山梨学院大学ニュースファイル

2025年度インターハイサッカー山梨県予選決勝

Vol.3496 | 2025年6月14日

山学高、日大明誠高を下し4年連続9回目のインハイ切符
ハードワークで全員守備の統一性から攻撃へ波及

2025年度「全国高校総合体育大会サッカー(インターハイ)山梨県予選」決勝戦が6月14日、甲府市JITリサイクルインクスタジアムで行われた。山梨学院高は日大明誠高と対戦し、2対0で勝利し4年連続9回目のインターハイ出場を決めた。試合は序盤、日大明誠高がサイドからのパスをつなぎ、前線に攻撃を仕掛けるのに対して、山学高は自陣からのロングボールを多用し、ペナルティエリアにボールを供給し、直接こぼれ球を狙うなどシンプルなプレーを展開した。19分にCK(コーナーキック)の好機をつくると、こぼれ球に反応した#6MF山田琉翔がシュートを決め先制した。その後、山学高はロングボール攻撃から本来の両サイド攻撃にシフト。#9FWオノボフランシス日華の前線突破など再三のシュートを放つがゴールにはならず。日大明誠高も終了間際に山学高GKと1対1のシュートチャンスに#1GK青木拓実がキャッチ。事なきを得て1対0で前半を折り返した。後半序盤、日大明誠高の攻勢に合うが徐々に山学高ペースに持ち込んだ12分、右センターライン後ろ付近からの#8MF高見啓太のパスを中央の#11MF横田 椋が抜け出して受け、ミドルシュートを決め2点目を挙げた。優勢に立つ山学高に対し、日大明誠高も惜しいシュートシーンを見せ反撃に出るも、GK青木のファインセーブや各選手のハードワークで日大明誠高の攻撃を抑え込み2対0で山学高が勝利。4年連続のインターハイ出場を決めた。インターハイは7月26日より福島県で開催される。

山学高インターハイ山梨県予選の勝ち上がり結果

山学高は、インターハイ山梨県予選に5月31日、2回戦から登場、笛吹高に5対0で勝利。3回戦甲府工業高戦は9対0、準々決勝帝京第三高に2対0、準決勝甲府東高戦は4対0で勝利し、無失点で勝ち上がった。

全国高校選手権2度の優勝を誇る山梨学院高サッカー部のインターハイ出場は2008年(平成20年)・2010年(平成22年)・2011年(平成23年)・2014年(平成26年)、2018年(平成30年)、三重県で開催された大会に5回目の出場で初優勝を飾った。そして、2022年(令和4年)から2024年(令和6年)まで3回連続出場。いまや全国高校選手権2度の優勝を含め、全国制覇3度を誇る強豪校として知名度を上げた。山学高は現在、JFA U-18サッカープリンスリーグ関東1部で首位に立ち好調を維持する主力メンバーで、今大会決勝戦を日大明誠と対戦。4連続9回目のインターハイ出場と2回目の優勝を目指し、県予選の決勝に挑む。

2025年度インターハイ県予選決勝戦 日大明誠高と対戦

決勝戦は6月14日、曇り空が広がる甲府市小瀬・JITリサイクルインクスタジアムで午後1時30分、約900人の両チームの応援団や観客が見守る中、日大明誠高のキックオフで試合が開始された。序盤、日大明誠高が両サイドからスピードを活かしたパスをつなぎ、速攻でアグレッシブな攻撃を仕掛けるのに対して、山学高は自陣からのロングボールを多用し、ペナルティエリアにボールを供給し、直接こぼれ球を狙うなどシンプルなプレーを展開。#2DF藤井サリュー(2年)の自陣センターサークル手前からのロングパスがペナルティエリアに通り、ヘディングシュート、その直後にも同じく#2藤井のロングスローをシュートまでつなげ、いずれもゴールは外すも、積極的な攻撃が光った。中盤19分に初の右CKを得ると、クロスボールのこぼれ球を#6MF山田琉翔(3年)が公式戦初ゴールを決め先制した。その後、山学高はロングボールの攻撃から本来の両サイドを起点にする攻撃にシフト。#9FWオノボフランシス日華(3年)にボールを集め、前線突破など再三のシュートを放つがゴールにはならず。その後も互いに持ち味を活かした一進一退が続く。日大明誠高は終了間際に山学高の一瞬の隙を狙ったスルーパスを#9FWが抜け出し、GKと1対1になったゴールチャンスに、#1GK青木拓実(2年)がしっかりシュートをキャッチ。そのまま1対0で前半を折り返した。

後半、ハードワークに裏付けられた攻守が勝利を引き寄せる

後半立ち上がり、日大明誠高の中央突破を図った攻勢に山学高がファールで対応。ペナルティエリア自陣10m付近からの直接FK(フリーキック)は#1青木がしっかりキッチした。追加点で勝利を確実にしたい山学高は徐々にスピードを上げ、前線へのプレスで優位なペースに立った12分、自陣センターライン寄り右サイドの#8MF高見啓太(3年)から、中央へ走り込む#11MF横田椋(3年)への絶妙なパスを通す。横田はゴールまで距離がある中、ミドルシュートを右足で振り抜き追加点を挙げた。日大明誠高も、26分にはカウンターで反撃。右サイドからのクロスボールを#10FWがジャストミート。ボールはポストに跳ね返り難を逃れた。直後にも山学高#1GK青木と1対1のシュートチャンスも、青木が落ち着いて処理し失点を免れた。終盤、山学高は#9オノボの個人技とスピードでシュートチャンスをつくるも、決定打に欠けた。さらに山学高の正確なパスワークからのスルーパスに#5DF冨井悠真(2年)がシュートも日大明誠高GKに阻まれ、拮抗した。勝負を諦めない日大明誠高は残り時間2分にも、FWのシュートにGK青木が片手1本で凌いだファインセーブで得点を許さなかった。試合は2対0で山学高が勝利。山学高は決勝戦までの5試合を無失点で収め、4年連続9回目のインターハイ出場権を獲得した。
試合後に閉会式が行われ、優勝の山梨学院高、準優勝の日大明誠高が表彰され、表彰式後、選手たちは応援のサッカー部員の下に駆け寄り、互いに喜びを爆発させた。

試合記録

◆《山梨学院高校スターティングメンバー》 ※数字の前に〇印は主将
#1GK青木拓実②、#2DF藤井サリュー②、#4DF影山登哉③、#5DF冨井悠真②、#6MF山田琉翔③、〇#8MF高見啓太③、#9FWオノボフランシス日華③、#10MF細田康貴③、#11MF横田 涼③、
#12DF岩﨑詢平②、#16FW竹内 蓮③

《リザーブメンバー》
#7MF田中雄大③、#13DF飯田蓮士郎③、#14MF市川大登②、#15MF冨山亜斗夢③、#17GK渡邊修斗③、#19FWメアスソムナン②、#20MF藪野壮二朗②、#24DF横内皇大③、#26MF高野鉄史②

《交代》
#16竹内⇒#7田中、#6⇒#20藪野、#10細田⇒#19ソムナン

試合後インタビュー

大場健史監督は試合を振り返り「新人戦で負けているので、彼らの特長もいろいろ研究してきて、全員が守備のところもしっかり締めて、チームとしての統一性が見えてよかったです。それが攻撃の方にも波及しました。反応の速さや、相手がボールを持った時も慌てずに対応したことが非常によかった。(県予選で)全試合を無失点に抑えたことは評価しています」と選手を称えた。インターハイに向けては「しっかり調整して、いい状態で臨みたい」と多くは語らなかった。先制点を決めた山田琉翔選手は「公式戦で初ゴールだったので、とても嬉しかったです。自分は怪我(肉離れ)で今日の決勝しか出られなかったので、チームメイトにとても感謝しています」と笑顔を見せた。得点については「混戦で自分のところにたまたまこぼれてきて、それを決められてよかった」と控えめに答えた。インターハイには「去年は2回戦で負けているので、今年は優勝目指して頑張っていきたい」と出場に意欲を示した。
追加点を欲しい時に豪快なシュートで相手を突き放した横田 椋選手は「トラップした瞬間に入るなと思いました」と自信を持って足を振り抜いた。試合については「いつもより前半、ドリブル突破できなくて、後半は絶対やってやろうという気持ちが強かったので、しっかりゴールに絡めてよかった」と勝利への強い意志が得点を生んだ。
前線での献身的な攻守でチームに貢献した高見啓太主将は、前半序盤の日大明誠高の攻撃に「粘り強い守備を全員でできて、そこからハードワークでしっかりボールに向かってプレーしようという、アグレッシブさで勝つことができた」。日大明誠高の強さについては「相手も県内で負けていないということで、自分たちも新人戦の借りを返そうと、全員の力で無失点に守れて勝ったので本当によかった」。インターハイ4連続出場について「大変うれしいですけど、奢らずにチーム一体となってやっていきたい。自分は去年も経験しているので、どういう雰囲気かも分かるので、それを全員に浸透させてしっかり優勝したい」と目を輝かさせた。

山梨学院高は2度目の全国制覇に向け、1か月半後の戦いの準備に入る。インターハイは7月26日、福島県で開幕する。

文(K.F) カメラ(今村佳正) 2025.6.14