
甲府市中道地区特産のとうもろこし「きみひめ」を使ったオリジナルレシピ・コンテストで最優秀賞を獲得した山梨学院短大生考案の作品が、試作を重ねてこのほど商品化された。考案したのは短大食物栄養科フードクリエイトコース2年だった五味亜理沙さん、販売を始めたのは甲府市国母7丁目にあるあんこ工房「いつみ庵」。商品名「とうもろこし大福きみひめ」として3月上旬から店頭に並べられている。甲府市中道地区で栽培される特産の「きみひめ」は、東京・築地市場の青果バイヤーが「昼と夜の温度差が著しい甲府盆地の気候が産み出した奇跡の糖度をもつ至高のトウモロコシ」と絶賛する糖度19度のとうもろこし。生でも茹でても焼いても美味しいが、収穫期以外でも食べることが出来る加 工品を育てようと、昨年6月にオリジナルレシピ・コンテストが実施された。商品化されたのはこのコンテストで最優秀賞に輝いた優勝作品。とうもろこしの豊潤な感じが口の中いっぱいに広がる上品な味と、早くも評判を呼んでいる。
一般的な知名度はまだ低いが、甘くて非常においしい「きみひめ」の認知度を高めようと、昨年6月に風土記の丘倶楽部協議会の前身であるNPO法人こうふくらぶの主催で「きみひめオリジナルレシピ・コンテスト」が実施された。一般公募で行われ甲府市民から35点の応募があり、書類審査で山梨学院短大生の5作品が優秀作品に選ばれた。甲府市総合市民会館料理実習室で実際に調理する最終料理審査が行われた結果、最優秀賞にフードクリエイトコース2年の五味亜理沙さん考案の作品が選ばれた。
五味さんが考案したレシピをもとに商品化されたのが[とうもろこし大福きみひめ]。きみひめのペーストを餡に練りこんだ大福で、甲府市国母7丁目(甲府バイパス立体交差東側の国母通り沿い)のあんこ工房「いつみ庵」で工場直営オリジナル商品として販売されている。山梨学院短大生が考案した県産品活用レシピが商品化されたケースは、これまでにも身延竹炭企業組合と連携した「竹炭パウダー」や山梨学院・山梨中央銀行連携の地場産業育成事業で考案された「桃餡スイーツ」などがあるが、いずれも単発的な商品、今回のように専門店のレギュラー商品として店頭に並ぶのは初めてのケース。いつみ庵を経営する「いつみ家」の商品開発担当者は「きみひめそのものに甘さがあるので砂糖の量を抑え、皮の厚さと中身のバランスに気を配って試作を重ね、食べやすいよう小ぶりな大きさにしました。まだ、販売開始から間もないのに、早くもリピーターになってくださる方がいて、大きな手応えを感じています」と話している。お店に招かれて試食したレシピ考案者の
五味亜理沙さんは「自分が考えたものが商品として世に出ることになりうれしく思います。最初の試作品よりやさしい味わいになっていて口当たりが良く、たくさんの方に食べて頂けたらうれしい」と話す。五味さんは3月15日に卒業し、東京・目黒区の和菓子製造・販売会社「HIGASHIYA」に就職、すでに働き始めている。増穂商業高時代は、チームの主力選手として県内3冠、春高バレー2年連続ベスト16を獲得した元バレーボール選手。「次は、自分の手で、自分の商品を世に出せるよう、和菓子職人にアタックして、No1になれるよう努力を重ねたい。しっかり修行して、将来は山梨に帰ってお店を持ちたい」と夢に向かって歩き始めた。山梨学院短大では、山梨県との連携を始 め、県内企業や地域団体との連携に積極的に取り組んでおり、今回の商品化は活動成果の一つの表れと評価している。
文(M.T) 写真提供 山梨学院短大
とうもろこし大福きみひめアルバムはこちら
「きみひめ」コンテストアルバムはこちら