山梨学院大学ニュースファイル

第107回全国高校野球選手権大会準々決勝 山学高準決勝進出4強

Vol.3520 | 2025年8月19日

前回覇者・京都国際高を粉砕。この試合もビッグイニング作る
3試合  全て投打がつながる理想的な勝ち方

8月19日、「第107回全国高校野球選手権大会」準々決勝4試合が行われた。第1試合の山梨学院高は前回大会王者の京都国際高と対戦した。この日は、三塁側アルプススタンドに約700人の応援団が集結、山学高の快進撃の雄姿に熱い声援を送った。試合は午前8時、後攻の山学高は菰田陽生が3試合連続先発のマウンドに登り始まった。菰田は初回表、立ち上がりを2連続安打から初の先制1点を許した。山学高は2回裏、先頭の4番横山悠が左翼スタンドに本塁打を放ち同点。さらに5番平野天斗、6番萬場翔太、7番菰田が連続安打。無死満塁。ここで8番田村颯丈郎の三ゴロを相手の本塁悪送球で2点を加え、後続の鳴海柚莱の犠飛、宮川真聖の適時打で2点を追加、5点のビッグイニングで逆転した。先発の菰田は2回以降は4回二死まで4安打無失点で2番手檜垣瑠輝斗にマウンドを託した。打線は5回一死後、四死球と6番萬場翔太の安打で満塁にすると、7番菰田が右越えの走者一掃三塁打で3点を重ね8対1とリードを広げた。継投した檜垣はテンポ良い投球で7回まで無失点。その間に山学高は6回につなぐ野球で1点。なおも7回も2連続安打を犠打と適時打、押し出し四球で2点を追加。11対1と大量リードした。しかし、昨夏の王者京都国際高も反撃を見せた。8回に1点、9回にも一死から2本の長打で2点を返したが檜垣が後続を抑え込み11対4で勝利。山学高は初の準決勝進出で4強。県勢では13年ぶりとなる。

快進撃を続ける山梨学院高の準々決勝戦に、この日も多くの応援団が山梨から駆け付けた。18日午後10時に生徒会、応援団、吹奏楽部、チアリーダー部、野球部員含めた生徒350人と教職員50人と、PTA50人、野球部保護者250人の一部がバス13台に分乗し出発。午前7時には三塁側アルプススタンドは応援団約700人、一般の山学高ファンも集まりほぼいっぱいになり選手の一投一打に熱い声援を送った。

アルプススタンドから選手に向けた応援メッセージ

❖野球部保護者会の鳴海峰浩さんは8強の強さを「3年生も下級生もチームが一つになって練習を頑張ってきたからだと思います」。目標は「勝ちたい気持ちを持って少しでもみんなで夏を長くやって欲しいし、怪我なく1戦1戦頑張ってくれれば何も言うことはないです。命がけで応援します」と笑顔で話した。

❖ソフトボール部石川まゆは(3年)主将は「いつも隣のグラウンドで練習しているので頑張って欲しいです。山学高のチームはどの打者も打てるチームで、どこからもチャンスをつくれると思うのでたくさん点での勝ちを期待しています」。

❖同じくソフトボール部関 百花(3年)さんは「ベスト8を突破して優勝旗を持って帰ってきて欲しいです」。ソフトボール部は昨日の試合に勝利し、国体出場を決めたとうれしい知らせを添えた。

❖応援団とともに応援を盛り上げる野球部員の大今跳太(2年)さんは「今の3年生は新チームが始まった時から夏の最高成績を残すことを目標にスタートした中で、その姿は自分たちにとってもとてもいい影響を与えてくれましたし、新チームに向けて今、自分たちだけではなく3年生のいいところを学んでいくのにいい体験になっています」。「まずはベスト8の目標を達成できたのでうれしい部分もありますが、ここまで来たら優勝してほしいので野球部が一丸となって、一番大きな声で一番いい応援で勝たせる応援をします」。

❖野球部有田昊樹(2年)さんは「去年、出場できなくて1年間この夏に向けて全員でつながってやってきたのでこのまま進んで(優勝で)終わりたい」。「いつもと同様に応援でメンバーの背中を押せるように全員でスタンドとつながって応援します」。

❖今回2回目の応援という進学コース2年の吉田凰稀さんは「甲子園は初めてなので球場も広いし、人も多いし、雰囲気にも圧倒されました。ネットで京都国際高がすごく強いと言われていますが、準決勝も決勝も応援に来たいので勝ってほしい」。

❖同じく進学コース1年の岩瀬トシユキさんは「3年生は最後の集大成なので今まで戦ってきた仲間と最後まで力を出しきって欲しいと思います。選手が頑張っているので僕たちも全力で応援して優勝を目指して頑張ります」とそれぞれエールを送った。

山学高、昨夏の王者京都国際高に先制されるも、横山の同点の一発で流れを引き込む

2年連続4回目の出場の京都国際高は前回大会優勝で2連覇を狙う優勝候補の一角。今大会も順調に勝ち上がってきた。エース西村は昨夏も甲子園を経験しており、緩急を交えた制球力で京都大会を34回45奪三振を奪いチームを牽引してきた。

❖大会13日目第1試合午前8時、後攻の山梨学院高は菰田陽生(2年)が3試合連続先発のマウンドに立った。菰田は初回表、京都に初球を狙い撃ちされた。一死後、2番に単打、3番に右越えの二塁打を浴び、4番の内野ゴロの間に1点を先制された。この間の9球をすべて直球で勝負。最速150キロも計測された。山学高は2回裏、この大会打撃好調の先頭4番横山悠(3年)が左翼ポール際のスタンドに本塁打を放ち同点。これを機に5番平野天斗(3年)が左前打で続くと、勝負強い6番萬場翔太(3年)が右前打、7番菰田が投手強襲の4連続安打で無死満塁。ここで8番田村颯丈郎(3年)の打席で応援席から“ハッピーバースデー”のメロディが演奏され、田村の前日の誕生日を祝う粋な演出で後押し。田村は三ゴロで併殺と思われるも、相手の本塁悪送球を誘い2点を加えた。さらに後続の鳴海柚莱(3年)の犠飛、宮川真聖(3年)の左前適時打で2点を追加、5点のビッグイニングで5対1と試合の流れを変えた。この攻撃で山学高三塁側アルプススタンドは『チャンスをものにしろ』と“ビッグウエーブ”に合わせて大声援。先発の菰田は1回の1失点以降、4回二死まで変化球を交えた安定した投球で4安打無失点で2番手檜垣瑠輝斗(2年)にマウンドを託した。打線は5回裏一死後、4番横山が打席に立つと今度は“突撃のテーマ”で盛り上げるも、横山は死球。続く5番平野天斗(3年)は四球。次の6番萬場は左前打で一死満塁。ここで一塁を守る7番菰田が右越えの走者一掃の三塁打を放ち8対1とし、打撃でもチームに貢献する。

中盤も、つなぐ打線で得点を積み重ねて、相手の追撃を寄せ付けず

山学高は6回も4番横山が適時打で1点を重ね、7回にも先頭の菰田が3打数3安打の猛打賞。後続はつなぐ打線で宮川の適時打、横山の押し出し四球で1点を追加11対1と3回戦に続き二桁得点。継投した檜垣はテンポ良い投球で7回まで無失点。しかし、昨夏の王者京都国際高も意地を見せ反撃に入った。8回に檜垣の2つの死球と適時打で1点を失点、9回にも一死後、三塁強襲二塁打、次打者には初球を右翼フェンス直撃の三塁打で1点。続く打者の内野ゴロの間で1点を失い11対4と詰め寄られるが後続を三邪飛に抑え、京都国際高の2連覇の夢を阻止した。山学高は初の準決勝進出で4強。県勢では東海大甲府高が1985年、2004年、2012年に3回の4強を成し遂げ、山学高が13年ぶりに県勢4回目の4強進出を果たした。

試合終了後、熱心に声援を送っていた林 昌明PTA会長は「選抜を思い出すような感じで勢いが似ていて楽しみですね。打撃陣が好調というのが強いですね。菰田君の先発と先日の試合、今日の試合で菰田君が投打で活躍というのも大きいですね。ここまで来たら選手はもちろんですが頂点を目指すように、我われ学校関係者も頂点を目指して応援に頑張っていきたいですね」と声を弾ませた。

試合記録

山梨学院高先発打順・守備位置

1. (右)鳴海柚莱③、2.(左)宮川真聖③、〇3.(三)梅村 団③、4,(捕)横山 悠③、

5,(遊)平野天斗③、6.(二)萬場翔太③、7.(投)菰田陽生②、8.(中)田村颯丈郎③、9,(一)岩城敦仁③

※数字の前の〇は主将

[投手]菰田⇒檜垣②→[捕手]横山

 菰田=投球回3回2/3 打者数16 投球数68 被安打4 奪三振2 与四死球1 失点1

 檜垣=投球回5回1/3 打者数23 投球数72 被安打4 奪三振4 与四死球1 失点3

[打撃] 安打13《長打=本塁打:横山、三塁打:菰田》 四球5 死球2 三振5

[交代]菰田⇒(一)岩城⇒(投)檜垣

残り2試合に積み上げてきた夏の甲子園への思いをぶつける

山学高は2022年度のセンバツに県勢初優勝を飾ったが、その大会までセンバツも2勝の壁に阻まれていた。それが2勝を挙げるとあれよあれよと快進撃を進め優勝を飾った。今大会がその戦いぶりを彷彿させると期待が集まる。 今大会の山学高チーム力は、投手の先発の菰田が3試合を15回1/3を被安打7、失点2、抑えの檜垣が3試合11回、被安打5、失点4と安定した万全の継投の投手力で相手打線を抑えるとともに、打線は2回戦初戦13安打、3回戦17安打、準々決勝13安打計43本。1試合2桁安打の驚異的な打撃力により投打のバランスが絡み合い実力校を撃破した。今夏に向けて取り組んだ“つながり”あるチーム作りが実を結びつつあり、残り2試合をどう戦うか楽しみではある。

山学高の準決勝の相手は沖縄尚学高

山学高の準決勝は21日第2試合、午前10時30分より沖縄尚学高と対戦。
沖縄尚学高は山学高と同じく夏の甲子園出場回数が11回を数えるが、優勝、準優勝はない。
センバツは2回の優勝を果たし、チームは走攻守に優れており拮抗した試合展開となるか。

文(K.F) カメラ(平川大雪、今村佳正、小池裕太) 2025.8.19