山梨学院大学ニュースファイル

山学高初優勝!インターハイバスケットボール県予選

Vol.3498 | 2025年6月22日

決勝で日川高を破り初のインターハイ出場決める
強化2年目で全国大会出場の快挙!

「2025年度全国高校総体(インターハイ)山梨県予選」決勝戦で山梨学院高校バスケットボール部が日川高校を破って初優勝を果たし、初のインターハイ出場を決めた。強化部指定後、実質2年目での快挙とも言える。6月22日、富士吉田市・富士北麓公園体育館で行われた決勝戦は山学高のC2Cブルーが大きく揺れ、登録以外の選手、保護者の声援が選手のプレーを後押しした。第1Q、山学高は3連続3Pで先行すると、さらに怪我から復帰した#95コッーシオ アンドレイや#30前田瑛太の2本の3Pで優位に立ったが、日川高も積極的なインサイドプレーや3本の3Pで対抗。第1Qは23対19。第2Q、激しい攻防の中でも山学高が#1岡本素直や留学生#55サム ディオフのポストプレーなどで得点を重ね、ディフェンスでは日川高を9点に抑え、前半を43対28で終了。後半第3Q開始早々、山学高は留学生同士のパスワークで#12ファリル ディエィがダンクシュートを決めて見せ場をつくった。その後も、アンドレイが一人で12得点を奪う活躍で69対38と大きなリードで第4Qに入った。山学高の攻勢は止まらず、リバウンドからのポストプレー、ドライブ攻撃、セットプレーと一方的な展開になるも、日川高も最後まで伝統校の意地を見せ、終盤追い上げを見せた。95対58で終了のホイッスルが会場内に響くと同時に、山学高応援団から歓喜の声が湧き、選手を祝福した。この勝利は山学高バスケットボール部の歴史の中に永遠に刻まれることだろう。

山梨県にバスケットボールの魅力、関心の広がりを目指して

山梨学院高校創設当時、早くから活動を始めたバスケットボール部は、高校の長い歴史の中でも部活動として大きな実績を残せず、目立った存在ではなかった。そうした中、最近の男女日本代表チームのオリンピックやワールドカップでの活躍、Bリーグ・Wリーグのバスケットボール人気が盛り上がる一方、山梨県内の反応は今一歩という状況に置かれている。バスケットボールの面白さを山梨県民に伝え、支えるため強いチームを作って話題を提供することを目的に、山梨学院が再び立ち上がった。5年前、山梨学院高校のラグビー部を復活させ、高大連携を図りながら一昨年3年目にして花園出場を成し遂げ、続けて昨年には2年連続で花園出場を果たし、子どもたちにもラグビーへの関心を高めた。そしてラグビー部に続き、昨年度からバスケットボール部を強化運動部に指定して、強化を始動した。そのために、指導者には国内の強豪高校での指揮経験がある江崎悟氏を招聘。その指導はほぼ1年生だけのメンバーにも関わらず、1年間で県内大会の上位に頭角を現すチームに育て上げた。2025年1月には新人戦で昨年のインターハイを制覇した日本航空高を破り、初優勝を飾った。そして今回のインターハイ山梨県予選では、前日6月21日の準決勝を自然学園高に勝利し、初の決勝戦へ駒を進めた。想定した相手とは違えども、強豪の日川高校と対戦するまで成果を上げている。

決勝の対戦相手は3年ぶり18回目の決勝戦に臨む古豪日川高

❖山学高と日川高の試合は、この日の午後1時開始された。会場の富士北麓公園体育館には、前日と同様、C2CブルーのTシャツを着た多くの保護者等が応援に駆け付け、登録外の選手らとともに声援を送った。第1Q(クォーター)、山学高は、#30前田瑛太(2年)、怪我から復帰した#95コッシーオ アンドレイ(2年)、#21桂川遼太郎(2年)の3連続3P(ポイント)で先行すると、さらに#30前田の2本目の3P、#95アンドレイのジャンプシュートで畳みかけた。日川高も積極的なインサイドプレーや3本の3Pで対抗。第1Qは23対19と、一進一退で推移した。第2Q序盤、激しい攻防で拮抗した状態が続く中、山学高は#1岡本素直(2年)や留学生200cmの長身#55サム ディオフ(1年)のポストプレーなど、高さのある攻撃で得点を重ね、ディフェンスでは堅固なプレスで日川高のミスやインサイドプレーを封じ僅か9失点に抑え、前半を43対28と点差を広げて終了。

❖後半第3Q開始早々、山学高は#55ディオフ、#12ファリル ディエイ(2年)の留学生同士のパスワークでディエイが豪快なダンクシュートを決め、見せ場をつくった。その後も、リバウンドでボールを支配。#95アンドレイが一人で12得点を奪う活躍などで、69対38と一方的な展開となり、大きなリードで第4Qに入った。試合終盤になっても山学高の攻勢は止まらず、#13佐藤瑠威(2年)が相手ディフェンスを交わすドライブ攻撃を続け加点。さらに#91川島花海(1年)から#71北澤蓮(1年)による1年生同士のセットプレーで得点を重ねる一方的な展開になるも、日川高も最後まで伝統校の意地を見せ、終盤に追い上げを見せたが、山学高がスピードと高さで攻守に勝り、95対58。終了のホイッスルが会場内に響くと同時に、山学高応援団から歓喜の声が湧き上がり、コート上の選手とともに優勝を喜んだ。試合終了後に表彰式が行われ、記念写真や監督らの胴上げでしばらく笑顔の交流が交わされた。

試合記録

◆《山梨学院高のスターティング5(ファイブ)》
#1岡本素直②、#12ファリル・ディエイ②、#21桂川遼太郎②、#30前田瑛太②、#95コッシーオ アンドレイ②

◆《サブメンバー・交代》
〇#3廣島樹々人③、#5長澤龍末②、#6村崎太一②、#7安原颯真②、#13佐藤瑠威②、#15三輪晄雅②、#17大田皓大②、#28矢崎 良②、#33木戸彪悟①、#37久保田湊①、#55サム ディオフ①、71北澤 蓮①、#91川島花海①が随時途中交代した。

※#前の〇印は主将、〇の中の数字は学年。

試合後インタビュー

江崎悟監督は初優勝に関しては「2年目(での優勝)なので素直にうれしいです。1年間ずっと、ほぼ1年生だけでやってきて、彼らの1年間の集大成として全国に連れて行きたかったですね。ここ(インターハイ県予選決勝)は僕の中では勝負でした。しかし、日本航空高を相手に準備してきて、(日本航空高を)倒して全国にという気持ちでしたので、優勝はしましたけど、少しスカッとしない気持ちです」と本心を明かした。強化して2年目。「僕はここで優勝を狙っていました。去年の日本航空高のレベルだったらそうは勝てないから。まだ我々のレベルはそこまではないですから。インターハイまで1ヶ月ありますけど、もっと力を付けないといけない」とさらなる上を目指す。

キューバ人の父と日本人の母を持つコッシーオ アンドレイ選手はこの試合で怪我から復帰、期待通りの活躍で勝利に貢献。「初めて全国に出るということで、うれしい気持ちではありますが、日本航空高にリベンジできなかったことが少し悔しいです。初めは少し(点差が)競って、危ないかなと思いましたけど、最後には大差をつけることができてよかった」と笑顔を見せた。

ゲームキャプテンを務めた桂川遼太郎選手は、全国大会出場に「最高にうれしいです」。準決勝ではスターティングから外れ、「昨日はあまりいいプレーができなくて、その中でも監督が信頼を持って最初から出してくれたことに感謝していますし、自分が出ていた時間帯でも、自分の取柄というのはディフェンスや声出しなので、自分からアピールすることができたのでよかった」。インターハイには「2年生と1年生が主体で全国大会に出られるというのはとても貴重で、その経験をいいものにしたいので、インターハイに向けて練習を頑張っていかなければいけないですし、本戦までに課題をしっかり克服しなければ」と前を向いた。

廣島樹々人主将は「やりましたね」と感慨無量。「どこが(決勝の相手に)きても関係ないという気持ちでやってきましたけど、日本航空高が(決勝へ)上がってこなかったのが想定外で驚きました。最後の決勝戦でも自分たちのプレーで相手を圧倒できてよかった」。唯一の3年生でインターハイ出場に。「短い時間でいかに濃い練習がどれだけできるかが一番大事になってくると思うので、インターハイは強豪しかいなくいい経験になるとは思いますが、その舞台でも優勝を目指して頑張りたい」と出番は少ないが、選手の精神的支柱として存在感を示す。

インターハイバスケットボールは7月26日に開会式、競技は27日より31日まで岡山県岡山市・ジップアリーナ岡山(岡山県総合グラウンド体育館)で行われる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.6.22