山梨学院大学ニュースファイル

第98回選抜高校野球大会 山梨学院、ベスト8進出

Vol.3590 | 2026年3月26日

渡部8回1/3を1失点。つなぐ打線が7回に逆転
菰田主将の負傷欠場を全員野球で跳ね返す

第98回選抜高校野球大会第8日は3月26日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦4試合が行われ、山梨学院は大垣日大(岐阜)と対戦、3対1と逆転で破り2年ぶりにベスト8に進出した。
 山梨学院は22日の初戦で先制本塁打を放った菰田陽生主将(3年)が左手首の骨折のため出場できず、ベンチからのサポートに回った。
試合は初戦で好投した2年生左腕・渡部瑛太が初回にソロ本塁打を浴びたが、その後は立ち直り八回まで危なげない内容。打線は相手投手に五回までヒット2本に抑えられ得点できなかったが、六回に同点に追いつくと七回にはつなぐ打線が本領を発揮、2死満塁のチャンスに石井陽昇(3年)の2点適時打で勝ち越し、木田倫大朗(3年)の好リリーフで逃げ切った。
 準々決勝は大会第9日(3月27日)の第3試合で専大松戸(千葉)と対戦する。

試合に出られなくても、自分に出来ることはたくさんある

【菰田主将がベンチで裏方に】
 22日の初戦で先制本塁打を放ちながら相手走者と交錯して左手首を骨折した菰田陽生主将(3年)はギプスと包帯が痛々しい。この日はベンチでチームのサポートに回った。試合前の練習ではボールボーイ、試合が始まるとベンチから大きな声を掛け続け、五回の守備では伝令役としてマウンドにも向かった。「主将として試合に出られないのは悔しいけれど、プレー以外にも自分にできることはたくさんある」と声で仲間を鼓舞するなどサポート役に徹してチームの勝利に貢献した。

渡部、追加点を許さず1失点の好投

【渡部瑛太が再び好投】 
この日の先発は初戦で好投した2年生左腕・渡部瑛太。初回2死から右翼にソロ本塁打を浴び1点を献上した。しかし、その後は打たせて取るピッチングに徹し凡打の山を築いた。五回、四球を連続で与え1死一、二塁となったが、菰田主将が伝令役としてマウンドに向かった。渡部は落ち着きを取り戻し、後続を内野フライに打ち取り、追加点を許さなかった。この日は九回途中まで1失点、許したヒットはわずか2本と安定した内容だった。

6回に追い付き、7回ついに試合をひっくり返す

【つなぐ全員野球が本領】
 打線は大垣日大の先発左腕・谷之口翔琉(3年)のカーブに苦しみ、五回までヒット2本に抑えられていた。
それでも六回1死三塁から3番金子舜(2年)の適時打で同点に追い付いた。七回、つなぐ野球の山梨学院が本領を発揮。住友輝人(2年)と菅原歩夢(3年)が連続でレフト前ヒット。続く光永惺音(2年)が四球でつなぎ1死満塁とした。後続が倒れ2死満塁となるも1番の石井陽昇(3年)が中前適時打で2点勝ち越し、試合をひっくり返した。ベンチを含むチーム全員、アルプス席で大声を出し続ける野球部員、在校生らの「全校野球」で勝ち取った価値ある2点だった。

安定感抜群、信頼厚い木田が好リリーフ

【木田がピシャリと火消し役】
 初戦の長崎日大戦で終盤の2回1/3を無安打無失点に抑え、相手に傾きかけた流れをくい止めた木田倫大朗(3年)はこの日、九回1死二塁の場面でマウンドに立った。相手の3番打者から三振を奪うと、続く4番を中飛(センターフライ)に打ち取り試合終了。完璧なリリーフを果たした。
吉田洸二監督は「あのまま最後まで渡部で良いかとも思いましたが、私たちが信頼する最上級生の木田に任せました」と明かした。
 負傷欠場の菰田主将の分を全員野球で打って守り、勝利をつかんだ意義ある一勝だった。

試合結果

山梨学院高先発打順・守備位置   ※〇内数字は学年

 1.(中)石井陽昇③、2.(右)杉村空飛③ 、3.(左)金子舜②、4.(三)藤田蒼海③ 、
 5.(DH)古川颯太郎②、6 .(遊)住友輝人② 、7.(一)菅原歩夢③ 、8.(捕)光永惺音②、
 9.(二)島田達矢③ 

 [投手]渡部②⇒木田③ [捕手]光永
 渡部=投球回8回 1/3 打者数29 投球数119 被安打3 奪三振6 与四死球2 失点1 自責1  
 木田=投球回   2/3 打者数2 投球数8 被安打0 奪三振1 与四死球0 失点0 自責0

 [打撃]安打7 四球3 死球1 三振8

主力欠場も、チームが一丸となってつかんだ勝利

【応援】 
 この日は第1試合の山梨学院。前日の夜11時に甲府を出発した応援団が到着したころには前夜からの雨は上がっていたが、アルプス席は雨水が乾かず濡れていた。生徒会本部が学校から雑巾を持参、一席ずつ丁寧に拭いて試合開始に備えた。
 ただ一人の応援団員で団長の藤巻好加さん(3年)は袴姿で孤軍奮闘。「昨秋までは先輩がいましたが、この春から私だけになりました。一人でもこれまでの練習の成果を発揮して大きな声でエールを届けたい」と力を込めた。
 吉田正校長は試合後「主力選手が出場できなくても、チームが一丸となって勝利をつかもうという気迫が伝わってきました。次戦もチームの固い結束を証明するような戦いをしてほしい」と満足げに話した。
 生徒会長の飯沼春薫さんは「負傷した菰田君もベンチも含めての『全員野球』に私たち全校生徒は大きな勇気と感動をもらいました。素晴らしかったです」と誇らしげに話していた。

(文 古屋賢二)(カメラ 平川大雪) 2026.3.26