山梨学院大学ニュースファイル

秋季関東高校野球山梨大会決勝戦 山学高5連覇達成

Vol.3532 | 2025年9月27日

甲府工高に初回先制許すも、投打が噛み合い順当勝ち
地元開催のスーパーシード校としてすっきり選抜を狙う

9月27日、「第78回秋季関東地区高校野球山梨大会」決勝戦が小瀬スポーツ公園山日YBS球場で行われた。5連覇を目指す山梨学院高と7年ぶりの優勝を目指す甲府工業高が対戦。山学高が打線のつながりと投手の好投で6対2で勝利し、5連覇12回目の優勝を飾った。試合は先攻の甲府工高が1回表、先頭打者の安打を犠打とスクイズで立ち上がりの甲子園投手、山学高先発檜垣瑠輝斗を攻め鮮やかに1点を先制した。山学高は3回、先頭9番藤田蒼海と1番光永惺音の連続2塁打で同点にすると、その後も攻め続けこの回5安打で4点を入れ逆転に成功。4回、6回に小刻みに得点を加え、甲府工高は4回に山学高の守備の乱れから1点を入れ6対2とした。山学高先発の左腕エース檜垣は今年の山梨県総体で頭角を現し、春季関東大会、夏の甲子園山梨大会でも先発で活躍。鋭いスライダーとテンポ良い投球でその後の夏の甲子園のマウンドでも先発右腕菰田陽生のリリーフとして初の4強へ貢献。今や山学高のエースとして投でチームを牽引している。その檜垣が終盤に苦しみ、特に8回には二死から2本の安打と四球で満塁とされるが後続を落ち着いて内野ゴロに抑え、9回にも併殺打で試合を締め、チームは6対2で5連覇を達成。10月18日から地元開催される秋季関東大会で山梨県1位代表(スーパーシード)となり、準優勝の甲府工と3位となった駿台甲府とともに出場する。

夏の甲子園で活躍した3年生が国スポに出場する直前、後輩を応援する

午後1時前、小瀬・山日YBS球場三塁側応援スタンドには山梨学院高生徒会を筆頭に応援団、吹奏楽部、チアリーダー部、登録選手外の野球部員、一般応援生徒、教職員約120人、他に保護者会や一般観客が応援席を埋めた。また、この夏甲子園で活躍した3年生が9月29日開幕する「わたSHIGA輝く国スポ(国体) 高校野球の部」に向けて出発する直前に駆け付け応援団とともに熱い声援を送った。試合終了後には現地に向けて出発した。

立ち上がり甲府工高に先制許すも、集中打で逆転

試合は、午後1時丁度、甲府工業高の先攻で開始された。山学高の先発は、左腕檜垣瑠輝斗(2年)。今年の山梨大会で頭角を現わすと、関東大会でチームの信頼を勝ち取り、夏の甲子園でも右腕菰田陽生(2年)とともに山学高初の夏の甲子園4強に貢献。今や山学高になくてはならない存在としてマウンドに立った。1回表、甲府工高1番が中前打を放ちそのバンドの処理を誤り無死二塁にすると、甲府工高は犠打で走者三塁にした。続く3番打者はスクイズを敢行1点を先制。甲府工高の見事な速攻で1点を献上した。山学高は3回裏、先頭打者9番藤田蒼海(2年)が左中間二塁打で出塁。すかさず1番光永惺音(1年)が三塁手横を抜く適時二塁打で同点に追いつくと、さらに2番金子舜(1年)が投手強襲安打で走者三塁一塁。さらに3番石井陽昇(2年)が中越え二塁打で2対1と逆転した。続く4番菰田陽生(2年)も中犠飛でで1点を加え、5番杉村空飛(2年)も右前適時打で1点を重ね4対1とリードした。先発の檜垣は4回にも味方守備の失策が絡み1点を失うが、その裏に味方打線の先頭7番島田達矢(2年)の安打をつなぎ、9番藤田が2本目の安打を打点に変え5対2で後半に入った。

左腕エース檜垣。終盤のピンチにも動じず粘りの投球で存在感を見せる

山学高は6回裏、先頭6番住友輝人(1年)の四球を足掛かりに犠打、8番檜垣の安打、9番藤田の3本目の安打が適時打となり1点を加え6対2とした。先発の檜垣は5回まで4安打2失点と得意なスライダーとテンポの良い安定した投球を続けていたが7回、一死三塁二塁のピンチを迎えたが一塁菰田の好プレーなどで切り抜けた。さらに8回にも二死から2連打、四球で満塁にするも、後続を三ゴロに仕留め、9回には、一死後安打を打たれたが次打者を落ち着いて併殺打で処理し、粘りの投球で相手を2失点完投で勝利。山学高は5連覇12回目の優勝を飾った。秋季関東地区大会は、山梨県代表1位で選抜に向けて戦いに臨む。

試合記録

山梨学院高先発打順・守備位置

◆山梨学院高先発メンバー 〇囲みは学年、〇印は主将
1.(捕)光永惺音①、2.(左)金子 舜①、3.(中)石井陽昇②、〇4,(一)菰田陽生②、5.(右)杉村空飛②、6.(遊)住友輝人①、7.(二)島田達矢②、8.(投)檜垣瑠輝斗② 9.(三)藤田蒼海②

◆山梨学院高バッテリー=檜垣ー〔捕手]光永
[投手]檜垣:投球回9、打者36、投球数129、被安打9、奪三振8、四球1、失点2
[打撃] 安打12(長打:ニ塁打:藤田、光永、石井) 三振6、四球2、得点6

試合後インタビュー

吉田健人部長・コーチは新チームでの大会への不案は「夏の甲子園でベスト4になり、新チームのスタートが全体的には遅れているという中で大阪でも心配はしていましたが、北村コーチ、中山コーチ、山下コーチの3人のコーチが夏休みに非常にいい練習をしてくれたので、私が帰ってきた時の印象では思ったよりやれるかなと感じました」。新チームで戦ったのは4試合でしたが「山梨では東海大甲府、日本航空、甲府工業というのは、うち以外では上から3つの強いチームだと思うので、そこと秋の時点で1回試合が出来たというのは、夏に向けても大きい」と新チームの先を見据える。

新チームの主将を任された菰田陽生選手は「優勝できたということでチームとしていいことですが、まだまだ課題があるので、関東までに無くしていきたいと思います」。チームとしての戦いぶりは「最初の試合から実践を重ねて良くはなっていると思う。関東までは3週間あるのでいい準備をして、いい形で入りたいと思います」。今日は3回に打線がつながり逆転したが「打線は1回戦から良くなっていると思うので、そこは関東まで引き続きやっていきたい」とチームとしての手応えを感じている。

10月18日(土)に開幕する関東大会の組み合わせ抽選日は10月9日(日)。本大会は山梨県開催のため、山梨県1位の山学高は2回戦からの登場のスーパーシードで1勝すれば4強という好条件のため、来春の選抜出場が濃厚とされる。また本日、決勝戦前に行われた3位決定戦の日本航空高と駿台甲府戦は駿台高が勝利し、準優勝の甲府工業高とともに3枠目として関東大会に出場する。

文・カメラ(K.F) 2025.9.27