山梨学院大学考古学研究会は9月13日から19日にかけて、これまで学術的調査が行われてこなかった甲府市酒折の酒折御室山(月見山)中腹に眠る不老園塚古墳(酒折古墳とも呼ばれる)で発掘調査を行った。現地は酒折宮の古社があった場所、古代の日本武尊東征伝説で火焚きの翁と問答を交わしたとされる連歌発祥の地。伝説に彩られた標高312mの尾根に眠る人物はいったい誰なのか、いつの時代に作られたものなのか、剥き出しの石室が風雨にさらされてきた謎の古墳に初めて学術調査のメスが入った。発掘調査は、床面に流入した土壌を剥いで礫床を露出させ、遺物が存在するか確認するとともに、古墳周りを実測して墳丘の全体像を浮き彫りにした。調査の結果、古墳時代の土師器(はじき)と見られる土器片などが出土、この古墳は古墳時代後期7世紀頃に作られた無袖の横穴式石室を持つ円墳、甲府北山筋の氏族長クラスの墳墓と推定された。
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