山梨学院大学ニュースファイル

関東大学ラグビーリーグ戦2部開幕戦 山学大白星発進

Vol.3530 | 2025年9月14日

初戦、國學院大に快勝、まずは合格点
10年ぶりの1部復帰向け準備は万端

「2025年関東大学ラグビーリーグ戦2部」開幕戦が9月14日、各大学グラウンドで行われた。10年ぶり4度目の1部昇格を目指す山梨学院大ラグビー部の開幕戦は國學院大と山梨学院和戸ラグビー場のホームグラウンドで対戦した。試合は開始4分、国学大に自陣22m内でのペナルティゴールを決められ先制された。直後にも自陣22mライン内での攻防でパスをつながれ右隅にトライ0対8と序盤リードされた。しかし、山学大も直後に相手陣営辺キックから10分にも密集からのこぼれ球を相手#11WTBの独走で0対14と序盤に失点。一方の山学は、攻守のリズムが悪い中、中盤相手22mライン内でパスをつなぎ#14川崎輝が右隅へトライし挽回。これから山学大の怒涛の攻撃が始まる。#15Brettを中心とした攻撃でトライを量産。前半を38対18と点差を広げて後半に折り返した。後半序盤も山学大が優位に立ち得点を重ねたが国学大もペナルティキックからモールやランパスで前線を崩され、得点を許した。その後は互いに激しい攻防で得点を奪う展開に終了間際、#23篠原悠士が右サイドラインを突破し相手ディフェンスを引きずり、後はオフロードパスでサポート選手がトライした。結果は73対46と圧勝したが見ごたえ十分な試合だった。1部復帰に好スタートを切った。次戦は、21日白鷗大と同グラウンドで行われる。

10年ぶり4度目の1部復帰にチームの総合力で挑む

今季2部リーグは、拓殖大(1部降格)、中央大、専修大、山梨学院大、白鷗大、國學院大、朝鮮大校、新潟食料農業大の8チームが1部入替戦権を懸けて戦う。山梨学院大ラグビー部は、1997年初の1部昇格を果たし、2002年に2度目、2013年に10年ぶりの3度目の1部復帰を成し遂げるも、2015年、1部在籍2年目に8位と振るわず、2部1位の日本大学との1部入替戦で敗れ2部降格。翌2016年に2部1位となり再び入替戦で日大と対戦したがここでも敗れ2部残留となった。さらに2020年には、コロナ禍の影響を受けた試合方式の変更でAブロック1位(総合2位)となったが入替戦は中止。昇格のチャンスを逃した。2017年には、従来の1試合総当たり方式に戻り1部昇格を目指し臨んだが3位と、ここでも入替戦権利獲得には至らなかった。9年間1部リーグ参入から遠ざかった今季リーグ。1部復帰へチーム一丸で挑む。

前半、立ち上がり相手に押し込まれ苦戦するも

山学大のキックオフボールをキャッチした国学大は、キックで22mタッチラインを狙い、その流れで22mライン内でペナルティを得た国学大はゴールキックを選択。4分、それをきれいに決め3点を奪い、山学大に立ち上がりのプレッシャーを掛けた。その後も6分、国学大はパス展開から右サイド隅に初のトライ0対8とリード。直後の山学大リスタートキックを左に展開、パスを受けた#14WTB・川崎 輝(4年)がタックルをかわし左隅にトライを返した。8分だった。国学大も再びペナルティからゴールを狙い5対11と返し、序盤から点の取り合いになった。しかし、ここから山学大の攻勢が始まった。ブレイクダウンのからのボールの保持やラン・パス展開、強烈なタックルなどで有利に展開。フォワードとバックスのコンビネーションも活き、バックスの#11WTB・屋部樹志(2年)、#13CTB・原谷 楓(4年)、#15FB・Brett・Kliegl(3年)の2本のトライ、自信のコンバージョンキックも正確さを増し、一気に58対38と差を広げた。

フォワード、バックス一体となった試合に合格点

後半開始早々、山学大がスクラムから出たボールを#10#10SO・檜和田悠人(2年)が、相手陣営の10m付近から右サイドの狭い地域にボールをキック。反応した#11屋部がしっかりボールを収めトライに成功。さらに7分には山学大22mライン外付近から出たボールを#9SH・丹下竜希(4年)が相手のタックルを引きずりながら#7FL・Gerrt・Roebert(4年)にパス。Gerrtは個人技の強さでそのままトライ。ここで50対18と大

コンバージョンも決まり、ここまで52対18と大量差をつけた。しかし、山学大は攻撃疲れかディフェンスラインに緩みが生じ、2トライを返され、さらに中盤にも1トライ59-39とされた。それでも激しい攻防が続く中、終盤37分、唯一1年生で登録メンバーになった山梨学院高出身#23篠原悠士が素晴らしいプレーを見せてくれた。中央からのパス展開に右サイドラインを走った篠原は3人の相手ディフェンスを交わし、最後に#22中村竜也(4年)にオフロードパスでトライを演出する見せ場をつくった。

試合結果

◆《山梨学院大スターティング15》=※〇印は学年 #数字〇印は主将

#1PR・木下日向③、#②HO・藥丸兼臣④、#3PR・小林裕樹③、#4LO・鈴木大登④、#5LO・藤澤遥人④、#6FL・高木竣也④、#7FL・Gerrt・Roebert④、#8NO8・Danwich・Beukes③、#9SH・丹下竜希④、#10SO・檜和田悠人②、#11WTB・屋部樹志②、#12CTB・堀新太朗③、#13CTB・原谷楓④、#14WTB・川崎輝④、#15FB・Brett・Kliegl③

◆《リザーブメンバー》

#16飯島太陽②、#17杉本龍輝③、#18横尾双太②、#19中武拓翔④、#20中村大和④、#21西口将太郎④、#22中村竜也④、#23篠原悠士①

試合後の監督、主将のインタビュー

梶原宏之監督は「この2年、初戦をばたついたので夏の合宿で試合数を減らし調整した甲斐があり、今日はベストな試合ですね。前半、先制されましたけど積極的に落ち着いて自分たちのアタックをしっかり仕掛けたということで6トライ取れたことはすごくよかったですね。後半に若干ディフェンスが乱れるところがありそこを突かれましたが、これは1週間で修正できるので心配はないです」とチームに信頼を置く。今シーズンの手応えは「春シーズンに1部のチームと戦っても勝てていますので、そんなに力の差はないと思います。ただ、うちはこの2年、取りこぼしがあったので、実力がついてきたことですし、弱い相手でもなめずに自分たちのラグビーを出していくということです」と気を引き締める。

#2HO・藥丸兼臣主将は「これまで準備をしてきたのですが、そこでボーナスポイントを取って勝利できたということは次につながる1勝だと思います。ただディフェンスのところで取られ過ぎましたし、規律の面でも思い切れないところが結構あって、課題はたくさん出ましたが、1戦目でいろいろと学べたのでまた、1週間準備して次戦に臨みたいと思います」。これからの試合を見据えると、「今のままのディフェンスだと絶対目標としていることはできない。一戦一戦学べることがあるので、このシーズン中でも成長してチームでひとつになってチームスローガンである“ワンハード”。全員でハードワークして目のまえの一戦を戦っていきたい」と前を見据える。

※ボーナスポイントとは。21点差をつけると勝ち点1が加算される。

2部リーグ戦はこれから11月23日まで残り6試合戦い、次の試合は9月21日(日)午後3時より同グラウンドで白鴎大学と対戦する。

文(K.F) カメラ(平川大雪)2025.9.14