VOL386 2005.1.12号
山梨学院大学法学部政治行政学科日高昭夫ゼミ
学生の犯罪被害と防犯行動の意識実態調査公開 
〜被害者7割強が泣き寝入り 防止策急務と警鐘〜
 

山梨学院大学法学部政治行政学科日高昭夫ゼミ(3年生ゼミ 功宏幸ゼミ長)は1月12日、同大キャンパスセンターのミニシアターで、地域の安全大作戦 〜学生の学生による学生のための防犯システムの改革〜の公開研究発表会を行った。
この調査研究プロジェクトは、2004年度春季山梨学院学生チャレンジ制度の認定を受けて平成16年4月から、多発する犯罪に対する自己防衛意識を学生自身に持ってもらい、身近な犯罪を未然に防ぐことに主眼を置いてスター。10月には山梨学院大学、山梨英和大学、山梨学院短期大学の学生278人を対象に、犯罪被害と防犯行動の意識実態調査『学生防犯意識アンケート』などを実施した。
同メンバーは研究発表で、本人または友人が体験した被害のワースト6は、自転車盗(141件)、バイク盗(38件)、露出狂等の変態行為(36件)、車上荒らし(26件)、詐欺・悪徳商法(25件)、痴漢(24件)で、この被害者が警察に届け出た割合は、わずか3割弱に過ぎないと明らかにした。さらに、被害にあった多くの学生は「ケイタイ(メール)しながら歩く(自転車に乗る)」などの犯罪誘発行動が共通している点と指摘。犯罪はもはや他人事ではなく実際に私たちにも及ぶ危険性を十分に含んでいるということが、今回の調査データで裏付けられたと報告した。
こうした学生の犯罪の防止策について、1.情報的側面として、1)犯罪予防・情報掲示板の設置、2)携帯電話での情報提供、3)情報箱の設置など。2.行動的側面として、1)自転車盗難の抑止を促す看板を設置、駐輪場の必然的整備、2)独自の防犯ステッカーの配布。3.残された課題として、1)地域住民との連携、2)安全安心のまちづくりのための、警察と行政との連携の必要性などが、提言された。
日高昭夫指導教授は「刑法犯認知件数は、平成6年の8533件から平成15年の14130件へと約1.7倍に増えている。しかし、今回の学生調査『学生防犯意識アンケート』により、被害学生の7割強は警察に届けていないという実態が浮き彫りとなった。また、この調査結果は、学生の犯罪誘発行動の自粛や地域住民との連携などで多発する犯罪への防止策が急務だと警鐘を鳴らしており貴重な報告」と評価した。
この3月末には、今回の公開研究発表会をも包括した「地域の安全大作戦報告書」(仮称)が作成される。

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日高研究室HP