●第97回選抜高校野球大会 山学高1回戦
~8番鳴海の逆転打。藤田の好投で3連続初戦突破~
~約1,000人の大応援団が声援。選手を後押し~
3月20日、「第97回選抜高校野球大会」大会3日目2回戦に山梨学院高校が登場、天理高校と対戦した。試合開始前には、一塁側アルプススタンドに出場選手以外の野球部員や生徒会、吹奏楽部、チアリーダー部、はじめ、特進コース、進学コースの一般生徒、教職員など学校関係者、それに野球部保護者会、PTA、一般観客など総勢1,000人の応援団が集結した。青空が広がる甲子園球場で午前11時35分、山学高の先攻で開始された。試合が動いたのは3回裏、天理の攻撃。山学高先発の津島悠翔は前回大会3試合で先発。この大会でも初戦の重圧を背負ってマウンドに立った。3回裏、安打と四球で一死二塁一塁になったところで2番手藤田蒼海に継投。藤田は二死を取るも次打者に死球で満塁。次打者にも死球押し出しで1点を献上した。4回表、山学高は一死から梅村団主将が左前打で出塁すると、続く6番平野の遊ゴロを相手のフィルダーチョイスで一死二塁一塁とした。二死後、8番鳴海柚莱が適時二塁打で逆転に成功。2-1とした。5回裏、天理は得点のチャンスを掴んだが、萬場翔太遊撃手の超美技や内野の堅守で無得点に抑えられ、直後の6回表、天理は二死二塁から2番手に継投するが4連続四球で押し出しで2点を追加4-1とした。継投した藤田は1点を失ってから安定し、打線は9回表にも、打線がつながり1点を重ね5-1。9回裏、途中から継投した坂東慶寿は、一死満塁のピンチを迎えるも、後続を抑えた。24日の2回戦、西日本短大付(福岡)と対戦する。
■約1,000人の山梨学院応援団、一塁側アルプススタンドに勢揃いー
3月20日午前10時、生徒会、応援団、吹奏楽部、チアリーダー部、出場登録選手以外の野球部員、一般生徒、教職員らが深夜バスで8時間かけて甲子園に到着。第2試合開始前には一塁アルプススタンドに野球部保護者会やPTA、OB、山梨学院を応援する一般客も合流。約1,000人が試合開始を待った。
■試合開始前、出場選手に向けて応援のメッセージを聞いたー
❖ 大石光泰野球部保護者会長は「せっかく掴んだ選抜チケットですので出場には感謝ですけど、勝たないと山梨学院ではありませんので、昨年も一昨年もいい成績を残しているのでそれに近づけるようにまずは初戦を全力で応援したいと思います。
❖小林理美生徒会長(3年)は「生徒会は昨年の応援よりもさらに声を出して一丸となった応援ができるように今日までその準備してきました。具体的には選手の名前などを上げるプラカードのタイミングが遅くなりがちだったんですけど、タイミングを早くして名前を言う前に挙げれば生徒の一体感が生まれるので頑張ろうと思います。天理高校は同レベルの高校と聞いているので、山梨学院らしくどのような状況であっても笑顔で頑張ってほしいです。選手自身が満足できるようなプレーを見たいです」。
❖平塚みなみ吹奏楽部部長(3年クラリネット)は「3回目の応援ですけど、自分たちの仲間が近くで見られるので、すごく頑張ってほしい欲しいですし、私たちももっと力を込めて、応援しようと思います。山梨学院と言えばビッグウェーブ。私たちの応援が少しでも選手の力になって、選手たちの頑張る源になってほしいです」。
❖赤尾ゆめりチアリーダー部部長(3年)は「今回は私も最高学年で私たちも野球部の皆さんにエールになるような応援をしたいと思います。いままでたくさんきつい練習とかも乗り越えて頑張ってきた皆さんなので自信を持って今日プレーしてほしいです」。
❖遠山侑那応援団長(3年)は「去年よりレベルアップした応援ができるように野球部の勝利を後押しできるように応援を頑張りたいです。去年は自分一人だったんですけど、後輩が入ってくれ、二人でやるということは大きく変わった点で二人で合わせの練習だったり、振り付けをもう1回確認したり声出しの練習をしてきたのでそれが発揮できたらと思います」。
❖応援団として初めての甲子園に藤巻好加副団長(2年)は「壮観というか野球の聖地と言いますか、ここに立っただけでもうハラハラ、ドキドキですけどこの会場の雰囲気にのまれないように私たちの応援ができたらなと思います。選手には練習の100%を出し切ってくれたらうれしいな思うので私たちもそれを支えられるように応援していきたいと思います。
❖野球部応援団長の山口桔平投手(3年)は=アルプススタンド立って「初戦を勝つことが一番大事だと思うので、この初戦を皆で応援して選手たちにどう活気づけられるかが鍵だと思っているので、自分たちの応援で選手たちを後押しできるようしたいなと思います」。自身の思いは「出場は出来なく、やはり悔しい気持ちもあるんですけど、今日は応援としてみんなを後押しできるよう頑張ります」と清々しい顔でグラウンドに目をやった。
■1回戦は3年ぶり27年ぶり出場古豪の天理高ー
2022年夏の甲子園で天理高と1回戦で対戦。1-2で敗れた経験を持つ山梨学院の先発は左腕津島悠翔投手(3年)。前回大会でも3試合先発し、ベスト8に貢献した。直球のスピードはないものの、カーブ、スライダーの変化球をコーナーに投げ分ける投球が持ち味。
津島はこの大会でも初戦の重圧を背負ってマウンドに立った。1回裏、津島は先頭を四球で出すと二死後、走者二塁一塁に次打者の外野に抜ける強烈な打球を遊撃手・萬場翔太(3年)の超美技で救われ先制点を阻止し。その後の流れに大きく影響を与えた。しかし、3回裏、安打と四球でピンチを迎えたところで藤田蒼海(2年)に継投。藤田は二死を取ったところで次打者に死球を与え満塁になった。さらに次打者にも連続死球を与え押し出しで1点を献上した。直後の4回、山学高は一死から5番、梅村団主将(3年)が左前打で出塁すると、続く6番平野天斗(3年)の遊ゴロを相手選手がフィルダーチョイスで一死二塁・一塁とした。二死後、二死三塁二塁でこの試合、山学高初安打を打った8番鳴海柚莱(3年)が左中間を破る二塁打で逆転に成功。2-1とした。5回裏、天理は先頭打者が1回裏と同じような打球を打つが遊撃手・萬場がここでも超美技を披露。次打者の安打と続く併殺打で得点のチャンスを許さなかった。
■山梨学院大学青山学長も応援に駆け付けるー
❖家族で初戦を見るため、駆け付けた青山貴子山梨学院大学長は前半の逆転劇を見て、「臨場感をすごく感じます。生徒たちの応援もすごく息が揃っていて、この声に抑えていい展開ができていると思います」。甲子園での観戦は初めて「やっぱり唯一無二ですよね。生徒たちの一体感。雰囲気が、プレーヤーだけではなくて勢いを感じます」。選手のプレーは「落ち着いています。先に先制点を取られましたけど、しっかり逆転してこのまま流れを作って、もう少し追加点で安定的に1回戦を確実に突破してほしいです」。家族での観戦は、「うちの子も野球をやっているんですけど、みんなの憧れになるような試合をしてもらって、後押しするような応援をしたいと思います」と後半戦にも熱い声援を送っていた。
■前半逆転したチームに大応援団は熱く声援を投げ続けたー
6回表、山学高は6番平野が一死後、中前打で出すると二死後に天理は2番手を継投に送った。しかし、この継投策が裏目に出た。制球難から4連続四球で押し出し2点を失い4-1。山学高は、優位な展開となった。応援団も勝利のビッグウエーブで大声援。選手を後押しした。山学高の継投した藤田は1点を失ってから安定し、打線は9回表にも、無死二塁一塁から堅実なつなぐ野球で相手を揺さぶった。梅村のスクイズは惜しくは実にならずも、次打者の当たりが出ている6番平野が、この日3本目の安打放ちダメ押しの1点を重ね5-1とすると応援のボルテージは最高点に達した。9回裏途中から、秋季関東大会で1回戦東海大相模戦のタイブレークを見事に抑えた坂東慶寿(3年)が落ち着いた投球を見せ、一死満塁のピンチにも得点を許さず後続を抑えた。アルプススタンドは選手に増して、喜びが溢れた。
これで山学高は3連続1回戦を収め、2回戦は24日に西日本短大付(福岡)と対戦する。
■山梨学院高校VS天理高校 大会3日目第2試合 甲子園球場
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 5 |
天 理 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
■山梨学院高先発打順・守備位置
1. 横山 悠(③ 捕)、2.田村颯丈郎(③ 中)、3.菰田陽生(② 一)、4,萬場翔太(③ 遊) 、
5.梅村 団(③ 三)、6.平野天斗(③ 二)、7.宮川真聖(③ 右)、8.鳴海柚莱(③ 左)、
9.津島悠翔(③ 投) ※〇囲みは新学年
[投手]津島⇒藤田(②)⇒坂東慶寿③→[捕手]横山
津島=投球回:2回1/3 投球数72、被安打4 奪三振1 四球4 失点1
藤田=投球回:6回 投球数107、被安打2 奪三振3 四球3 死球3 失点0
坂東=投球回:2/3 投球数14 被安打1 奪三振0 四死0 失点0
[打撃] 安打9《二塁打:鳴海》 四球8 三振5
文(K.F) カメラ(平川大雪・今村佳正、小池裕太) 2025.3.20