酒折連歌賞実行委員会(川手千興委員長)は1月31日、第十一回酒折連歌賞の大賞・佳作・アルテア賞最優秀賞・入選・奨励賞などの100選を発表した。大賞(文部科学大臣賞)は、地元甲府市在住の主婦佐藤八重子さん(83歳)の作品「もうおそいいやおそくない八十三歳」に贈られた。山梨県内居住者の大賞受賞は大会11年目にして初、合わせて最高齢の大賞受賞者となった。今野寿美選考委員は「一瞬ひるみながら、すぐに言葉を継いでそのためらいを確信的に打ち消す。転換の鮮やかさと堂々たる押し出しが、今回は断然引き立っていました」と選評した。今年度の大会応募句数は37,560句、第十回記念大会として問いの片歌を5句に増やし実施された過去最高の昨年(52,703句)を下回ったものの、通常の4句で実施された1昨年の34,652句を大幅に上回る応募句が寄せられた。インドネシアのジャカルタ日本人学校に通う佐々木浩志君(11歳)の作品が、外国で学ぶ日本人学校生徒として初の100選(アルテア賞)に選ばれるなど、海外からも数多くの句が寄せられた。
大賞(文部科学大臣賞)
(問いの片歌2、近道を知っているからこそ走り出す)
もうおそいいやおそくない八十三歳
佐藤八重子(山梨県甲府市)
佳作
(問いの片歌2、近道を知っているからこそ走り出す)
跳びこえた小川も空と同じ夕焼け
遠山久美子(山梨県富士吉田市)
佳作
(問いの片歌3、目を閉じてあの夏の日のひかりを歩む)
メルカトル図法と恋を知った教室
大和田百合子(千葉県印旛村)
佳作
(問いの片歌4、ふるさとに集まっている山を数えて)
閉校の朝礼台に爪立つ素足
藤倉 清光(岩手県盛岡市)
アルテア賞最優秀
(問いの片歌1、海のうえ鏡のように月がうつって)
ぼくはまだ潜り続ける記憶の海を
石川 直樹(早稲田大学高等学院)
100選の詳細及び選評は酒折連歌賞HP |