山梨学院大学ニュースファイル

インカレ全日本学生ホッケー女子決勝進出、男子3決へ

Vol.3544 | 2025年11月2日

山学女子、前回準優勝天理を寄せ付けずに快勝
男子、前回優勝の天理に前半リードも後半逆転される

「第74回男子・第47回女子全日本学生ホッケー選手権大会(インカレ)」男女準決勝が 11月2日、大井ホッケー競技場で行われた。山梨学院大女子(山学)は10月30日、関西大を破り、2回戦に福井工業大を連覇。2日、天理大(前回準優勝)との準決勝に臨み3対1で快勝、6年ぶりの優勝を懸ける決勝戦に進出した。試合は開始早々から山学が主導権を握り、第1Qは、藤原千佳がPC(ペナルティーコーナー)、第2Qでは早助咲那、第4Qには、松井 杏がそれぞれPCを成功させた。天理大には第4QにPCで1点を返されたが3対1で勝利し、終始ハードワークに徹した山学の試合ペースは、明日の優勝を期待させる勝利だった。一方、男子も1回戦、2回戦と順調に勝ち上がり準決勝は前回大会優勝の天理大との対戦となった。試合は第1Q、互いに一進一退の攻防から中盤に山崎稜賀がヒットシュートで先制。いい流れに乗り主導権を握ったが、第3Qに同点に追いつかれた直後、寺坂和輝が再びヒットシュートを決め再び優位に。しかし終盤、天理大も反撃、続けざまに2点を奪われ2対3と逆転された。山学は第4Qにも1点を失い2対4で敗れ、決勝進出はならず3位決定戦に回った。

全日本学生ホッケー選手権(インカレ)は、前年度ベスト4のチーム、今年の大学王座ベスト4のチーム、全日本大学大会でベスト3,各ブロックから選出された代表チーム計男子24校・女子16校が出場し、学生ホッケー日本一のタイトルを争う。男女各上位4位は、全日本ホッケー選手権の出場権が与えられる。山梨学院男子は過去に5連覇を含め優勝7回、準優勝2回。女子は4連覇、3連覇含め優勝9回、準優勝8回を数え、2016年・2019年には男女アベック優勝を飾っている。男女とも6年ぶりの優勝を目指して大会に臨んだ。

女子準決勝。前回準優勝校・天理大と決勝進出を懸けた一戦

11月2日午前9時30分、インカレホッケー女子準決勝がブルーのフィールドと背景の芝のグリーンとの対比が美しい大井ホッケー競技場メインピッチで前回大会3位の山梨学院大(山学)と前回大会準優勝の天理大との対戦が開始された。試合は第1Q序盤、互いに攻守を替えながら天理大がPC(ペナルティコーナー)を得るがここは山学が凌ぐ。その直後に今度は山学がPCを得ると#11藤原千佳(3年)がこぼれ球を決め先制。スピードとディフェンス力で徐々に優位に試合を進める山学は、第2Q終盤にPCを得ると#12早助咲那(3年)2点目を決めた。後半に入るとリードされている天理大が攻勢を掛けるが、山学#1澤口莉奈(4年)を中心に積極前線へのスクープパスや速いパス回し、ドリブル突破で相手サークルを脅かした。2対0で迎えた最終4Qにも開始早々#22松井 杏(2年)が3本目のPCを決め3対0と試合を決定づけた。終盤、天理に1点を返されたものの、3対1で勝利し決勝戦へ進出した。

得点:山学大・#11藤原千佳、#12早助咲那、#22松井 杏 

試合後、インタビュー

ジョン・シアン監督は「しばらく勝てていないインカレ準決勝で選手も少し硬かった気がします。フィールドプレーで点を取れなかった点はそう感じます」。決勝戦では「どんなゲームをさせてもらえるかな。山学のプレーができれば勝てるかな」と6年ぶりの優勝に意欲を示した。

先制のゴールを決めた藤原千佳選手は「本当は違ったゴールが理想だったのですが、リバウンドのこぼれ球を押し込みました。まさか自分が1点目を取れると思っていなかったので、うれしいです。チームの雰囲気も変わり流れが来たと思いました」と笑顔で話した。

澤口莉奈主将は「3点取るということが自分たちの目標の中にあって、(点を)取れて余裕をもって試合運びができたのが良かった」。久しぶりのインカレ決勝は「自分たちは今年は王座が初の決勝(優勝)で、インカレも決勝に進められて、そこは良かったです。後は楽しんで勝つということが一番なので全員で攻めて守って優勝できるように頑張る」と大学王座二冠を目指す。

男子準決勝 前回優勝の天理大との対戦

第1Q10分、試合が動いた。山梨学院大男子(大学王座枠)は、後方からのロングパスを受けた#10山崎稜賀(4年)がサークル内に持ち込みヒットシュートで先制。その後も、第2Qに入り、GKと1対1になるビッグピンチもあったが、#30GK折笠幸喜(3年)の好セーブなどで凌ぐ場面もあり、試合の主導権は山学が握っていた。しかし、山学が攻めあぐねていた第3Q10分、天理大のPCが決まり1対1の同点に追いつかれた。山学も直後、#36寺坂和輝(2年)がヒットシュートを決め流れを引き寄せたと思わせたが、天理大も前回王者の意地を見せ、2本のPCを決め2対3と逆転した。同点に追いつきたい山学は第4Q、攻勢を掛けるが相手の勢いを止められずに中盤に再びPCを与え2対4と差を広げられた。残された時間に山学はPS(ペナルティシュート)のチャンスを得るが相手GKに阻止され、そのまま無念の終了のフォーンがピッチに鳴り響いた。明日、3位決定戦に臨む。

山梨学院得点=#10山崎稜賀、#36寺坂和輝

試合終了後インタビュー

三澤孝康監督は「前半はうちのやりたいホッケーができていたので行けるとは思っていましたが、あの失点が続いた10分間位の時間帯だけですね。相手のペースになって押し切られてしまったのが悔やまれます」。3位決定戦は「全日本選手権にもつながる試合にもなるのでハードな試合になるとは思いますが、ここからは明日の試合に気持ちを入れ替えるだけです」。

木村嶺央主将は「先制点が取れて流れも来ていて、相手にはプレッシャーもあったと思います。今年天理とは4戦目で3勝している状態での今回の試合だったので、それの焦りがチーム全体にも感じました。自分たちの流れではないときに自分たちのホッケーが発揮できなかったのが連続失点につながったと思います」。3位決定戦には「限られた試合はあと1試合しかないので、3位という結果を山梨学院に持って帰りたい」と前を向いた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.11.2