明治神宮野球大会山学高準々決勝
九州地区代表九州国際大付高と対戦
勝利目前悪夢のようなサヨナラ負け

新チャレンジャー達の秋の戦い。山梨学院高野球部は、県大会を制し、関東大会を制し、明治神宮大会に進出した。14日の初戦で帝京高を下し、16日の準々決勝に臨んだ。対戦相手は九州地区代表の九州国際大付属高。先行したが逆転され、8回表に再度逆転、勝利目前だった9回裏2死満塁の場面でワイルドピッチで2点を献上、まさかの悪夢のような逆転サヨナラ負けとなった。だが、新チームの戦いは始まったばかり、力を落とす必要はない。この体験の悔しさを胸に、冬の間、体力と技術と心の強化に励み、来春・来夏の戦いに挑めばいい。
投手から3塁手にコンバートされ、神宮大会はショートを守った8番藤田蒼海(そう)(2年)が大活躍した。バスターの構えから2回表にレフト前タイムリーヒットで1点。8回表2死満塁のチャンスでは初球をいきなり打ち返しライト前にタイムリーヒット、ライトの返球がベンチに入って一気に3点が入り逆転した。9回は二刀流菰田主将が抑えのマウンドに立ち逃げ切りを図った。2死1・2塁の場面、4番渡辺への3-2から外角低めいっぱいにずばりと投げ込んだ直球、ライブ配信の画面では快心の一投に映り、試合終了に見えたが審判の手は上がらず2死満塁に、そして、代打小山田に投じた4球目がワイルドピッチ、そのボールを捕手が1塁側に大きくそらし同点、さらに1塁側ベンチに入ってしまい2点目。一瞬勝ったと思った直後に天国から地獄に突き落とされたような逆転サヨナラ負け。選手たちが呆然となったのは当然だろう。翌日、砂田グラウンドに吉田洸二監督を訪ねると吉田監督は「攻守に渡ってうちの野球ができなかった非常に反省の多い試合だった。しっかり反省して、センバツでこういう野球にならないようにみんなで頑張る」と秋の戦いを振り返った。
試合結果

◆山学高出場メンバー*●内数字は背番号〇内数字は学年
[守備]
投手❶檜垣瑠輝斗②→❿木田倫太郎②→➎菰田陽生②、捕手❷光永惺音①、1塁❸菅原歩夢②、2塁➍島田達也②、3塁➎菰田陽生②→⓲白井爽心②、遊撃➏藤田蒼海②,左翼➐金子舜①、中堅➑石井陽昇②、右翼⓮杉村空飛②、
[打順]
1番➑石井陽昇②、2番➍島田達也②、3番➎菰田陽生②、4番⓮杉村空飛②、5番❸菅原歩夢②、6番➐金子舜①、7番❷光永惺音①、8番➏藤田蒼海②、9番❶檜垣瑠輝斗②→❿木田倫太郎②
「本塁打」久保田・牟禮(九国)、「2塁打」藤田(山学)、吉田(九国)、「安打数」山学5、九国9、「四死球」山学9.九国4,[失策]山学1、九国1
山学高野球部は、敗れた翌日にはもう練習を再開させていた。ナイター照明の下で、バットを振り、懸垂し、投げ込み、走りこんでいた。遊撃手の住友輝人選手(1年)は骨折した左手を三角巾で吊り、右手だけで黙々と練習に励んでいた。チームの合言葉は「俺達はチャレンジャー」。新生チャレンジャー達は関東を制したとはいえ、強かった前チームと比べるとまだまだ力不足。秋の陣を通して、自分たちの強さと弱さと未熟さを痛感した。この秋からこの冬の間、砂田グラウンドで、ひたすら、体力と体幹と技術の強化に取り組む日々を過ごす。砂にまみれて這い上がれ、新チャレンジャー達。
文(井出昌孝)・写真提供(山梨学院高校)2025.11.16

