山梨学院大学ニュースファイル

第98回選抜高校野球大会 山梨学院、初戦を突破

Vol.3589 | 2026年3月22日

チーム一丸、3年ぶりの頂点目指す
菰田先制弾。2年生・渡部好投6回1失点

 球春到来─。第98回選抜高校野球大会第4日は3月22日、兵庫県西宮市の甲子園球場で1回戦3試合が行われ、5年連続出場の山梨学院は長崎日大と対戦、5対3で勝利して初戦を突破した。
 山梨学院は一回、菰田陽生主将(3年)のソロ本塁打で先制すると打者一巡の猛攻で5点を挙げ試合の主導権を握った。守っては先発の2年生左腕・渡部瑛太が6回を1失点と好投、竹下翔太(3年)、木田倫大朗(3年)の継投で長崎日大の反撃を3点に抑え逃げ切った。
 2回戦は大会第8日の第1試合(3月26日午前9時)で大垣日大(岐阜)と対戦する。

菰田が先制アーチ。初回一挙5点、主導権を握る

【一回の猛攻】
 先攻は山梨学院。一回表1死、2番・菰田陽生主将が初球のカーブを強振、打球は曇り空を突きみるみるうちにレフトスタンドに吸い込まれた。球場全体がどよめく目の覚める一発だった。
 続く3番・金子舜(2年)が四球を選ぶと、4番・杉村空飛(3年)がライト線へ二塁打を放ち1死二、三塁と追加点のチャンス。この機に5番・藤田蒼海(3年)の二塁ゴロが相手守備のフィルダースチョイスを誘い2点目を挙げ、1死一、三塁とした。
 今大会から採用されたDH(指名打者)の6番・菅原歩夢(3年)はバスター(バントの構え)から高めのボール球をレフト前に運び3点目が入った。
 さらに1死一、二塁と続くチャンスに7番・住友輝人(2年)がカーブを捉えてライトへタイムリーヒットを放ち4点目。
 なおも1死二、三塁で8番・光永惺音(2年)がスクイズバントを決めて初回に一挙5点を奪った。菰田の先制本塁打で口火を切った打者一巡の猛攻だった。
 しかし、その後長崎日大のエース・古賀友樹が立ち直ると山梨学院は苦戦、追加点を奪うことはできなかった。

渡部、緩急織り交ぜ長崎日大打線を翻弄

【投手陣】
 山梨学院の先発は昨年夏の選手権大会と秋の関東大会でチームをけん引した檜垣瑠輝斗(3年)でも菰田陽生でもなく、マウンドには2年生になったばかりの渡部瑛太が立った。
 渡部は立ち上がりこそ安定しなかったものの、その後は130キロ台のストレート、緩急をつけたカーブ、スライダーを織り交ぜ6回0/3を被安打3、奪三振5、失点1(自責点0)と好投した。初めての甲子園のマウンドを楽しむかのようなピッチングを披露、長崎日大打線に的を絞らせなかった。
 吉田洸二監督の「今のうちの投手陣の中で状態が一番良いので」という期待に応えた87球の力投だった。

菰田がランナーと交錯。左手首を負傷しベンチに

【アクシデント】
 五回2死一塁での守備。一塁手の菰田が三塁からのそれた送球を捕球しようとしてバッターランナーと交錯した。左手のファーストミットが大きく弾き飛ばされたほどの強い接触。菰田はしばらく立ち上がれなかった。治療後、一度は守備に戻ったが、六回からベンチに退いた。試合後のインタビューで菰田は「守るだけでも痛いので代わってもらいました」と明かした。その後の発表で左手首の付近の骨折が判明した。3年ぶりに優勝を狙う山梨学院、思わぬアクシデントに見舞われた。

木田、圧巻のリリーフ。全員野球で2回戦へ

 【全員野球】
 好投を続けた渡部に代わり2番手の右腕・竹下翔太は苦しみながらも2死までアウトカウントを増やし、リリーフにつなげた。
 終盤を託された木田倫大朗は2点差に詰め寄られた七回2死一、二塁のピンチで登板、相手打者をレフトフライに打ち取った。八回は三者連続三振と圧巻のピッチング内容。長崎日大に傾きかけた流れをくい止めた。結局、この日は2回1/3を無安打無失点と長崎日大打線を完全に封じた。
 また、九回裏の守備ではショートの住友輝人がビッグプレーを見せた。ショートの頭上を越えていく飛球を後方へダイビングキャッチ、先頭打者を打ち取り勝利を呼び寄せた。
 負傷して退いた菰田主将の分を全員野球でカバー、初戦を突破した。

試合結果

山梨学院高先発打順・守備位置  ※数字の前の〇は主将

 1.(中)石井陽昇③、〇2.(一)菰田陽生③、3.(左)金子舜②、4.(右)杉村空飛③、
 5.(三)藤田蒼海③、6.(DH)菅原歩夢③、7.(遊)住友輝人②、8.(捕)光永惺音②、
 9.(二)島田達矢③ 

 [投手]渡部②⇒竹下③⇒木田③ [捕手]光永
  渡部=投球回6回 0/3 打者数23 投球数87 被安打3 奪三振5 与四球1 失点1
  竹下=投球回   2/3 打者数6  投球数21 被安打4 奪三振0 与四球0 失点2
  木田=投球回2回 1/3 打者数7  投球数31 被安打0 奪三振4 与四球0 失点0

[打撃]安打9 《長打=本塁打:菰田、二塁打:杉村》 四球2 死球1 三振10

菰田選手の先制ホームランで勢いづきました

【吉田洸二監督の話】
 いつもは後攻を選びますが、長崎日大の古賀投手が素晴らしいので調子が出る前に攻めようと、今日は先攻を選びました。そこに菰田選手のホームランが出て勢いづきました。追加点が欲しかったのですが、古賀投手が本来の力を取り戻し得点できませんでした。
 勝てたことはうれしいが、菰田は投手としても起用する予定だったので怪我が心配です。どんな状況でもベストを尽くして2回戦も頑張ります。

「主将を欠いても勝ち残るところが山梨学院らしい」吉田正校長

【応援】 
 この日の第1、第2試合はともに延長戦となり、第3試合の山梨学院の開始時刻は午後2時の予定が1時間半近く遅れた。甲府を朝7時に出発した応援団は在校生、教師ら学校関係者、父兄ら1000人を超える大応援団。曇天で風も冷たく感じる中、試合開始前からアルプス席は熱く盛り上がっていた。試合開始早々、菰田主将の先制ソロホームランが飛び出すと「おー」という驚きが大きな歓声に変わり熱気は早くも最高潮に。
 吉田正校長は試合前に「いつも練習でやっていることを、いつも通りにやって力を出し切ってほしい」と平常心を強調。試合後は「菰田君の初球ホームランはすごかった。その菰田君の怪我の程度が心配です。主将を欠いても勝ち残ったところに本校らしさがよく出ていました」とチームをねぎらった。
 生徒会長の飯沼春薫さんは「菰田主将の先制ホームランを皮切りに一気に5点を挙げた展開は鳥肌が立ちました。菰田主将の欠場後も一丸となって闘う姿勢に感動しました。チームがどんな状況でも、次も私たちは全校一丸となって応援します」と在校生の思いを語った。

(文 古屋賢二)(カメラ 平川大雪) 2026.3.22