山梨学院大学ニュースファイル

第107回全国高校野球選手権大会 山学高2回戦聖光高に勝利

Vol.3518 | 2025年8月12日

先発菰田の好投と終盤のつなぐ野球で初の3回戦進出
約1,200人の大応援団が結束。全校応援団で選手を後押し

8月12日、荒天で1日遅れの試合となった「第107回全国高校野球選手権大会」大会7日目2回戦、山梨学院高校が3年ぶりに甲子園球場に登場、聖光学院高(福島)と対戦した。午前8時、曇り空が広がる三塁側アルプススタンドを埋めた山学高応援団約1,200人が見守る中、昨秋の県大会以来、2度目となる菰田陽生が夏の甲子園で初の先発マウンドに登った。菰田は1回表、先頭打者に内野ゴロ失策で走者を出すが、この日は、3月の選抜で最速152キロの速球で注目を浴びた投球を封印。夏の県大会でも見せた直球の質や制球力で丁寧に投げ分け、6回まで無安打無失点で聖光高打線を抑えた。

一方、山学高打線も、聖光高投手に5回まで走者を出すも決め手なく無得点。6回裏、6番の萬場翔太が四球で出塁。続く7番菰田の三ゴロは併殺打で万事休すと思われたが、相手の送球ミスで2走者が生きる大好機に変わった。8番田村颯丈郎はこの好機を見逃さずに初球を左前に運び先制点を奪った。しかし、聖光高も反撃。7回先頭打者が初安打で一死二塁から菰田は次打者に初球を狙われ同点とされた。前の回からにコンパクト打法に切り替えた山学高は、7回には萬場の左前適時打で1点を勝ち越し。8回には先頭の田村の安打を足掛かりに1番鳴海柚莱の右越え三塁打、続く宮川真聖の適時打、5番平野天斗の2点二塁打で一気に4点を挙げ、6対1とした。7回途中から継投した左腕エースの檜垣瑠輝斗は9回表に1点を返されたものの、山学高は初となる3回戦に駒を進めた。

約1,200人の山梨学院高応援団、三塁側アルプススタンドに勢揃い

午前7時30分、試合開始前には三塁側アルプススタンドに出場選手以外の野球部員や生徒会、応援団、吹奏楽部、チアリーダー部をはじめ、一般生徒、教職員など学校関係者、それに野球部保護者会、PTA、一般観客など総勢1,200人の応援団が試合開始を待った。応援団は昨夜8月11日午後10時、甲府を出発、現地には当日午前7時に到着した。

試合開始前、出場選手に向けて応援のメッセージを聞いた

❖野球部応援団長の坂東慶寿選手(3年)は「初戦は緊張もあってどのチームも難しいと思うので、そこは応援でやり易い雰囲気をつくるために、まずは自分が引っ張っていい雰囲気をつくれるようにしていきたい。今年の夏から新しい曲も増えて自分たちで振り付けなどを考えたのでそこを見てもらいたい」と応援にも工夫を凝らす。

❖ 応援団長遠山侑那さん(3年)は「自分も集大成になるので3年間の思いを全部発揮できるように頑張って選手にも悔いなく終わってもらえるようにいい夏にしたいなと思います」。

❖応援団の藤巻好加副団長(2年)は「春の甲子園にも連れて来てもらったので。また戻って先輩と一緒に応援させてもらえるのはうれしいなという気持ちと、今の代のみなさんの最後の大会なので選手のみなさんが練習してきた力の100%、さらに120%の力を引き出せるような応援を全力でしたいなと思っています」。

❖小林理美生徒会長(3年)は「3年ぶりに掴んだ甲子園で私たちの代は最後なので出来れば日本一を目指して頑張って欲しいです。生徒一丸となって選手に届くような応援をしたいと強く思います」。

❖伊藤瑠香吹奏楽部部長(3年)は「野球部の部員みんなが全力を出し切れるような演奏を吹奏楽部全員でやりたいと思います」。

❖赤尾ゆめりチアリーダー部部長(3年)は「球場の熱気がすごいので、負けないように選手に届くように部員30人で、全力の笑顔や踊りでグラウンドまで伝わるように全力で応援します」とそれぞれ応援の言葉を贈った。

2回戦は4年連続20度目の出場、強豪聖光学院高

対戦相手の聖光学院高(福島)の全国大会の試合結果は春に出場7回、夏の大会では過去に4強に入る実績を残し、今回は20回出場を誇る強豪校。今年の春のセンバツ大会では8強の成績を残し、春夏連続出場になる。夏の県大会は5試合の内、4試合を逆転勝ちするなど勝負強さが光る。

❖先攻は、聖光学院に対して山学高の先発は菰田陽生(2年)が起用された。吉田洸二監督は聖光高はデータ分析に秀でており、檜垣瑠輝斗の先発を見込むだろうと、裏をかいた起用と明かした。菰田の先発は昨秋の県大会以来2度目となるが、今年のセンバツで見せた鮮烈な最速152キロの速球から7月の県大会では140キロ台前半でボールの質と制球力に磨きを掛けた投球で打たして取るという安定感ある投球術を見せていた。

菰田は1回表、先頭打者に内野ゴロ失策で走者を出すが、後続を直球を低めに集めて内野ゴロにし止めた。菰田はその後も四球と味方失策で走者を出すも、安定した投球で6回表まで無安打無失点で抑えた。一方、山学高打線は5回まで得点圏に走者を置く好機をつくるが、左の聖光高投手に5回まで走者を出すも、あと一打の決め手なく無得点。

同点にされた7回裏からコンパクト打法に切り替え、一気に差をつける

❖0対0で迎えた6回裏一死後、6番の萬場翔太(3年)が四球で出塁。続く7番菰田の三ゴロは相手選手が併殺を焦りフィルダーチョイスで一死二塁・一塁。相手の守りの失策で2走者が生きる大好機に変わった。続く8番田村颯丈郎(3年)はこの好機を見逃さずに初球を左前に運び1点を先制した。しかし、聖光高も反撃。7回先頭打者が初安打で出塁すると手堅く犠打で一死二塁。菰田は次打者に初球を狙われ1対1と同点とされた。ここで好投した菰田から左腕エース檜垣瑠輝斗(2年)に継投。檜垣は後続を抑えた。7回裏、先頭打者2番宮川真聖(3年)が死球。続く梅村団(3年)は犠打で走者を進めると、4番横山悠(3年)は中前打で一死三塁一塁。続く平野の初球打ちは、三ゴロとなり三塁走者の宮川は走塁死。好機を潰しかけたが6番萬場の左前適時打で1点を勝ち越した。山学高は制球力のいい聖光高の投手から決定打がないことから、6回からにコンパクト打法に切り替えたことが功を奏し、この7回の攻撃で山学高三塁側応援席は盛り上がり、得点を期待する「ビッグウエーブ」が球場に鳴り響いた。さらに8回には先頭の8番田村の安打を足掛かりに1番鳴海柚莱(3年)の右越え三塁打、続く宮川真聖の適時打と畳みかけ、応援席のボルテージは最高潮に達した。5番平野天斗(3年)の2点二塁打でこの回、一気に4点を挙げ6対1とした。7回途中から継投した檜垣は、9回表に1点を返され6対2とされたものの、最後の打者を空振り三振に抑えると勝利の雄叫びを挙げた。応援席も隣同士で喜びを分かち合い笑顔で選手を迎えた。

山学高は2016年以来の勝利で初となる3回戦に駒を進めた。

3回戦は岡山学芸館高(岡山)と16日(土)午前10時30分より行われる。

 試合記録

山梨学院高先発打順・守備位置

1.(右)鳴海柚莱③、2.(左)宮川真聖③、〇3.(三)梅村 団③、4,(捕)横山 悠③、

5,(遊)平野天斗③、6.(二)萬場翔太③、7.(投)菰田陽生②、8.(中)田村颯丈郎③、9,(一)岩城敦仁③ 

※数字の前の〇は主将

[投手]菰田⇒檜垣②→[捕手]横山

 菰田=投球回6回1/3 打者数24 投球数80 被安打2 奪三振1 与四球1 失点1

 檜垣=投球回2回2/3 打者数9、 投球数23 被安打2 奪三振2 与四球1  失点1

[打撃]安打13 《長打=三塁打:鳴海、二塁打:平野》 四球2 死球2 三振3

[交代](投)菰田⇒(一)岩城⇒(投)檜垣

文(K.F) カメラ(平川大雪、今村佳正、小池裕太) 2025.8.12