山梨学院大学ニュースファイル

第107回全国高校野球山梨大会 準決勝

Vol.3509 | 2025年7月21日

山学高、3年ぶり決勝進出。甲府工高に完封勝利
檜垣好投、梅村本塁打。甲子園に向け投打盤石

「第107回全国高校野球選手権山梨大会」準決勝2試合が7月21日、甲府・山日YBS球場で行われた。午前8時30分開始の第1試合、山梨学院高は甲府工業高と対戦した。試合は、山学高の先攻で開始された。1回表、1番鳴海柚萊は遊ゴロ失策で出塁。一死後、3番梅村団の鋭い左前打を弾く間に鳴海が先制のホームを踏んだ。2回表にも、四球と内野安打、失策で無死三塁一塁。続く投ゴロを相手の判断ミスで2点目を入れた。さらに犠飛で1点、後続の2番宮川真聖が適時二塁打で1点を加え、この回3点。4対0と序盤に攻撃の主導権を握った。大会3試合目の山学高の先発は、関東大会で力投し4強入りに貢献した檜垣瑠輝斗が初の先発マウンドに上がった。初回に2安打を打たれたが、テンポのよい投球で5回以降、8回まで無安打で二塁を踏ませない好投を見せた。山学高は6回一死後、8番田村颯丈郎の二塁打と続く檜垣の内野安打を2番宮川の中前適時打で1点を加え5対0とした。9回表、先頭の3番梅村がフルカウントから左中間に本塁打を放ち6対0、さらに二死後から三連打で1点を重ね7対0とした。その裏、甲府工高の攻撃を迎えたのは、152キロの直球を誇る菰田陽生。先頭を遊ゴロに仕留めると、後続を2連続三振で危なげなく抑え、山学高は3年ぶりの決勝進出を決めた。

3年ぶりの決勝進出を懸けて山学高伝統の“全校応援”で選手とともに戦う

7月21日3連休最終日午前8時、甲府・山日YBS球場の内野スタンドはほぼ満席に近く埋まった。一塁側応援スタンドには山梨学院高生徒会を筆頭に応援団、吹奏楽部、チアリーダー部、登録選手外の野球部員、一般応援生徒約600人、教職員と保護者会約150人の合計750人が山学高伝統の全校応援のため集結。この時間から容赦なく照りつける太陽の下、戦いの準備は整った。

古豪甲府工高の序盤の守備ミスで主導権を奪う

準決勝第1試合は、3年ぶり11回目の甲子園出場と春夏連覇を狙う山学高と19年ぶり9回目の出場を目指す古豪甲府工高との対戦。両校は2022年に決勝で対戦。その時は山学高が出場を果たしている。試合は、午前8時30分、山学高の先攻で開始された。1回表、1番鳴海柚萊(3年)は遊ゴロ失策で出塁。一死後、3番梅村団(3年)の鋭い左前打を弾く間に、相手の2つの失策が絡み鳴海が先制のホームを踏んだ。その裏、山学高先発はこの大会初先発の檜垣瑠輝斗(2年)がマウンドに上がった。檜垣は1番、2番打者を空振り三振に仕留めるが、3番、4番に連続安打を打たれピンチを招くも、後続をきっちり三振に抑えた。2回表、山学高は四球と内野安打、またも相手失策で無死三塁一塁、さらに8番田村颯丈郎(3年)の投ゴロを相手投手がホームへ送球も、セーフ。フィルダーチョイスにより1点を追加した。さらに鳴海の犠飛、2番宮川真聖(3年)の右越え適時二塁打で2点を重ね4対0とした。山学高は試合立ち上がり、相手守備陣の守備の綻びによる幸運もあり、優位な展開となった。先発の檜垣は2回、4回に2本の安打を許したが、安定したピッチングで前半を終了。

後半も好調な打線と檜垣好投、菰田の力投で完封

6回表、山学高は投手交代した甲府工高投手から8番田村の左中間二塁打、続く檜垣の内野安打、2番宮川が中前適時打で1点を追加した。その後、檜垣はテンポ良い投球で6回から8回まで三者凡退に抑えた。9回には、菰田陽生(2年)にマウンドを譲るが、檜垣は4安打無失点の好投を見せた。打線は9回表、先頭打者3番梅村がストレートを左中間スタンドに打ち込む本塁打でダメ押し、6対0とした。二死後には、6番萬場翔太(3年)、菰田、8番田村の左前打適時打で1点を追加、7対0とした。その裏、9回から継投した菰田は抑え気味の投球で先頭打者を内野ゴロ、後続は連続三振で試合を締めた。山学高は3年ぶりの決勝進出を決めた。

試合記録

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山梨学院高1300010027
甲府工業高0000000000

◆山梨学院高先発メンバー 〇囲みは学年、〇印は主将
1.(右)鳴海柚萊③、2.(左)宮川真聖③、3.〇(三)梅村 団③、4.(捕)横山 悠③、5.(遊)平野天斗③、6.(二)萬場翔太③、7.(一)菰田陽生②、8.(中)田村颯丈郎③、 9.(投)檜垣瑠輝斗②

◆山梨学院高バッテリー=檜垣⇒菰田ー〔捕手]横山
[投手]檜垣:投球8回、投球数99、被安打4、奪三振10、四球0、失点0
    菰田:投球1回、投球数14、被安打0、奪三振 2、四球0、失点0
[打撃] 安打14(長打:本塁打=梅村、ニ塁打:宮川、田村、菰田)、三振5、四球3
[交代]檜垣(投)⇒(代打)大石康耀、檜垣(投)⇒(投)菰田(一)⇒(一)岩城

試合後インタビュー

吉田健人部長は「檜垣がよく頑張って投げてくれたのが一番大きかったと思います。打線は中盤ちょっともたついた部分はありましたけど、全体を通せば3人のピッチャーからそれぞれ得点しているので、とにかく決勝でも頑張ってほしいですね」と選手の奮起に期待を寄せる。
梅村 団主将は決勝進出について、「本当に今年は夏一本でやってきて、決勝まで勝ち抜くということで準備をしてきたので、まずはその成果の一つが今日出たと思いますし、ここで負けた先輩の分も自分たちがやらないといけないと思うので、ここまで自分たちが積み重ねてきた練習の成果を発揮できるように、何か特別に力を入れるということではないですけど、いままでやってきたことを決勝戦ですべて出せるように準備して臨みたい」と決勝戦に思いのすべてを懸ける。
檜垣瑠輝斗投手は「最近、(夏の)甲子園に出ていないのでまずは準決勝に勝つという気持ちで、勝利につなげるピッチングをしようと思って投げました」。好投につながったところは「1回から8回まで集中を切らさずにテンポよく投げられたところが良かった。次の試合では、立ち上がりを抑えてテンポよく投げられたらいい」と決勝にも強い気持ちを溢れさせた。

この日行われた準決勝のもう1試合。富士学苑高対日本航空高の試合は2対4で日本航空高が勝利し、決勝に進出した。
決勝戦は、山学高と日本航空高が同球場で23日午前10時より対戦する。山学高は3年ぶりの優勝と春夏連続甲子園出場を懸けて、日本航空は2年連続夏の甲子園を目指し激突する。

文・カメラ(K.F) 2025.7.21