第86回選抜高校野球大会(3月21日から12日間)の出場校を決める選考委員会が1月24日、大阪市内で開かれ参加32校が決まった。昨秋の関東大会でベスト4に入った山梨学院高校にも吉報が届いた。大会本部からの電話が鳴ったのは、午後3時16分、大学学長室で電話を受けた古屋忠彦校長は「謹んで、お受け致します」と答え、急いで高校に移動、高校玄関前に整列して待ちに待っていた部員たちに出場決定を伝えた。校舎の壁に「祝・センバツ出場」の懸垂幕が下ろされ、選手たちは菊池海斗主将を胴上げ、カメラの放列に向けて何度もガッツポーズ、学校中が喜びに包まれた。山梨県勢としては、平成19年に21世紀枠で出場した都留高以来7年ぶり、山梨学院高としては、五島裕二投手(元オリックス)を擁して初出場した平成6年の第66回大会以来、実に20年ぶり2度目のセンバツ出場が決まった。夏の大会には5度出場しており、春夏通算7度目の甲子園出場となる。
山梨学院高校野球部は、昨年4月に山梨学院大学野球部OBで長崎清峰高校をセンバツ優勝校に導いた吉田洸二監督が就任、昨秋の関東大会に山梨1位で出場し1回戦の日大高(神奈川2位)戦は5-2の快勝、準々決勝の健大高崎高(群馬1位)戦は4-3の逆転勝ち、準決勝で優勝した白鴎大足利高(栃木2位)に1-3で惜敗した。山梨県勢としては9年ぶりのベスト4入りを果たしセンバツ出場が有力視されていた。
「参考資料関東大会準決勝戦」
高校玄関前に整列して待っていた部員たちに出場決定を伝えた古屋忠彦校長は「20年ぶり2回目の出場です。ふるさとの代表として期待を寄せてくれる山梨県民の方々と、全国に散った君たちの先輩が多くの期待を寄せてくれると思います。プレッシャーを一種の張り合いにし、力の源泉に変えて頑張ってもらいたい」と激励した。校舎の壁に主催者の毎日新聞社から寄贈された「祝 センバツ出場」の懸垂幕と、生徒が手作りで書き上げた「祝 甲子園おめでとう」の垂れ幕が下ろされ、選手は胴上げとガッツポーズ、たくさんの生徒が中庭に集まり、学園中が喜びに包まれた。記者会見で吉田洸二監督は「生徒たちの憧れであり夢の舞台である甲子園が決まり、その場に立ち会えて嬉しく思います。これから3月21日の開幕に向けて、自分たちの力が一番出せることを良く考えてチームを作って行きたい」と語った。菊池海斗主将は「小さい時からの夢であった甲子園に出場できる喜びを選手全員で感じて、一試合でも多く試合が出来るように頑張って来たい」と挨拶した。チームを支える2人のマネージャー(写真左秋田冬美さん右矢崎朱里さん)は「選手が楽しみにしていたあこがれの場所なので、マネージャーとしてもとてもうれしい。選手を全力でサポートして行きたい」と夢を膨らませている。
出場32校を決める選考委員会は、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で行われた。最初に21世紀枠の3校が選出され、続いて一般選考の29校が決まった。21世紀枠には、小山台(東京)・海南(和歌山)・大島(鹿児島)の3校が選ばれた。関東・東京地区からは確実視されていた関東大会優勝の白鴎大足利高(栃木)、準優勝の桐生第一(群馬)、ベスト4の山梨学院高と佐野日大(栃木)、東京大会優勝の関東第一に加えて、横浜高(神奈川)が選出された。この他、夏1回春2回の優勝経験がある池田高(四国・徳島)が27年ぶりの出場、センバツを2度制した沖縄尚学高は3季連続出場、駒大苫小牧高はヤンキーズ入りする田中将大投手以来9年ぶり、豊川高(東海・愛知)、広島新庄高(中国・広島)、美里工高(九州・沖縄)、小山台高、大島高は春夏通じて初出場となる。球春を告げるセンバツ甲子園は3月21日から12日間の日程で開催される。
文(M.Ⅰ) カメラ(平川大雪) 2014.1.24
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