●第97回選抜高校野球大会 山学高4年連続堂々の入場行進
~12番目に登場。きりりとした表情で大きく手を振った~
~2度目の選抜制覇に向けてチーム一体で挑む~
青空が広がる甲子園球場。3月18日午前9時、一塁側アルプススタンド後方の通用口の門が開くと、「第97回選抜高校野球大会」に出場する32校が入場。先導するのは大阪府・京都府警察音楽隊。まずは、前回優勝の史上4校目連覇を狙う群馬・高崎健康福祉大高崎高校が入場。続いて前回準優勝の兵庫・報徳学園高(今回は選出されず)主将のみが続いた。この後は北から順に行進。前々回優勝、前回8強の山梨学院高は12番目に入場。山学高のプラカードを掲げた加藤あさひマネージャー(3年)を先頭に、選抜旗を持つ梅村団(3年)ら登録選手20人全員が締まった表情で両手を大きく振り行進した。この後、セレモニーが続き選手宣誓が行われた。各出場校32校の主将が選抜旗を持ち、選手宣誓の市立和歌山高校・川邉謙信主将を囲んだ。川邉主将は、昨年100周年を迎えた選抜野球の歴史と伝統の重みを伝えながら野球人口減減の危機感を訴えた。「皆さん、高校野球は好きですか。私たちは高校野球が大好きです。先輩方が紡いできた歴史と伝統のあるこの大好きな野球を魅力あるものに発展させ、未来の高校球児へと繋いでいく責任があります」と高校野球を愛する人たちに心に届く決意を述べた。開会式の最後は、大会歌「今、ありて」で選手を開会式後の13日間の戦いに送りだした。合唱は神戸山手女子高校。今、改めて「今、ありて」の歌詞の一部を記す。『ああ、甲子園 草の芽 萌え立ち 駆け巡る風は 青春の息吹か 今ありて 未来も扉を開く 今ありて 時代もつながり始める』。(歌詞・阿久悠)。開幕後の1回戦は柳ケ浦高(大分)対二松学舎高(東京)。山梨学院高は大会3日目(20日予定)登場。1回戦2試合目、強豪天理高と対戦する。(※選手たちの学年は新学年)。
■山学高「第97回選抜高校野球大会」出場への道のりー
山学高野球部は「第95回選抜高校野球」で県勢初の甲子園優勝で県民を奮い立たす勇気を与えた。翌、第96回にもベスト8と選抜では実力校、常連校として名を届かせている。
今回「第97回大会」県予選はノーシードから戦い、1回戦を前回夏の甲子園に出場した日本航空に4-0。2回戦は白根高に13-0のコールドで圧勝。3回戦準々決勝では、前回夏の甲子園県大会で同じ準決勝戦で駿台甲府高6-2で勝利。リベンジを果たした。決勝戦では帝京第三高と対戦。5-0で破り県大会史上初の4連覇を達成した。約1か月後、山学高は神奈川県保土ヶ谷市のグラウンドで、昨秋の関東大会で優勝候補に挙げられていた東海大相模高(神奈川2位)と対戦。先発は、県大会でも好投した藤田蒼海(2年)が中盤まで1点も許さず2-0でリード。その後、追いつかれ9回に5-5のタイブレークになった。ここで山学高は、6番目の継投で坂東慶寿(3年)が粘り、2者を三振に打ち取り、打線は5番田村颯太郎(3年)、6番梅村団(3年)が小技でつなぎ勝利をもぎ取った。2回戦は千葉県大会を勝ち上り、選抜初出場となった千葉黎明高(千葉1位)と対戦した。山学高はこの試合に勝ち、ベスト4なることが4年連続選抜出場が必須。試合は、藤田蒼海が再びの先発も、1回表に制球が乱れ得点を許すと、これまで鉄壁の守備を誇った守備陣のミスも重なり、5回までに2-4とリードされた。中盤に反撃し、無死二塁一塁の好機に凡打、併殺打に打ち取られ、最悪のゲームセットとなった。ここでベスト8が決定し、選抜出場に暗雲が覆った。
1月24日、選抜出場校が決定した。関東は横浜高校が神宮大会優勝により、関東枠が4つから5枠に一つ増え僅かな望みの中、昨秋の関東大会8強の比較がされ、山学高は、山梨学院砂田球場で吉報を待った。選出された山学高は、これまで3年連続関東大会決勝進出。第95回選抜大会には初優勝、第96回にはベスト8.昨秋の関東大会では優勝候補の東海大相模高にタイブレークで勝利するなど。「投打の総合力」が他の3校を上回り「実績」「総合力」が評価された。
吉田洸二監督は先日の壮行会で「(1枠は)ちょっと厳しいと思って諦めていました。ただ、夏に向けては進んでいました。そういう中で吉報が入り涙してしまいました。それだけうれしい選出でした」。名将に涙を流させるほどのチーム作りが実を結んだ選出だった。「冬を越して、さらに投手層が厚くなった。勝ち上がるチャンスはある」。20日の天理高戦には勝利は「五分五分」と自信を覗かせた。山学高は一塁側ベンチ。試合開始は午前11時半から。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.3.18