山学大男子バスケ記念すべき初ホームゲームに勝利
4月に落成した第二体育館で駒澤大相手に初の公式戦
2部降格後、現在3位で入替戦を視野に1部復帰目指す

8月27日開幕した「第101回関東大学男子バスケットボールリーグ戦2部」大会8日目の9月13日、山梨学院大バスケットボール部男子の試合が山梨学院大学第二体育館で初のホームゲームとして行われた。今年4月に落成した体育館の記念すべき公式試合となった。ここまで5勝2敗3位で駒澤大を迎えての一戦。昨季2部に降格した山学大にとって、1季で返り咲くには、9月28日まで続く大会1巡目終了までに1戦も落とせない状況だ。試合は、第二体育館での4試合目、午後4時45分から始まった。第1Q、相手に先制されるも、その後はC・スヴェトリシック・イゴールのポストプレー、ダンクシュートと長身ならではのプレーやPG・中村千楓のドライブシュート。さらにC・カマレム レマ フランシスのゴール下でのプレーで20対14とリードした。第2Q序盤、中盤と差を広げるも終盤、シュートが入らない状況が続く中、駒澤大に3P(ポイント)シュートを連続で決められ30対30に追いつかれた。第3Qに入ると、駒澤大に主導権を握られ、山学大のシュートの精度が悪く最大13点差まで広げられたが、終盤C・イゴールのインサイドプレーで43対50まで盛り返した。第4Q開始早々、PG・中村が難しい体勢からの3Pを決めるとチームの流れがよくなり、再び中村の3Pで同点。C・イゴールのポストプレーやSG・菅野陸のドライブ、SF・山銅彪剛の活躍で70対61と再逆転した。山学大は初のホームゲームで勝利を飾り、1部復帰を懸けてさらに勝利を重ねる。
関東大学男子バスケットボールリーグ戦
山梨学院大バスケットボール部男子は、2014年から強化育成クラブに指定されてから本格的に活動を始動するも、なかなか芽が出ずに低迷していた。そこでテコ入れを図るために2019年7月に世界選手権日本代表主将やBリーグの監督を歴任した古田悟監督が就任すると、めきめき頭角を現し、2021年2部昇格、2022年には最速の1季で悲願の1部昇格を果たした。しかし、2024関東1部リーグ戦では最下位に沈み2部降格。1部の壁の高さに辛酸を味わった。
男子は1部から5部で編成される。2部は12チームから構成され、1巡目、2巡目の2回戦総当たりを行い、2部の日程は1巡目が8月27日から9月28日までの11試合。2巡目は10月4日から11月2日まで。勝ち点方式で勝者2、敗者1点で順位が決定される。 1部下位グループの2チームが2部リーグの1位、2位と入替戦が行われる。
個々の技術の高い駒澤大を機動力の高い山学大が迎え打つ
第1Q、相手に先制されるも、直後には#14SG・菅野陸(2年)のパスを受けた#98・Cスヴェトリシック・イゴール(3年)のポストプレー、自らインターセプトしたボールをダンクシュートと続けざまに長身ならではの迫力プレー、#5PG・中村千楓(3年)のドライブシュート、レイバックシュートの個人技。さらに#70・Cカマレム レム フランシスのゴール下でのプレーなどで得点を重ね、一方の駒澤大も2本の3Pでなどで返したが、20対14と山学大がリードした。第2Q序盤、中盤に#14菅野の相手のディフェンスをものともしない体感の強いシュートや山学大この試合は初めての#5中村の3Pなどで得点を重ね、主導権を握ったかに見えたが終盤、2本の3Pを決められ30対30と追いつかれた。
サイドが変わった後半第3Q、駒澤大が先制し山学大が追いかける展開になると、相手ディフェンスのプレッシャーからかシュートがことごとくゴールに嫌われ、その間にガードが悪いディフェンスに対して徐々に得点を重ねられ最大13点差まで広げられた。その後、#98イゴールがオフェンスリバウンドからインサイドプレーで盛り返したが43対50とリードされ最終第4Qに入った。開始早々、#5中村が難しい体勢からの3Pを決めるとチームの流れがよくなり、再び中村の起死回生の3Pで同点。#98イゴールのポストプレーやエースの#14菅野らしさのドライブシュートで一気に再逆転。その後もパスコンビネーションも冴え#28山銅彪剛(1年)が躍動し、70対61と勝利。初めてのホームゲームに花を添えた。明日14日次戦も同第二体育館で上武大と対戦する。
山梨学院大試合結果

山梨学院の《スターティング5(ファイブ)》
#5PG・中村千楓③、#9PF・齋藤 晴③、#14SG・菅野 陸②、#28SF・山銅彪剛①、#98C・スヴェトリシック・イゴール③の5人。〇印/主将
《他登録メンバー》=〇#0PG・藤崎郁海④、#6SG・森 一秀②、#18PG・児玉雅空②、#23PF・叶 慈平①、#24SG・鮫島颯介①、#41PF・江上佳汰、#70C・カマレム レマ フランシス④、#75PF・岩渕悠斗①、#90・PG大道一歩①が途中、随時交代した。 ※〇印/主将
試合後インタビュー
古田悟監督は初のホームゲームに「たくさんの人が来てくれて、明日ももっと来てくれるという話なので喜んでくれるようなプレーをさせたいと思います」。「私達は4Qには強いんですよ。6、7人で回したのですが、勝つためにやっています。僕はあまりやりたくないのですが、このチームは6、7人だと勝てるのですが、それだと長いリーグ戦だともたないので、セカンドチームを入れることを考えます。ディフェンスが60点台だったのでうちらしくできたと思います」と指揮官は頭を悩ませる。
主将の藤崎郁海選手は「2Qの終わり方が悪くて、3Qの始まる前にチームスタイルのディフェンスから速い展開に持ちこむことをしっかり遂行しようと話し合い、4Qにルールを遂行できたことが逆転のゲームにつながった」。初のホームゲームのことは「観客もいつもこんなにいないので大きな大会の公式戦と同じような環境でできて自分自身もチームもすごくうれしく感じています」。これからは「一巡目の最後に無敗の拓殖大学と対戦するのでそのゲームにしっかり勝って、一巡目のいい流れを二巡目も乗って、入替戦に行けるように頑張ります」と意気込む。
ゲームキャプテン中村千颯選手は最大13点の劣勢で「自分たちのシュートが前半入らなくて、ディフェンスも強度が下がってしまい相手のペースになってしまっていたので4Qは自分がしっかり声を掛けてディフェンスをやっていました。前半に比べて強度は絶対に上がりましたし、そこから自分もシュートも入り出し、自分たちのペースになりました」。同点となる起死回生の3Pについて「自分は1年生から主力で経験させてもらっていて、一番この中で経験あるのは自分だと思いますし、苦しい場面でやらなければいけないのは自分だと思っています。前半シュートが入らないとかは関係なく、打ち続けないとシュートは入らないので、そこは自分を信じて練習の課程を信じてやってきたのが4Qでシュートが入ってつながったと思います。初めてのホームゲームをやれて、まずはこういう機会をつくってくれた人たちに本当に感謝しています」。
多くの得点に絡んだスヴェトリシック・イゴール選手は「自分はビッグマンのポジションでやっていますから、自分の一番大事なところは、リバウンドやでディフェンスなのでこれに集中して頑張った。去年の試合で怪我してずっと試合に出られなくて悔しかったです。早めに戻りたかったけど、大きな怪我で戻れなかったので、今年はやり直します。今日の試合は、ぎりぎりでしたけどメンタルで最後までチームメイトと頑張りました」と話した。
文(K.F) カメラ(平川大雪)2025.9.13