山梨学院大学ニュースファイル

2025年関東大学サッカー2部第3節

Vol.3472 | 2025年4月16日

山学ホーム開幕戦、昨年1部の駒澤大に完敗
岩渕監督2連敗で今後の戦い方の変更を示唆か?

2025年度「関東大学サッカー2部リーグ戦」第3節、山梨学院大のホーム開幕戦が4月16日の正午に山梨学院川田ツインサッカー場で、駒澤大(1部降格)との対戦が行われた。2023年、関東大学サッカーリーグ2部に昇格した山学サッカー部男子は、リーグ戦を3位で通過。僅か1年で1部参入出場権を得たが参入プレーオフで敗れ、1部昇格を逸した。昨年度は10位と振るわず、今年度2度目の1部参入戦に向けて始動した。開始早々、山学がMF北野明暉からのクロスをFW五十嵐真翔が両チーム初シュートを放つが、ゴール上に外した。序盤は、山学が好機をつくるも得点に至らず。徐々に風上に立つ駒澤大のロングボールからのプレスに再三ピンチを背負い、駒澤大が主導権を握った。山学も好機をつくるが単発。そのまま駒澤大の攻撃を何とか凌ぎ、0対0で前半終了。ハーフタイム、山学は岩渕弘幹監督の「点を取りに行くぞ」の大きな声で送りだされた。後半に入っても、駒澤大のロングボールから前線を走らせる攻撃で好機をつくり、球際の強さからのボール保持力が際立った。一方の山学もハードワークとパスワークで好機をつくりゴールに迫ったが、相手プレスにあと一歩の正確さを欠いた。駒澤大は28分、右サイドからのセカンドボールをFWがワンタッチボレーでゴール前に落とすと、もう一人のFWにつないでシュートを決め、0対1。山学も終盤、反撃をしたが駒澤大の堅固なディフェンスに屈した。リーグ戦は始まったばかりだが、1部昇格に試練が課された。

山梨学院大サッカー部男子、関東リーグ戦1部昇格に懸ける

山梨学院大学サッカー部は2008年創部。翌年の2009年に強化育成クラブに指定され、東京都大学サッカー連盟に所属、関東大学サッカーリーグ1部を目標にスタートした。2010年に東京都大学サッカーリーグ2部優勝1部昇格し、2011年に2位へと躍進した。関東大学サッカーリーグ2部参入戦決定戦に初挑戦するも昇格はならず、その後も2013年、2019年、2020年と挑戦は続くがいずれもはねのけられた。そして2022年、5回目の挑戦でようやく関東大学サッカー大会グループAを1位通過し、関東大学サッカーリーグ2部に念願の昇格を果たした。翌2023年は、2部3位と僅か1年で1部参入戦の出場権を獲得したが、参入プレーオフに敗れ昇格を逃した。2024年度は2部10位と低迷。今年、2025年度に2度目の1部参入戦(リーグ戦1位、2位は自動昇格)に懸ける思いは強い。

関東大学サッカーリーグ戦2部(12チーム)は、4月6日開幕。6月8日までの前半戦と9月21日から11月15日までの後半戦まで、ホーム・アンド・アウェー方式で22試合の年間成績を決定する。山学は、4月6日の第1節で國學院大(3部から昇格チーム)とアウェーで対戦し、1対2で敗れ黒星スタートとなった。4月16日の第3節(2節は都合により後日に変更)で、1部から降格になった駒澤大と対戦した。1部昇格への道を切り拓くには、白星の欲しい試合である。

対戦相手は1部降格した駒澤大。1部との差を実感

試合は、快晴の甲府市・山梨学院川田ツインサッカー場で山学大ホーム開幕戦として行われ、正午に山梨学院のキックオフで開始された。立ち上がり早々、グリーンのフィールドに映える山学C2Cカラーの選手が立ち上がりに仕掛けた。山学は#7MF北野明暉(4年)の左サイドへのクロスに、#15FW伊藤優作(3年)が両チーム初のシュートを放つが相手GKの正面、しっかり抑えられた。その後、激しいボールの奪い合いで攻守が入れ替わるが、風上の駒澤大の前線へのロングボールで優位に立たれ、ゴール前に攻め入る場面やCKのセットプレーなど、多彩な攻撃で守勢に立たされた。それでも山学も反撃。中盤から終盤にかけて、#7北野のパスを受けた#DF小松憲矢(4年)がドリブルでゴール前に持ち込む好機にも相手ディフェンスに阻まれ、さらにフリーキックからゴール前に流したボールが、風の影響で勢いが弱まりGKにキャッチされる等シュートの決定機が生まれず、駒澤大の攻撃に耐え前半をスコアレスで凌いだ。

後半に入りサイドが変わっても、駒澤の更なる勢いに山学が押され、フィジカルに勝る球際の強さやボールの保持力に差が出て、ロングボールから前線を走らせる攻撃で好機をつくられ、山学ゴールを再三脅かした。一方の山学も、ハードワークとパスワークで好機をつくりゴールに迫ったが、相手プレスにあと一歩の正確さを欠いた。駒澤大は28分、右サイドから蹴り出したセカンドボールを相手FWが絶妙なワンタッチボレーでペナルティーエリアに落とすと、右サイドから走り込んだ駒澤大選手が角度のないコースに合わせ、1点を先制される。直後、山学も怪我から復帰したばかりの主力#13FW池田悠夢(3年)を投入。終盤、反撃を開始。再三の好機を演出したが、駒澤大のスピード、堅固なディフェンスに跳ね返され0対1で敗れた。リーグ戦は始まったばかり。試合数が多いリーグ戦では、挽回の余地は多くあるが、2連敗は山学の1部昇格に大きな試練を課した。次節4節、山学はホームの同サッカー場に早稲田大(5位)を迎えて対戦する。

試合記録

◆山梨学院大スターティング11
#1GK小櫃政儀④、#3DF加藤佑太郎④、〇#4DF原田蓮斗④、#5DF小松憲矢④、#24DF山田 佳①、#6MF三木響介②、#7MF北野明暉④、#17MF鈴木斗優②、#9FW吉長由翔④、#15FW伊藤優作③、#18FW五十嵐真翔②、 ※#前の〇印は主将

◆リザーブ
#12GK後藤洸太①、#2DF岩﨑柊汰④、#23DF菊池晃太①、#10MF山田翔遥④、#20MF長山翔真②、#28MF仲 大和①、#13FW池田悠夢③、#19FW山本叶多③、#29FW太仲貴哉①

◆交代
#17MF鈴木⇒#10MF山田翔遥④、#9FW吉長⇒#29FW太仲貴哉①、#15FW伊藤⇒#13FW池田悠夢③、#18FW五十嵐⇒#19FW山本叶多③

試合後インタビュー

岩渕弘幹監督は厳しい表情で「怪我人がいることもあって、うちはもう少し時間が経ってから(チームが良くなる)と思っています。やはり厳しいゲームにはなっているし、もっと攻撃ができないことには話にならないです。ほとんどのポジションで負けていたと思います。もう少し守備陣は耐えなければいけないし、前線はもっと攻撃ができなければいけない。まあ、これが現状だと思いますが、ここを何とか乗り超えていかないといけないと思います」と1戦目、2戦目を振り返った。一昨年3位での参入戦から2度目の挑戦については、「一昨年は3位と言っても内容は褒められたものではないです。昨年の方が良い攻撃ができていた分、後ろにスペースができて、でもそこをチャレンジしていかないと、上はないと思います。ずっと我慢のサッカーばかりしていたら、ここ(山学)は大学日本一を目指すところですから、それを考えると、本来は(2部へ)昇格してから3年我慢というのは分かるんですけど、でも、チャレンジしていかないと、出来るだけ早いタイミングで1部リーグいくとか、大学日本一を目指すとか、プロの選手をもっとたくさん輩出するとか、今はできていないので、今年はリスクを犯してでも、何とかしようと思っているのですけどね」と今後を見据えてテコ入れを図る。

DFの要・原田蓮斗主将は自分たちのプレーについて「駒澤大の前への推進力に対して、前へ跳ね返せず、ずるずる圧を掛けられたまま押し込まれてしまった。パスをつないでいくということをいつもチーム内で言っているのですが、プレスに対してなかなかパスをつなぐことができず、自分たちのサッカーは出せなかったですね」と敗因を口にした。開幕2連敗という状況には「2敗したということはチームにとって悔しいことですけど、前を向いてやるしかないので、チームとして自分が先頭になって、もっともっと前に向かって、3日後には早稲田大との対戦があるので、そこで絶対勝てるように(チームを)作っていきたい」。目標は「もちろん諦めていませんから、優勝での1部昇格を目指してまだまだ勝っていければと思うので、ただ上を目指して頑張っていきたい」と前を向いた。

文(K.F)カメラ(平川大雪) 2025.4.16