に舞台を移し、味の素フィールド西が丘(東京都北区)で2024年1月4日に準決勝戦、2025年1月6日に決勝戦が行われる。山学は2連覇を目指し、正月返上で試合の準備にあたる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.12.28