山梨学院広報課

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●2024年度山梨学院大「学生チャレンジ制度」成果報告会
~学生のアイデアが詰まった結果報告に選考委員も納得~
~新たなチャレンジか後輩が引き継ぐか、来年度に期待~

2024年度山梨学院大「学生チャレンジ制度」成果報告会が1月29日、大学9号館
English Cafeで行われた。この制度は、学生のやる気やチャレンジ精神に大学が経済面などで全学的に支援する制度で、30年にわたり『学生の課外活動を通じて得られる自主的探究心と積極的な行動力の涵養』を目的に実施されてきた。今回は新たにアントレチャレンジ枠、GLOBALチャレンジ枠、SDGsチャレンジ枠をテーマに設けて5月に1ヶ月の募集期間に自力で実現可能な企画を募集。選考委員により25件の応募から5件を選考、採択。それぞれの計画書予定金額の助成金(最大50万円)を基に今年1月までの実施期間で事業を展開。成果報告会には多くの関係者が集まった。発表は、「チームお食事処」、「大学専用フリマアプリ『フリキャン』プロジェクト」、「YGUオリジナルグッズプロジェクト」、「パスとぅ」、「ISSボランティアリーダー」の順に行われ、各チームが実施内容、成果、課題、今後の展望などを発表。最後に青山貴子学長が講評。「チャレンジは成功と失敗をいかにたくさん経験できるか。今回は皆さんある程度成功を手にしたと感じましたが、失敗、課題とかもそれ以上にあったと思います。だけどこの失敗があるとさらにチャレンジしたくなりませんでしたか。これで終わりではないなというのが全てのチームに感じました。これを次の何につなげるかを考えていただきたい」と述べた。学生たちの前向きなチャレンジ精神が感じられる成果報告会になった。

「学生チャレンジ制度」は1995年(平成7年)に発足し、2003年度(平成15年)には「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」にも採択された。今年で30年目となる今回は、2022年、教育目標の一つとして掲げられた「たくましく生きる」を育てるためのビジョンの一つ『自律的学習者を育てる総合的な学習支援』に基づき、新たに個性と能力の最大限の発揮を奨励し、新しい価値の創出を目指すとともに、時代の変化への適応と積極的な実行を通じて、学生主体の地域貢献や持続可能な大学コミュニティの構築など自力で実現可能な企画を募集した。応募受付は5月初旬から6月初旬に行われ、応募書には企画計画書とピッチ動画(短時間プレゼンテーション)を提出。6月26日に青山貴子学長を選考委員長に金子 大法学部長、太郎良留美大学院社会学科長・大学経営学部長、名取貴光健康栄養学部長、當眞正裕国際リベラルアーツ学部長、幸野邦男カレッジスポーツセンター副センター長、小山勝弘スポーツ科学部長、事務局の帯金 久学生センター次長、段 鈺学生センター主幹の教職員9人によって行われ、25の応募件数の中から1次選考を経て5件が選考、採択された。選考基準は、教育的効果・人間形成への影響度・独自性・ユニーク度・実現可能度など総合的に審査された。

■採択された5件の成果報告会―
大学9号館English Cafeで行われた成果報告会は、選考委員や教職員、チーム以外の一般学生も多く集まり、時間をかけた取り組みの完成度に期待が集まった。初めに司会の太郎良留美大学院社会科学研究科長・経営学部長が今年度の「学生チャレンジ制度」で採択された5チームを紹介。「これらのチームが支援金を獲得して、これまでどんな活動をしてきたのか、どんな苦労をしてきたのかを聞きながら1年間の総括をしていきたいと思います」と会式の挨拶をした。
◆採択された5件の概要ー
続いて採択された5件の成果報告が次の通り進められ、各チームが実施内容、成果、課題、今後の展望などが報告された。
《報告順》
1.「チームお食事処」:健康栄養学部(3年):奈良田怜美・赤羽いぶき・大塚歩夢・小牧菜葉・関陽平・玉置夏実・望月泰聖 ◆企画概要:健康栄養学部の実践を兼ねたギャンブル依存症回復施設利用者への食事提供。
❖報告会では、奈良田怜美代表、大塚歩夢さんの2人が発表。取り組みの目的の一つに障害福祉サービス等報酬の改定に伴う栄養管理が必要になることから栄養管理を考慮した食事を提供し、健康に寄与する。対象者を理解した給食提供を学び食事の楽しさを提供するなどを目指しに活動を進めた。対象者のギャンブル依存症の回復プログラムにおいて2回の食事提供を行い、様々な検証を行い栄養管理を考慮した結果、給食とよりよい食生活の情報提供はできたが、ギャンブル依存症の回復することはむずかしかったものの、季節や行事に考慮した給食で食事の楽しさを伝えることができたと実践に手応えを感じていた。

2.「大学専用フリマアプリ『フリキャン』プロジェクト」:法学部(3年)市村日向、協力:サジャドゼミ ◆企画概要:SDGsにもつながる学生専用フリマアプリ「フリキャン」の製作、手軽に教科書や生活用品を売買できる環境の提供。
開発者の市村日向さんはプロジェクトの背景として高価な新品の教科書購入が大きな経済負担となっており、また使用可能な教科書が使用されず放置されている現状に、フリマアプリ「フリキャン!」を製作し、手軽に売買できる環境を提供し、SDGsに関する意識を高めること目的にアプリ製作に挑み完成させた。11月にアプリストアの審査を行い、11月下旬からリリースを開始した。実際に活動を始めたが、アプリ登録者が限られアプリ内での取引が少なく広報活動が必要と感じ、今年4月に大学内でフリマーケットや10月の樹徳祭でイベントを開催など、周知と利用者の拡大を目指すとした。

3.「YGUオリジナルグッズプロジェクト」:スポーツ科学部(4年):神田姫来、佐藤隆成リーダー、渡部真輝、小澤黎、齊藤優香 ◆企画概要:学内の一体感を目的にした大学オリジナルグッズの製作・販売。プロジェクトは幸野ゼミのアントレプレナー(起業家精神)枠の企画で、発表者の神田姫来、佐藤隆成、渡部真輝さんがニューメキシコ大学でアメフトの試合を見たことがきっかけとなった。そこで見た老若男女がニューメキシコ大のチームカラーの赤を身にまとい大学を誇りに熱い応援をしている姿に感動。山学大としての一体感を高め、大学への愛着心を高めたいとプロジェクト立ち上げ企画、大学から助成金を得て製作した。販売は、スウェット(上下)とTシャツを樹徳祭で完売を目標にしていたが、アンケート結果では、学生には価格が高いと半分強の売り上げに終わった。今後の目標としてはマグカップなど学生が手頃に購入でき、愛校心を高めるような商品の提供を考えていく。成果としては買ってくれた学生たちに愛着心の促進は出来た。課題としての商品の価格や希望するサイズの不足、PRの必要性など経験から学んだことが多かったとした。

4.チーム「パスとぅ」:経営学部(4年):鈴木竣佑・角田雄紀(右から) ◆企画概要:経営実践と食からの地域振興として、パスタとほうとうを掛け合わせた山梨の新しいご当地グルメづくり・販売。この企画は、本学の経営学部で学んだことが日常生活に活かせているか、実際に起業(アントレプレナー)してみたいかが背景となっており、アンケート結果として日常生活に活かせてない。経営にチャレンジしてみたいという学生は一定数いるが費用などの理由で実践ができていない結果となった。そこで今回、「チャレンジ制度」を利用して、本学で学んだことをアウトプットする場としてキッチンカーによる「パスとぅ」の経営実践をした。販売は『樹徳祭』での販売と毎月1度笛吹市石和で開催されている『ふえふきマルシェ』、学内での3回4日間実施された。成果は経営にチャレンジしたい学生が倍以上に増え、費用の面で躊躇していた学生は7割から3割に減少したとの結果が出て「チャレンジ制度」の周知ができたと報告した。

5.「ISSボランティアリーダー」: スポーツ科学部 北沢栞(4年)代表、他12人(留学生5人、日本人学生7人)。◆企画概要:スポーツ科学部としてスポーツに触れる機会の創出、留学生の参加を得て異文化理解、SDGsを兼ねたイベントの実施(湖でカヤックに乗り留学生と交流)。北沢栞さんは初めにISSの名称をIはインターナショナル、次のSはスポーツ、次のSはSDGsと説明し、本題に入った。実施は8月に上記に挙げた計13人、計6チームで本栖湖においてカヤックに乗り2回のゴミ拾いを実施。アルミ缶やペットボトルなど計7.6kgのゴミを回収した。湖でゴミは滞留してしまうため今後の活動が必要と実感した。成果として挙げたのは参加者のアンケートで①学部外でのコミュニティをつくれた。②留学生との関りが増えた。③カヌーを漕ぐ体験ができ良かった。④環境に貢献することができたと好意的な意見が多く目的が達成できたと報告した。

■青山学長の講評ー
5件の報告後、「学生チャレンジ制度」選考委員長・青山貴子学長がそれぞれのチームの活動報告に丁寧な寸評を述べた後、総括(抜粋)として「私が思っていた以上に活動してくれたかなとの印象を持ちました。最後に皆さんにお伝えしたいのは、チャレンジは成功と失敗をいかにたくさん経験できるか。今回は皆さんある程度成功を手にしたと感じましたが、失敗、課題もそれ以上にあったと思います。だけどこの失敗があるとさらにチャレンジしたくなりませんでしたか。これで終わりではないなというのが全てのチームに感じました。それがご自身の次のチャレンジにつなげてもいいし、このチャレンジの種を次の方に引き継ぐことでもいいですけど、これを次の何につなげるかを是非、考えていただきたい。素晴らしい報告をありがとうございました」と労いの言葉を伝えた。学生たちの前向きなチャレンジ精神が感じられる成果報告会になった。
最後の閉会の言葉をカレッジスポーツセンター幸野邦男副センター長は「大学から奨励金をいただきチャンスをもらい学んだことによって、みんなの成長や後輩が次のステップを踏んで持続可能なプロジェクトにしていけるような成長につながって行くことを感じました。この成果発表、大成功でした」と今年度の「学生チャレンジ制度」成果報告会を締めくくった。

■報告者の話ー
閉会後、報告者の二人に話を聞いた。「チームお食事処」の奈良田怜美さんは「実際に食事を考えて提供して、食べている人の顔を見るというのがこれから管理栄養士として勉強していく中でとてもいい経験を得られたなと思いました」。今、3年生だが来年度も継続していくか。「4年生になると管理栄養士の国家試験などで学外活動が難しくなるので、後輩に引き継いで今回、2回の食事提供で山梨の食材が使えなかったことが心残りで、それから利用者の方にどのように家でもよい食生活を続けてもらえるかということが今回難しかったことなので、そこを考えていってもらいたい」と話した。
「ISSボランティアリーダー」の北沢栞さんは「本栖湖はきれいな湖だと聞いていたんですが、短い時間でしたが7,6kgのゴミを拾ったことは自分たちでも大きな衝撃でした。
もっと大きな河口湖などは倍以上になってくるので活動の幅が広がっていきますね」。今後については「今回は湖での開催だったんですけ、山梨県なので山だったり、街中だったり、そういうところにも活動していきたい」と後輩に思いを託した。

最後に報告者、関係者全員で記念写真に納まり、来年度の活動成果に話の輪が広がった。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.1.29