山梨学院大学健康栄養学部で、健康栄養学部3年生が1年間研究して来た地域農畜産物を活用した加工食品と給食メニューの研究発表が行われた。8グループがそれぞれの研究報告を行い、開発メニューの試食会が行われた。山学大健康栄養学部は、管理栄養士を養成する学部として3年前に設置された新学部で、3年目を向かえた1期生が専門教育科目「地域の食と栄養活動実習1」授業でグループ研究に取り組んだ。最初に1班から8班までの8グループが研究内容についてパワーポイントを使って発表を行い、教室を移して試食会が行われた。各班が開発した加工食品と給食メニューが試食され、それぞれについて評価が行われた。この授業は、山学大と県との連携事業の一環として取り組まれ、学生た ちは前期で外部講師から甲斐サーモンや地鶏などの県特産品の知識を学び、後期の実習で献立の提案に取り組み、研究成果を発表した。
発表会は2月7日に51号館205教室で行われた。1グループ5〜6人の1班から8班の各グループが、研究成果と考案した献立について、パワーポイントを使い説明を行った。各班は食材の下処理、味付け、真空包装、チルド保存などの製造・保存方法についてと、一人分の栄養価について詳しく報告した。食材に使われたのは、養殖組合や生産組合などから提供された山梨の特産品。3年以上飼育で肉食がピンク色になった大型ニジマス「甲斐サーモン」や、「甲州地鶏」、「長芋」、「ぶどう」など。少ない班は5種類、多い班は10種類の献立を考案した。それぞれの献立の狙いや栄養素などについて、各班の代表2〜3人が交代で説明を行い、評価を受けた。発表会の後、会場を45号館103教 室に移して試食会が行なわれた。参加した県観光部土屋重文主幹は「学生さんらしい、色々なバリエーションのアイデアが出てきて関心ました。特産品を料理・加工して頂けると、それだけ販路が拡大しますので、生産者にとってもありがたいことです。是非、こうした取り組みを続けて頂きたい」と感想を述べた。学生の一人5班の日向誠さんは「甲斐サーモンのミルフィーユや長芋の日本茶ジャム、県産鶏肉の炊き込みご飯などを作りました。知らないことが多かったのですが、皆で協力して作り上げるとても楽しい授業でした。自分は調理が好きなので、将来は調理も出来る管理栄養士を目指して頑張って行きたい」と夢を語った。指導教員の健康栄養学部仲尾玲子准教授は「前期に山梨県の関係機関の方々に講師になって頂き[やまなしの食]という授業を行い、後期にまず加工食品を作り、その後、その加工食品を利用し、栄養バランスの取れたおいしい給食を作るというコンセプトで献立を立て調理に取り組みました。各班とも独自の内容を盛り込めたプレゼンテーションが出来たと思います。試食会にたくさんの方々に来て頂けましたが、これだけの品数を揃えるのは、本当は大変なんですけれども、何度も練習して、午前中の時間だけで作り上げたという状況です。学生自身が非常に頑張って熱心に取り組みましたので、成果が上がって来ているのかなと思います。この力を就職にも活かして頂いて、商品開発や給食関係の仕事に携わ って新しい時代の管理栄養士として活躍してほしい」と就活真っ最中の第1期生を励ました。
文(M.I) カメラ(平川大雪)
「研究発表アルバム」
参照「やまなしの食講義」