2025年「関甲新学生野球春季1部リーグ」開幕
序盤優位に立つも、中盤に先発・継投が乱調。逆転負け
明日から切り替え、一から出直し

2025年「関甲新学生野球春季1部リーグ戦」が4月5日開幕。山梨学院大(山学大)は1戦目、平成国際大(埼玉)を山梨学院川田野球場に迎えた初戦。中盤までリードの山学大先発投手の突然の制球難と、継投の2投手に相手の効率の良い攻撃で逆転され4対6で初戦に敗れ黒星スタートになった。関甲新1部リーグは10校、5月10日までの日程で、各チームは1試合総当たりの勝率制で、リーグ優勝したチームが出場できる全日本大学選手権出場を懸けた戦いが繰り広げられる。しかし、1回戦敗退は、リーグ優勝に非常に重い足かせとなった。後攻の山学大は、先発の樋口巧投手が初回に2本の安打で先制されるも、その裏、先頭打者の死球と犠打で走者を得点圏に進め、4番池田寿優の適時安打で同点。2回には6番野中寿真の本塁打で逆転。さらに3回にも先頭の栗林凌生の二塁打を足掛かりにつなぐ野球で加点。3対1とした。樋口は4回まで走者を出すも、味方守備陣に助けられ初回の1点にだけに留める。5回表、平成国際大の攻撃。樋口は先頭、次打者に四球、死球で無死の走者を出すと2連続安打で1点を返された。継投した川口龍己からも得点を重ね、この回4点を奪い3対5と逆転される。山学大も7回に二死の状況で栗林の二塁打から相手パスボールで1点を入れ4対5に迫ったが、9回裏、相手5番打者に決定的な特大本塁打を浴び、そのまま4対6で1回戦敗退を喫した。6日は同球場で関東学園大と対戦。負けられぬ一戦となる。
初戦を前に須田監督にインタビュー
昨年の春季3位、秋季は4位に終わった須田喜照監督に今季の抱負を聞いた。「我々はあくまでも優勝を狙っているので、まずは自分たちの力をしっかりつけていかなければという思いでいます」。野球は投手からを身上にする須田監督。「何人か経験した投手はいるので、投手を中心に戦っていかなければならないので、守りから締めなければ話にならない。そこは継続してやっています」。今季の目標は「相手のことは気にはなりますけど、まずは自分たちの野球をしっかりできるようにやっていきたいですね」と初志貫徹。自分たちの野球を貫く。
優勝争いに山学大初戦痛い敗戦
❖桜の満開宣言が出された甲府市。穏やかに晴れ上がった山梨学院川田野球場に多くの野球ファンが集まり球春を告げる。関甲新学生野球春リーグ1部に所属する山学大は、平成国際大を迎えて試合は正午に開始した。山学大の昨シーズンは春季リーグで3位。秋季リーグで4位と上武大(群馬)、白鷗大(栃木)の牙城を崩せず満足のいくシーズンではなかった。山学ナインはまずは満を持してグラウンドに立った。後攻の山学大は、樋口巧(4年)が先発マウンドに上がった。樋口は初回一死後、2番打者の左翼手オーバーの二塁打でピンチを招くと二死後、中前適時打で1点を失う立ち上がり。山学大もすぐに反撃。先頭打者の栗林凌生(4年)が死球で歩き、すぐさま盗塁に成功。同点に追いつくお膳立て。二死後、4番池田寿優(4年)が左前適時打で同点に追いついた。2回裏には先頭打者6番野中寿真(4年)が昨秋リーグ戦首位打者に輝いた一振りの本塁打で逆転。さらに3回には先頭の1番栗林が、バックスクリーン前のフェンスに当たる二塁打で出塁。相手先発投手を引きずり下ろした。
その後はつなぐ野球で1点を重ね、3対1と序盤は優位に立った。山学大先発樋口も4回まで走者を出すものの、味方守備の好プレーもあり要所を締めた。しかし、平成国際大5回表の攻撃。樋口は先頭打者に四球、続く打者に死球を与え、次の打者のバント安打から無死満塁の大ピンチに立たされ、次打者に敵時打を打たれ、1点を返された。ここで山学大は川口龍己(3年)に継投。川口はここで踏ん張り二ゴロのWプレー崩れから得点され、さらに中犠飛で1点を奪われ3対4と逆転された。川口は継投から得点を許すも自分の投球で二死までたどり着いたが、次の2打者連続四球で満塁にする悪い流れに、さらに次打者の内野安打で1点を加えられこの回4失点、3対5とリードされた。
❖川口は6回、7回と立て直し、味方の援護を待った。山学大7回の攻撃。3回から相手2番手投手に抑えられてきた二死から1番栗林が左翼線横に久々の二塁打安打で好機を作ると、相手捕手のパスボール、ワイルドピッチのバッテリー間のミスでようやく1点を返し、4対5と1点差に迫った。俄然、ベンチは大盛り上がりを見せたが、8回から継投した森山晃輔(3年)が9回、平成国際大の5番打者に特大の右翼本塁打で再び2点差をつけられ、9回裏の反撃を待ったが好機は生まれずにそのまま4対6で初戦を痛い黒星スタートとなった。
第2節は6日、同野球場で関東学園大と対戦。絶対に負けられない一戦となった。
第1節4月5日(土) ≪山梨学院大VS平成国際大 山梨学院大学川田野球≫
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平成国際大 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 |
山梨学院大 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 |
山梨学院大=先発打順・守備位置
1.栗林凌生(中 4年)、 ②.山元丈輝(一 4年)、3.青木一真(捕 4年)、4.池田寿優(左 4年)、5.山本和輝(DH 4年)、6.野中寿真(三 4年)、7.百瀬竣都(右 3年)、8.岸本侑也(遊 4年) 9.乙黒颯斗(二 3年) P.樋口 巧(投 4年) 〇囲みは主将 山元は主将代理
バッテリー=(投手)樋口巧⇒川口龍己(3年)⇒森山晃輔(3年)➡(捕手)青木一真
〔投手〕
樋口:投球回4、打者15、投球数80、被安打6、奪三振3、与四死球4、自責点4
川口:投球回3、打者13、投球数55、被安打2、奪三振1、与四球2、自責点1
森山:投球回2、打者8、投球数29、被安打2、奪三振1、与四球0、自責点1
〔打撃〕
安打6 長打(本塁打:野中、二塁打:栗林2)、三振13、四球2、死球1
〔交代〕
百瀬⇒H加賀谷翔之介(2年)、山本⇒H望月志音(2年)、岸本⇒H浅田英太(4年)
試合後のインタビュー
試合後、須田喜照監督は5回に突然崩れた投手に対して「経験の少ない投手なのでああいう場面を乗り越えてくれないと、こういうリーグ戦は勝たせてくれないのでね」と振り返り、好投した相手の2番投手に「良かったですね。でもうちも振れてないわけではないので、最後に粘りを見せていますから。諦めない気持ちはつながっているので、まだ始まったばかりで明日勝って来週につなげたいですね」と気を引き締めた。主将代理の山元丈輝選手は試合を振り返り、「自分たちの投手のミスと、相手の2番手投手への対応が悪くて敗戦となりました」。初戦を落としたことで、今後の影響は「あと8試合続くので今日の負けは悔しいですけど、絶対に切り替えないとやっていけないので、チーム全員で明日からもう1回イチからやっていきます」と前を向いた。
山梨学院大野球部は2005年、強化育成クラブに指定されて以降、2006年秋季1部リーグで初めての準優勝を果たし、その後、2011年秋季、2012年春・秋季、2013年春季の4季連続を含む5回の準優勝、2014年春季に念願の初優勝を飾った。それ以降、優勝争いに絡めず、2023年秋季リーグでようやく本来のチーム力で最後まで優勝争いをし、6回目の準優勝に輝いた。その結果、11月の「横浜市長杯関東地区選手権大会」に11年ぶりに出場、4強の成績を残した。そこでのシーズンに活躍した宮崎一樹選手は2023年のドラフトで日本ハムファイターズから指名を受け、2024年には中込陽翔投手が楽天ゴールデンイーグルスに指名され後輩の励みになり、現在はレギュラーを目指している。2025年新しくなったチームで臨む春季リーグは、11年ぶりの優勝と2度目の全日本大学野球選手権出場を目指す。
文(K.F) カメラ(今村佳正) 2025.4.5