●全国高校ラグビー大会 山学年越えの3回戦に敗れる
~元旦の聖地・花園で堂々とした戦いぶりを見せる~
~前回王者・桐蔭学園の強さを実感。次に活かす~
2025年1月1日元旦。山梨学院高ラグビーが東大阪・花園ラグビー場に山梨県勢11年ぶりの年越しの舞台に立った。「第104回全国高校ラグビー大会」3回戦準々決勝が行われ、前回大会優勝、桐蔭学園高(神奈川)と対戦した。試合は、前半3分、桐蔭が山学ゴール前へハイパントキックを挙げ山学の反則で桐蔭は手堅くPGを選択。ゴール前30m右中間から#10がPGを決め、0-3と先制とした。さらに5分、山学自陣22m付近の左ラインアウト。桐蔭の一気のモールを止められず#7がトライ。0-8。14分、ゴール前22mライン付近、中央ラックより右へ二人を飛ばしパス。流れるような攻撃で右隅へトライ。0-13。山学は桐蔭のブレイクダウンからの密集ボールを支配され、なかなか、攻撃を組み立てられずに21分、自陣のゴール前30m右ラインアウトから左へのライン攻撃のスピードに負け、トライ0―18、Gキックで前半を0-20とされた。前半、山学も再三ゴール前に迫るが、堅固な桐蔭のガードに押し戻された。後半も、桐蔭は2分、ラインアウトから山学ゴール前10m、中央ラックより出たボールを素早いパスを山学は止められずトライ。Gキックも成功。0-27と差を広げられた。その後も、桐蔭は8分、18分と山学の強力FW陣を巧みにかわしながら得点を重ね、さらに残り3分、ゴール前10mモールを押し込み、桐蔭は山学のFW陣を封じ込めて0-46。山学はシード校の厚い壁に屈した。
■シード校にノースコアで敗れるも、前に出るラグビーに手応えー
新しい年が明けた2025年1月1日元旦。「ラグビーの聖地・花園」には多くのラグービーファンが集まった。大会3回戦準々決勝。11年ぶりに山梨県勢で年越えを達成した山梨学院高校ラグビー部は花園のメインラグビー場第1グラウンドに立った。対戦する桐蔭学園高(神奈川)は前回大会優勝で高校日本代表候補7人を擁し、今回も優勝候補の強豪校。多くの名プレーヤーを輩出している。
❖試合は山梨学院のキックオフで始まった。立ち上がりからキックの応酬で互いに前進を試みた前半3分、桐蔭が山学ゴール前へハイパントキックを挙げ、山学がノットリリースボールの反則で桐蔭は得点を確実にするPG(ペナルティゴール)を選択。#10がゴール前30mの中央付近から着実に決め0-3と先制とした。さらに5分、山学のラインアウトからの攻撃は、またもノットリリースの反則でPK(ペナルティキック)を与え、桐蔭は山学22m付近まで陣地を挽回、山学は桐蔭の左ラインアウトからの一気のモールを止められず#7がトライして0-8。14分には、桐蔭はゴール前22mライン付近中央ラックより右へ展開、速いパス回しで二人を飛ばし相手#14右ウイングにパス。そのまま右隅にトライ。0-13とした。山学はブレイクダウンからの密集で桐蔭にボールを支配され、なかなか、攻撃を組み立てられずに21分、自陣のゴール前30m右ラインアウトから左への流れるようなライン攻撃。最後は、#15が山学のディフェンスを置き去りにするスピードで中央へトライ。Gキックも成功。桐蔭は前半、3トライ1PG、1Gキックで山学に立ち入る隙を与えず0-20で終了。山学は後半に挽回を懸けた。
❖桐蔭のキックオフで始まった後半2分、ゴール前10m、左中間ラインアウトより出たボールを山学FWが低いタックで前進を防ぐが、中央ラックより出たボールを素早いパスで右へ#9-12-13と山学のガードをすり抜け#13が中央へトライ。Gキックも成功。0-27。さらに8分、ハーフウエイのスクラムから出したボールを左に展開、山学が桐蔭のバックスの中央突破を一時止めたが、ゴール前5m左中間ラックより右への波状攻撃で#9-10―2とわたり、#2が山学のタックルを引きずり中央にトライ。Gキックも成功し、0-34。山学も#1番渡辺侑(3年)を中心としたFW、#15篠原悠士のキックで前進するBK(バックス)で対抗するが、山学を上回る突破力で得点を重る桐蔭は、さらに18分、山学22m陣内のスクラムから左、右へと攻撃を展開。た山学ディフェンスも必死に押し留めるも、中央5mラインでのラックから出したボールを#10がショートパントで蹴り出し、そのまま裏に飛び込みトライ。Gキックを決め0-41とした。27分残り3分には、山学右サイド10m付近からのラインアウトモールをじりじり押し込み、山学ディフェンスの態勢が崩れたところをトライ。桐蔭は山学の重量FW陣を封じ込めて0-46でノーサイド。山学はシード校の王者の前に屈辱のノーゴールという結果で終わった。
■山梨学院高スターティングメンバー
〇#1・PR渡辺侑③、#2・HOヘンダーソン・リアム③、#3・PR鈴木愁平②、#4・LO文箭優翔③、#5・LOチトコ・フィリペ③、#6・FL渡邊颯太③、#7・FL原田 尊③、#8佐野涼太③、#9・SH菅沼直樹②、#10・SO小島咲汰朗③、#11・WTB三木良唯吏③、#12・CTB井上愛斗③、#13・CTBパエア・フォトフィリ③、
#14・WTB川住昇大③、#15・FB篠原悠士③ ※#前の〇印は主将
◆交代=後半:12分#9⇒#23松隈孝信③、14分#5⇒#19渡邊三祐②、16分#3⇒17田形正大③、24分#6⇒#20下條友成③、#14⇒#25宮里楽空①
第104回全国高校ラグビーフットボール大会 3回戦準々決勝 《山梨学院高校VS桐蔭学園高校》1/1 東大阪市花園ラグビー場第1グラウンド |
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● 山梨学院高校 0 | 前半 0-20 後半 0-26 |
46 桐蔭学園高校 〇 |
桐蔭学園得点=トライ7、Gキック4、PG1 |
❖試合後、古屋勇紀監督は選手の成長を、「再活動して昨年、1年目の子たちがみんな大学へ行っていますけど、この子たちを受け継いで課題を1年間しっかり成果を十分出せたと思います。特にフィジカルについては大きな成長を遂げているのかなと評価しています」。昨年優勝している桐蔭と対戦して、「今日、桐蔭学園さんにいただいた課題がプレイグラウンドですとか、セカンドのサポートの技術が格段に私たちのチームと違ったので、それを持ち帰って、活かせればいいのかなということで、そういった意味でも、今年の3年生に大きなお土産をもらったと感じています」。部としてステップアップしていますが「このまま歩みを止めるわけにいかないので来年さらに飛躍したチームになれるようにまた努力を続けたい」と花園上位校を目標にさらに高みを目指す。
❖最後までチームを鼓舞してきた渡辺侑主将は強豪相手にノースコアについては「桐蔭さんのディフェンスが堅かったところもあったんですけど、チームとして、フォワードとか前に出ることができたんでそこで決め切る力が桐蔭さんより下回ったんでそこをもっと練習して成長していきたい」とシード校の強さを実感した。県勢で久しぶりの年越えには「メチャメチャうれしいんですけど、僕たちベスト4を目標にやってきたんでまだまだ壁は厚いですけど、もっと上は目指せるんで後輩には頑張ってもらいたい。去年、先輩が“悔しさを原動力”にという言葉を言ってくれたんですけど、僕も言うことは変わらず、正月越えは出来たんですけど、ベスト4を達成できなかった悔しさを引き継いでいってほしい」と後輩にチームの目標を託した。
ラグビー部復活から4年目。目標とした3年目で花園出場を有言実行した。4年目には東北代表の2校に勝ち抜いて3回戦準々決勝に進出。山梨県勢11大会ぶりの年越しは県内ラグビーファンに明るい話題を提供。3回戦、前回大会優勝の桐蔭学園に負けはしたが16強を果たし、山梨県のラグビー振興を掲げる山梨学院高校ラグビー部の活躍に喝采を贈る。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.1.3