山梨学院広報課

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●「第二十七回酒折連歌賞」問いの片歌記者発表
~問いの片歌5句を発表。答えの片歌を広く募集~
~応募は4月1日より9月30日まで。多くの作品に期待~

酒折連歌賞実行委員会は3月31日、山梨学院広報スタジオで「第二十七回酒折連歌賞」問いの片歌の記者発表を行った。本県発祥の文芸と、全国で認知されている人気の『賞』として報道各社が取材に訪れた。1999年から募集を開始した「酒折連歌賞」は今回で27回を数え、今では幼児から90歳代までの幅広い年代に作品応募があり、前回の応募数は33,645句の応募数と根強いファンを得ている。酒折連歌は「古事記」によると倭建命(日本武尊)が大和への帰途に酒折宮に立ち寄った際、詠んだ片歌に御火焼(かがり火役)の老人が片歌で返した逸話が連歌の起源とされたことから、酒折宮が連歌発祥の地といわれるようになった。「酒折連歌」と名づけているものは、5・7・7の問いの片歌に対して5・7・7の答えの片歌の問答形式になっている二句を指す。「問いの歌記者発表」では廣瀬孝嘉酒折連歌賞実行委員長から酒折連歌賞の概要や今回の問いの片歌、『戦後とは八十回の夏ありしこと』「両腕は翼人類が鳥だったころ」など5句が紹介され、それらの句に対する答えの片歌の応募要項などが説明された。創設から四半世紀経った応募累計は約851,000句に上る。「酒折連歌賞」答えの片歌の応募期間は4月1日より9月30日までとし、山梨学院大学酒折連歌賞事務局は前回以上の応募に期待を寄せる。

酒折連歌賞実行委員会・細萱和寛事務局の司会進行で開始された「酒折連歌問いの片歌記者発表」は、はじめに廣瀬孝嘉酒折連歌賞実行委員長が挨拶。「おかげさまで『酒折連歌賞』も四半世紀を積み重ねて27回目を迎えます。酒折連歌が山梨から全国に発信される文化活動として何とか定着して参りましたのもここにお集りの皆様方をはじめに多くの方々の温かいご理解、ご支援があったから」と取材に集まった報道陣らに謝意を述べた。続いて改めて酒折連歌の発祥について概要を説明。引き続き「酒折連歌」の形式や「酒折連歌賞」創設の目的を「若者たちの感性を掘り起こすこと老若男女を問わず将来楽しみな才能を引き出すこと」を大きな狙いにし、また、応募数の推移では、年代別・性別・都道府県別などの応募状況の中で、特に特徴として他の短詩形文学と際立つのは、応募者の7割を10代が占めたことをグラフで示した。

続いて今回の「問いの片歌」を発表に移った。選考では5人の選考委員が幅広い年齢層が応募できることを考慮し、それぞれ持ち寄った数句に熟考を重ね5句を選出したと説明。

■第二十七回酒折連歌賞の「問いの片歌」5句。

  1. 1. 戦後とは八十回の夏ありしこと
  2. 2. 両腕は翼人類が鳥だったころ
  3. 3. 花びらを散らす風にも名前があって
  4. 4. 語りたい好きな映画やこれからのこと
  5. 5. もの言わず聞かず芝生に大の字になる

※以上の5句を読み上げた。

■各界で活躍する選考委員の紹介―
選考委員長は、歌人・歌誌「りとむ」発行人。短歌界の第一人者で宮中歌会始選者も務め、山梨県立文学館館長の三枝昂之氏。西村和子氏は、25回まで選者を務めた俳人・宇多喜代子さんの後任として、前回から選考委員になった。俳誌「知音」代表、俳人協会副会長。俳誌「郭公」主宰する俳人・井上康明氏は俳句界のホープと評され、飯田蛇笏・龍太、廣瀬直人の流れを引継ぐ。歌人でフーコー短歌賞大賞受賞。コピーライターとしても活躍するもりまりこ氏。2001年から酒折連歌賞ホームページ「もりまりこのうたたね日記」も担当する。また、平成生まれで大学在学中に角川短歌賞を受賞した新進気鋭の歌人・大森静佳氏は、現在、「塔」短歌会編集委員。25回まで選考員を担当した歌人・今野寿美さんに代わり、前回の26回から選考委員を勤める。

■応募規定
応募は上記の問いの片歌5句すべてに何句でも制限はなく、応募期間は4月1日より9月30日必着。結果発表は、2026年(令和8年)2月1日に酒折連歌賞ホームページで公表する。表彰は、一般部門は大賞・文部科学大臣賞1句、山梨県知事賞1句、山梨県教育委員会教育長賞1句、甲府市長賞1句、特選10句、優秀賞12句、優良賞54句。将来楽しみな才能を見出すことを目的に、小・中・高校生の作品を対象にしたアルテア部門は、大賞・文部科学大臣賞1句、特選19句が選出される。両部門の大賞者には併せて後援団体各賞(山梨日日新聞社賞、読売新聞社賞、朝日新聞社賞、産経新聞社賞、毎日新聞社賞、山梨新報社賞、山梨放送賞、テレビ山梨賞)が贈られ、さらに第十八回からは「大賞杯」を贈り、受賞者の名前を刻印して長くその栄誉を讃える。
最後に廣瀬孝嘉実行委員長は(抜粋)「酒折連歌は問えば答えが返ってくるという呼応の形式です。そこが貴重だと思います。表現、表記上の規則もなく、自由に読むことができます。五・七・七、五・七・七の二人唱和、問答形式の『酒折連歌』は、世界に一つしかない独自の文芸様式です。折々の作品づくりが皆さんの楽しみの一つになればと願っています。年齢性別などに関係なく、用意された問いと答えで一つの作品を創り上げることが『酒折連歌』の面白いところです。そして、一つの片歌から、十人いれば十人、それぞれ違った片歌が生まれることも『酒折連歌』の大きな魅力になっています。多くの方々からの個性あふれる作品をお待ちしております。本県発祥の貴重な文化として『酒折連歌』の裾野をさらに広げて行きたいと願っています」と酒折連歌の面白さ、魅力を述べた。発表後、報道各社との質疑応答や取材が行われた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.3.31