山梨学院大学ニュースファイル

関東大学バレーボール男子春季2部リーグ戦 山学大初戦に続き勝利

Vol.3471 | 2025年4月13日

内容には課題が残るも、まずは勝利が大事
昨秋、初の1部入替戦に敗れ、1部への思いは強く

2025年度「関東大学バレーボール男子春季2部リーグ」が4月12日、開幕した。山梨学院大(山学大)は、昨秋リーグ戦2部で2位となり、2016年の創部以来、初めての1・2部入替戦で法政大と対戦したが、逆転負けを喫し悲願の1部昇格を逃した。そして迎えた2025年度春季リーグ戦。4月12日の1戦目は立正大に3対1で勝利し、4月13日、リーグ2戦目を東京・亜細亜大体育館で国際武道大と対戦した。国際武道大は昨秋リーグ戦で10位だったが、粘り強いディフェンスと、スピードあるプレーを身上とする侮れないチーム。山学大は大事な初戦の勝利で1部への流れを掴みたいところ。第1セット、試合は山学大が先行、国際武道大が追いかける展開で進むが、互いに緊張感からかサーブミスが多く、終盤、山学大が逆転を許し22対25でセットを落とした。第2セットも、序盤から中盤まで一進一退で進むが、終盤に相手のスパイクミスから山学大が優位に立ち、24対20のセットポイントからアウトサイドヒッター米澤琉冶がネット際から押し込み、25対21でセットを奪い返した。第3セットは山学大セッター齋藤唯がオポジットの石塚蓮にボールを集め得点すると、主将の山内智貴や小柄な新井幸治が要所で左右からスパイクを決め、25対22でセットカウント2対1とした。第4セットに入っても、互いに粘り強い攻守で得点を奪い合う中、国際武道大が4連続得点を挙げ終盤で並び、その後デュースに持ち込まれた結果、山学大エース石塚が相手のブロックを破る2得点で26対24と競り勝った。

山学大男子、昨秋リーグ戦で初の1部入替戦に臨むも叶わず、今年度に懸ける

山学大男子は、2018年に強化育成クラブに指定され、2019年には2部昇格。2023年度秋季リーグ戦で亜細亜大と同率で2位に並ぶも、セットカウントで3位となり1部入替戦を逃した。昨秋のリーグ戦では3チームが勝率で2位に並び、山学大が得点率で上回り準優勝となり、初の1・2部間の入替戦に臨んだ。しかし、対戦した法政大に2対1と先行するも逆転負けを喫し1部昇格を逃した。今年度の春季リーグで再び悲願の1部昇格を目指す。
春季2部リーグは、日本大(1部より降格)、山梨学院大、亜細亜大、大東文化大、慶應義塾大、中央学院大、立教大、青山学院大、明治学院大、国際武道大、立正大、山梨大 (3部より昇格)の12チームによって争われ、総当たりで各チーム11試合を1部昇格を懸けて争う。1部・2部は上位・下位2チームが入替戦を戦う。

国際武道大との対戦。内容には課題が残るも、リーグ開幕連勝

❖第1セット、国際武道大のサーブで始まった。両リームの1点目は山学大#2・オポジット(スーパーエース)の石塚 蓮(4年)の強烈な左腕からの高い打点のスパイクがコートに突き刺さった。その後、山学大は相手のサーブを#2・リベロ池崎 響(4年)がしっかりと受け止め、#25・セッター平松陸哉(3年)が変幻自在に繰り出すトスワークに石塚をはじめ、#17・米澤琉治(4年)のブロック、#1・山内智貴(4年)のレシーブが得点につながり、#19・新井幸志(3年)、#33・坂本颯真(2年)のオープン攻撃やAクイック攻撃が功を奏した。それでも国際武道大もぴったり山学大の後を追随した。しかし、その後は緊張感からか、互いにサービスミスが多い展開にとなり終盤は、国際武道のAクイック、ブロックで22対25と1セット目を奪った。第2セット序盤、#3石塚のバックアタックや#19新井のスパイクなどで先行するも、離しきれずに国際武道大も再び追随。山学大の攻撃ミスもあり一時は逆転され、流れは国際武道大に傾いたかに見えたが、長いラリーの末、#17米澤が起死回生のブロックポイント。ここから俄然攻守のコンビネーションが良くなり、#2・リベロ池崎、2セット目から交代したセッターの#22齋藤 唯(3年)の繰り出すトスに#19新井、#33坂本らが得点を重ね、19対16と再逆転。その後は相手のミスにも助けられ、25対21となり、セットカウントを1対1に戻した。

2セット目を先に取るかが勝負の正念場

❖後半第3セット、この試合で初めて国際武道大が先行。山学大が追う形に、#1主将の山内が献身的な仕事をした。一進一退の場面で自身の4連続得点で、放されずに味方の反撃を待った。直後、#19新井、#3石塚が躍動。相手のミスも絡み、4連続得点で17対15とようやく逆転に成功。その後も拮抗状態は続いたが、#3石塚がブロックを破りセットポイントを取り、この日、当たっている#19新井が左サイドからクロスに鋭いスパイクを打ち込み、25対22でセットカウント2対1とした。第4セット、優位に立った山学大は、立ち上がり#1山内のスパイク、#1山内と#17米澤の2枚ブロック、#3石塚のフェイントや強烈なジャンプシュートで得点を重ねるが国際武道大も食い下がる。しかし、#19新井の勢いは止まらず、ブロックを破り、左からのクロススパイク2本。チームの好守備、相手のミスも絡み山学大は13対9とリードと、相手にプレッシャーを与えるも、山学大もミスで4連続得点を失い同点。互いにミスが多い試合に行方が分からなくなった。そのまま、24対24のデュースに流れ込んだが、最後は#3石塚が2本続けて相手のブロックを破る強烈なスパイクで引導を渡した。26対24でセットカウント3対1にし、初戦を飾った。しかし、試合の印象は互いにミスが多い試合で課題が残る試合だった。次回の第3戦目は4月19日に明治学院大と対戦する。

試合記録

◆山梨学院大スターティングメンバー
#①・アウトサイドヒッター山内智貴(4年)、#2・リベロ池崎 響(4年)、#3オポジット・石塚 蓮(4年)、#17・ミドルブロッカー・米澤琉治(4年)、#19・アウトサイドヒッター新井幸志(3年)、#17・ミドルブロッカー・米澤琉治(3年)、#25セッター・平松陸哉(3年)、#33・ミドルブロッカー坂本颯真(2年)  ※〇印ゲームキャプテン

◆サブメンバー
#6・アウトサイドヒッター・堤箸颯弥(4年)、#15・セッター高猶明然(4年)、#22・セッター齋藤唯(3年)、#40・市川智章(1年)、#47・リベロ坂戸久龍(1年)、#50・アウトサイドヒッター・佐藤彪磨(1年)、#51・ミドルブロッカー佐藤蓮太(1年)

◆交代
#37平松→#22・セッター齋藤唯、#6・アウトサイドヒッター堤箸颯弥、
#40・オポジット市川智章、#51・ミドルブロッカー佐藤蓮太

試合後のインタビュー

昨年8月にコーチに就任。この4月に正式に監督として指揮を執る伊東克明監督は、現役時代にトップリーグのFC東京でプレーをし、引退後は早稲田大学で6年間コーチを努め、その間、5連覇の偉業を成し遂げ、その後、女子のトップリリーグ監督を歴任し山学大へ招聘された。伊東克明監督はリーグ戦初めて指揮をとって「リーグが開幕して最初の1週目ですから、上手くいかないと想定していました。緊張とか堅さとか去年の12月に最後の試合が終わって3ヶ月ぐらい経ち、難しい状況だとは想定していましたが、その中で、セットは取られていますけど、まずは勝ったということは一つの成果かなと思っています。内容はあまり良くないですけど、昨年のチームと比べると、しっかり意図して点を取りに行けているプレーも多々あるので、そういうところでは練習してきた成果かなと思います」と振り返った。今年の戦力は「去年の6人からはメンバーも変わっていますし、他の大学も変わっていて良い選手も出ているので、そう意味では昨年2位だったから今回また勝てるとは全く思ってないです。もちろん1番を目指していますが」と気を引き締める。
強烈なスパイクでチームを鼓舞した石塚蓮選手は「1部を目標にしているので、やっぱりこういう試合でつまずいていたら、まずは勝つことが絶対だと思うので、そこのプレッシャーの中でこれからやっていくのか大事になってくると思います。今回出た課題というのは、しっかり克服して新しいステージに行けるようにと考えてやっていきたい」と話した。初戦には勝ちましたがこれからは「トレーニングだったり、練習を重ねていき、高さだったり、パワーだったり守備力だったり、全体的な底上げがチーム全体でできればと思っているので、練習して強くなっていきたい」と話した。
アウトサイダーヒッター新井幸治選手は「自分は身長とか高さの部分で勝てないので、自分の武器と思っているのはブロックを利用して得点を稼いだりするところで、今日の序盤はミスが多かったのですが、2セット目からは上手くできた」。昨秋の2部2位を振り返って「出足の部分でミスを引きずってしまったので、その部分をしっかりやっていけば、これから相手がどんどん強くなっていっても、自分たちのペースでバレーを展開できるのかなと思うので、自分たちのペースを意識しながらこれから、やっていきたい」と意気込んだ。
主将の山内智貴選手は「内容はあまりよくはなかったですけど、勝ちきれたということは大きいと思うので、徐々に修正していきたい」。今年の抱負は「僕らは1部昇格を目指してやっているので、まずは入替戦に行って頑張りたい」と1部昇格を誓う。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.4.13