山梨学院高イレブン年越しならず
東北の雄福島の尚志高と2回戦で激闘
2点を先行され後半猛反撃1点及ばず

“大晦日決戦”「全国高校サッカー選手権」2回戦が12月31日に行われた。28日の1回戦で“関西の雄”京都橘高をPK戦の末に下して進出した山梨学院高は、福島代表の“東北の雄”尚志高と初戦と同じ埼玉・浦和駒場スタジアムで対戦した。前半に2点を奪われ苦しい戦いになったが、後半に猛反撃、山学イレブンは山学風林火山軍となり、火の如く敵陣に攻め入り、1点を返し、さらに攻めだるまとなって攻め上がった。しかし、あと1点が奪えず、無情にも試合終了の笛。5大会ぶりの3回戦進出はならず、ピッチの上で正月を迎えることは叶わなかった。
山梨学院高はC2Cブルー、尚志高はエンジ、両校はともにファーストジャージで浦和駒場スタジアムのピッチに立った。バックスタンドの両チーム応援席はともに満席。山学応援席は応援団・吹奏楽部・チアリーダー・サッカー部員と生徒の大応援団が揃いのC2CブルーTシャツでプレーを見守る保護者と心を一つにして大声援を送った。
試合が動いたのは前半23分だった。ロングスローからのこぼれ球をプリンスリーグ東北の得点王10番田上真大選手に押し込まれて先制された。さらに37分に田上選手に2点目を奪われ非常に厳しい展開で前半を折り返した。後半の山学高はせめだるまとなって猛反撃を開始した。前から前からプレッシャーをかけ、後半22分には後半から起用のFW杉山琉碧(2年)がGKへのバックパスをカットしてあと少しでゴールのシーンを作り出し、35分に30番疋田将(2年)が後方からのクロスボールに俊敏に反応して体を反転させ、左足を振り抜きゴールネットに突き刺した。これで1-2、山学風林火山軍はひたすらゴールへ、ゴールへ火の如く攻め上がった。しかし、あと一歩、あと1点、届かなかった。アディショナルタイムの3分が経過し試合終了の笛。年越しはならず、5年ぶりの国立への道は断たれた。県大会準決勝の反則でこの試合まで3試合出場停止処分のエースストライカー、オノボ・フランシス日華(3年)は、選手権ピッチに立つこと叶わず無念を胸に高校サッカーを終えた。この大会の応援リーダー日本代表FW前田大然選手は山学高1年の時に規律違反で除籍となり高2の1年間は練習もできなかった。高3になって処分が解除されてピッチに戻れたが、チームは県大会決勝で敗れ選手権の舞台に立つことは叶わなかった。先輩はそこから自分を見つめ直し、自分を鍛えて階段を一段一段上がって世界に羽ばたいた。オノボもこの悔しさを糧にして先輩のように自分を見つめ直し、人間的に成長して、自分の力で自分の未来を切り開いてほしい。
試合結果


試合翌朝の元旦の記事で山日新聞は「夕日が差し込むピッチに敗戦を告げるホイッスルが響く、山梨学院イレブンは倒れ込み、手で顔を覆い、しばらく動くことができなかった。それでも、磨き上げてきた走力を武器に最後まで山梨学院らしさは貫いた。応援席からはイレブンに温かい拍手とねぎらいの言葉が贈られた。高見啓太主将は1・2年生は絶対に上に行ける。厳しい練習にもポジティブに取り組んでいってほしいと後輩に思いを託した」と書いてくれた。山学イレブンは胸に刻んだ三つの星に新たな星を刻み加えることはならなかったが、その真摯なプレーは見ていた者の心の中に確かに刻み込まれた。
(文 井出昌孝)(カメラ 平川大雪) 2025.12.31

