山学高生が中国大学生「学生芸術団」の文化芸能を鑑賞
好評の山梨学院大学孔子学院 中国文化講座
同世代学生のパフォーマンスを堪能

山梨学院高校で毎年1回、山梨学院大学孔子学院が開催する中国文化講座が5月12日、同校体育館で蘭州大学学生芸術団による中国の舞踊、歌唱、器楽、武術などの伝統芸能の公演が行われた。山梨学院高では本学が中国孔子学院と教育連携を結んだ2019年の翌年から週2回、中国語授業を取り入れており、また中国文化をより理解するため毎年一度、文化交流イベントとして、「楊琴」、「変面」、「中国武術」など中国を代表する文化を紹介してきた。いずれも生徒たちに好評で、今回の公演も期待が寄せられていた。今回は、中国全国重点総合大学の一つ、3万人の学生数を有する蘭州大学の総勢457人の団員を擁し、学内の文化活動に大きく貢献する学生芸術団の公演。来校した団員19人が織りなすプログラムは、優美な舞踊かつ迫力ある洗練された中国武術、古くからの楽器として知られる二胡の調べ、武術と舞踊のアンサンブル、女性10人全員が舞いながら衣装を変えていく中国民族ダンスと次々に進み、限られた時間でのフィナーレは出演者全員による歌と舞踊に呼応して生徒たちが手拍子を贈り、短い時間ではあったが山学高生と世代の近い団員による交流は、素晴らしいステージとして公演は盛り上がった。
山梨学院大と相互理解による中国文化を伝える山梨学院大孔子学院
中国文化講座は、山梨学院大学孔子学院が山梨学院高校進学コースを対象に、中国文化への理解促進を目的として2020年度から行われてきた文化交流イベント。1回目の「楊琴」、2回目「変面/京劇」、3回目は「中国武術」と続き昨年は、好評だった「変面」の2度目の公演が行われた。主催した山梨学院大学孔子学院は、中国政府が推進する中国文化に対する世界各国と相互理解を目的に、中国の大学と現地の大学等が連携する教育機関であり、山梨学院大とは、2019年に全国15番目(当時)として提携開設し、中国語や中国文化の理解促進のための語学講座や文化講座を広く一般市民に開講してきた。通年講座に加え、毎年「孔子学院の日」には文化交流イベントを開催している。
また、山梨学院高とは2020年4月から進学コースの1年・2年生を対象に週2回の中国語授業を行っている。
山梨学院高中国文化講座は、IT産業や通信事業、その他さまざまな分野などで経済発展し、GDP世界第2位を誇り、世界をリードする大国中国の現在と、悠久の歴史を持つ隣国中国の先進と古の文化の関りを知るため、山梨学院大が中国孔子学院と教育連携をきっかけに、若い世代にグローバルな知識への興味を身につけてほしいと、高校でも中国語の授業と中国文化を学ぶことを取り入れた。特に毎年1度の文化交流イベントは生徒に好評である。
蘭州大学学生芸術団
今回の蘭州大学学生芸術団公演は、東京公演と韓国公演の合間を縫って山梨学院高のために駆け付けてくれたという。芸術団は1988年に設立され、中国伝統舞踊と民族歌謡を特色としている。今回の公演でオープニングを飾る敦煌舞踊「また会いましょう敦煌」は、2021年中国大学芸術公演で1等賞を受賞している。
午後2時50分、2回目の公演が始まる。司会は山梨学院大学孔子学院・細萱和寛事務局長が務めた。開演前に挨拶に立った山梨学院大学孔子学院・熊達雲学院長は「今日来ていただいた蘭州大学生芸術団は、みなさんの年齢より1歳か2歳上の同世代です。(1回目の公演を見て)非常に感動を受けました。余計なことは言いませんが、生徒のみなさんはお兄さん、お姉さん(のパフォーマンス)に期待してください」と述べた。
学生芸術団の公演プログラム
◆最初のプログラムは舞踊「また会いましょう敦煌」(学生芸術団)
11人の踊り子がブルーの更紗風の衣装に頭にティアラをつけて踊る優雅な民族舞踊は、
インド風な振り付けも見られまさに受け継がれてきた東洋的な雰囲気を醸す。
◆次は「武動乾坤」(中国武術)
第19回アジア大会武術競技金メダリストを中心に演舞するスピーディな切れのある身のこなしで空手道のような形を決めていく。力感みなぎる「中国武術」の伝統が迫力に満ちる。
◆次は野生の馬をイメージした二胡のソロ「新賽馬」。野生馬の草原を駆け抜ける力強さを二胡独特の哀愁あるメロディーの中にも、リズム感を持たせた曲感は荒い鼻使いまで感じられる疾走感にあふれる曲。二胡のイメージが変わった。
◆「敦煌舞踊と武術の趣」敦煌舞踊とは敦煌の壁画に描かれた天女の舞がモチーフ。天女の繊細な動きと体幹の強さで優雅さを強調。それに2人の中国武術強者が絡む妖しさとダイナミックさが融合した中国伝統芸能。
◆「美しい中国」中国民族ダンスメドレー。10人の踊り子がグループと衣装、曲調を変えた民族舞踊の数々。中国で受け継がれてきた舞を、情熱を込めて披露した。
◆合唱「歩きながら歌おう」蘭州大学学生芸術団のフィナーレ。団員19人による歌唱と舞によるパフォーマンス。男女4人による歌と15人のバックダンサーが、昭和の歌謡曲の趣を感じさせ、悠久の大地に中国の人たちが連綿と紡いできたのどかさが醸し出されていた。生徒たちは手拍子でリズムを刻み公演を最後まで楽しんでいた。
終演後、団員代表に花束を贈呈した生徒会の飯沼春薫さん(2年)は「中国の伝統芸能のことを知り、この後の中国語の勉強に貴重な鑑賞会になりました。どのパフォーマンスも迫力があって楽しかったです」と話した。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.5.12