第46回 木犀の会開催
山学短大で異文化音楽コンサート
建学の精神を学ぶ芸術鑑賞会


山梨学院短期大学で10月3日、山梨学院創立者故古屋眞一初代学院長、故古屋喜代子初代学長の建学精神を学ぶ「木犀の会」(もくせいのかい)が開催された。会の名称は、古屋喜代子初代学長の忌日4日が、木犀の香りがただよう頃であったことと、謙虚で温かい人柄を偲ばせる花であることから名づけられた。「学生が自らの道を切り開くには“真・善・美”にあこがれを持つことが大切」という初代学長の教えからこの日を芸術鑑賞の日と定め、亡くなられた翌年の1980年から毎年開催され、今年度で46回目となる。今年はピアニストの虫明知彦さん、ブラジル出身の尺八奏者渕上ラファエル広志さん、モンゴル出身の馬頭琴奏者賽音吉雅(セーンジャー)さんの3人によるセッションが行われた。国も楽器も異なる3人の一流奏者が織りなす不思議な調べに、会場のメモリアルホールを埋めた短大生全員が魅了された。
第1部は、羽畑祐吾短期大学長が木犀の会の由来について講和を行い、終戦の翌年に誕生した学園の歴史と建学の精神について説明を行い、「本学に学ぶ学生諸君が、智と情と勇気をそなえ、社会に貢献する人間に成長することを強く望みます。これをより分かりやすく表現したのが“かしこく”“やさしく”“つよく”という言葉です。この学び舎で学んだ多くの諸先輩方に伝えられてきました、実践を貴んで、社会に貢献していかれることを心から願っています」と語りかけた。
第2部のコンサートは、東京音大大学院博士後期課程在籍のピアニスト虫明知彦さん、ブラジル出身で東京音大講師の尺八奏者渕上ラファエル広志さん、モンゴル出身で東京富士大准教授の馬頭琴奏者賽音吉雅(セーンジャー)さんの3人で結成しているTrio Brisa(トリオ・ブリーザ)による三つの楽器の音色を融合させた異文化音楽対話コンサートが行われ、トリオが織りなす見事なアンサンブルに観衆の学生たちは耳を傾けて聞き入っていた。コンサート後、食物栄養科2年の佐々木鈴華さんは「違う国の3つの楽器が合わさり、人々を感動させる演奏に感動しました」と語り、保育科2年の一瀬愛さんは「学園の歴史を知り、これからの人生、かしこく、やさしく、つよく、生きて行こうと、改めて思いました」と語っていた。
山梨学院短期大学がある45号館南側の川沿いには、合わせて12本の金木犀と銀木犀が静かにたたずんでいる。猛暑だった影響か花芽はまだ蕾、開花は例年より一週間ほど遅れそうだが、秋は足早に進んでいる。間もなく金木犀の周辺に芳香が放たれる見込み。
文(M.I)・カメラ(平川大雪) 2025.10.3